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トピックス -企業家倶楽部

2016年11月13日

トランプ大統領を予言した男/ハドソン研究所首席研究員 日高義樹氏 

企業家倶楽部2016年10月号 緊急レポート


『「核の戦国時代」が始まる』日高義樹 著PHP研究所 (1600円+税)

強硬な態度を取る中国、核実験を繰り返す北朝鮮…。アジア情勢は未曾有の危機を迎えている。一方、日本の頼みの綱であるアメリカは日本から手を引こうとしている。核を持たざる日本はこの動乱をどう生き抜くか。ハドソン研究所首席研究員、日高義樹氏が迫る。




問 著書の『核の戦国時代が始まる』は大胆な中身ですね。よくぞここまで書かれたという印象を受けました。

日高 大胆というか事実ですし、いつも書いていることです。アメリカは言論の国です。いまだかつて支障はないですね。

問 冒頭の北朝鮮を攻める話は、シミュレーションですが、ここまで書いて大丈夫なのかと思いました。

日高 これはアメリカの当事者の間では常識になっている話を集めて、まとめて作った話です。日本では情報について神経質ですが、メリカは違う。情報が間違いなら責任が問われますが。

問 一番読者に読んでもらいたいのはどこですか。

日高 第2章の中国のところです。中国は軍事増強競争ではアメリカに勝てない。特に先端技術となると敵わない。一番怖いのは中国がアメリカに勝てないから核兵器を使おうと考えていることです。

 1945年から70年、核兵器は「使えない兵器」でした。それが変わろうとしています。その理由の第一は中国が核兵器を持ってしまったことです。既にミサイルを1000発持っています。もう一つはオバマは大ウソつきということです。

問 それはどういうことですか。

日高 5月の広島訪問の時「核戦争はない」と言いました。しかし帰国して6月には「核兵器大増強計画」を発表している。そこにはアメリカのミサイル潜水艦を全部刷新、B52(戦略爆撃機)を全部新しくするなど、アメリカの核の歴史からいうと、1960年のケネディ、1986年のレーガンに続き3番目の大増強計画を発表したのです。

問そういった事実は日本ではわからないですね。

日高 だからこそ私が書きました。



核のない時代は幻想にすぎない

問 執筆の一番の狙いは何ですか。

日高 核のない時代は幻想にすぎないということは、アメリカの専門家からみたら当たり前の話です。この70年、いい形で均衡が続いてきたので、波風を立てなくてもいいんじゃないかと思われがちです。しかし一番現実的な話は、北朝鮮は国家目標として、韓国をなくして朝鮮半島を北朝鮮のものにしようとしているということです。原子力ミサイル潜水艦や水爆は、技術的には簡単です。アメリカもそう何年も今の安全な状態は続かないだろうと思っている。

問中国の幹部は北朝鮮をどう思っているんですか。

日高 なくなっては困るということははっきりしている。だからオバマがいろいろ掛け合っても、何も行動しないのです。



トランプが大統領に?

問 大統領選が大詰めになってきましたが、なぜトランプがこんなに支持されているのでしょう。

日高 頭が良いのと戦術に優れているのではないですか。今の段階では(インタビューは7月28日)トランプが大統領になると思います。今、一番大きな問題は移民の問題。不法移民が1500万人もいますが、これをどうするかということについて、意見は分かれています。共和党の政治家の多くは、金持ちから支援を受けていますが、彼らは安い移民労働力で儲けている。しかし、安い賃金で働く移民がいると白人の給料が上がらない。それに多くの白人たちがすごく腹を立てています。トランプは初めからその人たちを取り込む戦略でした。この層である国民の20%がトランプについたのです。一方のヒラリーは人道的な解決法を模索していますからね。この移民問題が今度の選挙で大きな要素を占めていると思います。

 これはTPPにも繋がります。外国から輸入品が多く入ってきたら国内でモノを作らなくなるから、給料が上がらなくなる。だから移民もTPPも要らないと。ヒラリーは喧嘩したくなくて良い顔ばかりしているからみんな信用しなくなった。それに今世界が物騒なことになっているが、そんな時代にヒラリーで大丈夫なのかと。

問 トランプが大統領になった場合、日本にとってはどうですか。

日高 安保やTPPは要らないと言っているので、悪くなると言われています。でもヒラリーになってもよくなる保証はありません。

問 では、どちらになるのが良いのでしょうか。

日高 どちらになっても同じだと思います。今までの日米安保やTPPを考えたらそれこそ現状維持が得です。ところが、その現状がどこまで続くか。トランプだったら、何が起きるかわからない。いずれにせよ、「アメリカは頼りにならない」ということです。そうなったら、日本でも核兵器をどうするかという話になるわけです。

問 中国はどうなりますか。

日高 中国は今、共産党が強く、習近平が抑えている。アメリカはずっと中国の味方をしてきた。その長い歴史があるので、アメリカに助けてもらったことは覚えてはいます。しかし、自国に力とお金がついてきた今、人道主義政策をとるアメリカをバカにしているのではないかと思います。ヒラリーではなめられたままでしょうが、トランプ時代かその先、いずれはどこかでアメリカと中国はぶつかると思います。トランプはアメリカの権利やプライド、領土は中国に侵させないという考えの人を集めています。もうトランプは閣僚を全部決めています。

問 どちらが大統領になっても、現状よりひどくなるというなら日本はどうしたらいいですか。

日高 国家としての存在を維持するための要件を整えることだと思います。それには核武装もありえます。

問 日本は核兵器を持つようになりますか。持てるのでしょうか。

日高 作ることは簡単です。ただ、核兵器を持つかどうかは、政治判断です。今後、中国とどう対峙するか。中国は経済力がついてきて大きい顔をしています。しかし、中国の経済力は輸出入ですから、その拠点となる港と都市を破壊すれば中国経済が崩壊します。戦うということを日本人が真剣に考えなければならない時代になったのです。




P R O F I L E


日高義樹(ひだか・よしき)

1935年愛知県生まれ。東京大学英文学科卒業。1959年、NHKに入局。ワシントン特派員をかわきりに、ニューヨーク支局長、ワシントン支局長を歴任。その後、ハドソン研究所客員上級研究員を経て現職。全米商工会議所会長首席顧問として、日米関係の将来に関する調査の責任者を務める。主な著作に、『トランプが日米関係を壊す』(徳間書店)、『戦わない軍事大国アメリカ』(PHP 研究所)などがある。



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