トピックス -企業家倶楽部

2016年04月25日

長時間労働を撲滅やりがいのある会社を目指す/ ランクアップ代表取締役 岩崎裕美子 

企業家倶楽部2016年4月号 著者に聞く





『ほとんどの社員が17時に帰る 売上10年連続右肩上がりの会社』

岩崎裕美子 著 クロスメディア・パブリッシング(1480円+税)

ランクアップ社長の岩崎裕美子氏が、超ブラック企業の役員から転身・起業。ホワイト企業の社長になるまでの体験を激白。超ワンマン社長を反省、社員との一体感を掴み、社員の本当の幸せを問う感動の一冊。





問 この本の執筆の狙いについてお聞かせ下さい。

岩崎 2014年、弊社のハロウィンパーティのニュースが、ヤフートピックスで首位を維持したことがありました。その後取材が増え、出版社から執筆のオファーをいただいたのがきっかけです。元「超ブラック企業」の私の体験が、少しでも参考になり、早く帰れる会社が一社でも増えればいいと思い執筆しました。

問 ここまで書いていいのかなと思うほど、赤裸々に書いておられますね。

岩崎 隠すものは何もありませんので。社員アンケートも皆自由に回答してくれましたが、それも掲載しています。発売して10日ですが、三省堂有楽町店で一位に。アマゾンの事業戦略部門でも一位にノミネートされました。

問 どんな方に一番読んで欲しいですか。

岩崎 タイトルだけ見ると、時短について書かれていると思われがちですが、この中には二つのことが書いてあります。一つは早く帰っても業績が伸ばせるということ、もう一つは早く帰れたからといって社員は幸せとは限らないということです。やりがいについて悩んでいる人、そして世の中のワンマン社長にぜひ読んでいただきたい。



早く帰れても社員は幸せではない

問 早く帰れてもやりがいが無ければ幸せではないということが強調されています。

岩崎 早く帰れても仕事が充実していなければ社員にとっては幸せではないのです。世の中のワンマン社長は自分がワンマン社長と気が付いていないことが多いんです。私もそうでしたから。

問 気付くきっかけは、社員たちが参加した「ワクワク冒険島」という研修ですね。

岩崎 これがなければ気が付かなかったかもしれません。社長には2つのタイプがいます。一つは社員を経費と思っている人、もう一つは社員に生き生き働いてもらいたいと願っている人です。よく「ウチの社員は暗い」と嘆いている社長にお会いしますが、かつての自分を見ているような気になります。

問 岩崎社長もワンマン社長であることに気付かず、良い社長と思われたいために、いろんなことを実施したと書いていますね。

岩崎 5周年に全社員に5万円をプレゼントしたり、カフェのような休憩室をつくったりと、その頃は良い社長と思われたくて、色々なことに取り組みました。でも待遇やモノは段々慣れてしまい、有り難みが薄れてしまいます。その頃は「良い会社ですね」といわれるのがイヤでした。実態は暗くて悩んでいましたから。私と専務の日高対社員で、2対28みたいな構図になっていましたから、辛かった。

問 今は良い社風が出来上がっているからこそ、赤裸々に事実を書けるということですね。

岩崎 ワンマンに気がつけて本当によかったと思います。「働きがいのある会社調査」では、データがあまりに悪くて社員には見せられないぐらい。でも暗いままではイヤだったので、なんとかしたいと、いろいろ模索していました。

問 かつて「離れられない彼氏みたいな存在」と表現していました。

岩崎 「会社は銀座だし、残業もないし給料も悪くない。社長がワンマンでイヤだけど、辞めるほどではないか」みたいな。しかし有難かったのは社員が大変真面目で、仕事にはきちんと向き合ってくれていたことです。



長時間労働を撲滅したい

問 この著書で岩崎社長が一番読者に伝えたいことは何ですか。

岩崎 日本の長時間労働を撲滅したいということです。私も長時間労働をしていて、独身ならまだしもこんな働き方長く続けられないと思いました。

問 ブラック企業を経験したからこそ言えることですね。御社は17時に帰っても10年間ずっと右肩上がりの成長を続けているのですからすごい。

岩崎 17時に帰ると思うと仕事への集中力がすごいし、段取りも的確で仕事が早い。会議も30分だし、やらなくていい仕事はしない。短時間でパフォーマンスを上げるという働き方が定着しています。

問 長時間労働だとだらだら無駄な時間が多い。

岩崎 特にママはすごいです。子供のお迎えに行かなくてはなりませんので、集中力は半端じゃありません。いつ呼びだしされるか分かりませんから、前倒しで仕事をしています。

問 17時でスパっと帰るといろいろなことができますね。習い事や、スポーツ、美術の鑑賞費用なども支援しているようですね。

岩崎 コミュニケーション費としていろいろ支援しています。音楽会とかアート作品を見ることは、感性を豊かにするのに役立ちます。17時で帰ると、第二のその日が始まるということで、生活が充実しますし、会社に行くのがイヤじゃない。



社長の本気が大切

問 滅私奉公では困りますからね。残業ゼロでも成長できるという素晴らしい事例ですね。

岩崎 今年の売上目標は89億円です。利益目標はつくっていませんが、前年並みにはいくと思います。できるかどうかは社長の本気度次第です。時短や女性活用も社長の気持ち一つです。社員からいろんな提案が出されても、OKしてあげられなければ意味ないですから。女性活用で悩んでいる人にも読んで貰いたいですね。

 起業してこの10年でいろいろ学びました。よく社員一人当たりの生産性について語られますが、私は歳をとっても社員の個性を生かして定年まで働いてもらいたいと本気で思っています。

問 本気でそう思っている社長は少ないと思います。やはり歳をとったら辞めて欲しいというのが本音なのでは・・・。

岩崎 歳を重ねて生産性が低くなっても、その人を退職させるようなことはしたくない。そうでないと安心して働けない。自分もいつ辞めさせられるかと、疑心暗鬼になります。

問 将来が描けなくなりますね。最近、異動も多いと聞きます。

岩崎 異動で複数部署を経験するとスキルも上がるし、会社を俯瞰的に見られる。他の部署の気持ちが理解できる。長年働いてもらうために、今後も拡大戦略をとっていきます。

問 どんなことを考えておられますか。

岩崎 海外事業としては台湾とシンガポールで展開予定です。化粧品以外の下着、雑貨にも進出。また子育て、介護、教育分野など、女性がいきいきと働く社会のための新規事業を拡大していきたい。皆がずっと活躍し続ける場所を作ってあげたいのです。

問 これは御社の危機突破のストーリーですが、岩崎社長の素直な人柄が伝わってきますね。

岩崎 皆が楽しくいきいきと働いている姿を見るのは嬉しい限りです。出版してよかったと思います。



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