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トピックス -企業家倶楽部

2016年10月26日

お客様の美の追求を全力でサポートする/ビーボ 代表取締役社長 武川克己 

企業家倶楽部2016年10月号 モチベーションカンパニーへの道 vol.21





「もっとキレイになりたい!」 

 美の追求は、多くの女性にとって普遍的な願望だろう。そんな今、美容に敏感な女性に支持されているのが酵素ドリンクの「BELTA(ベルタ)」だ。その名もイタリア語で「美女」。「美容やダイエット」のジャンルの口コミで話題となり、2013年の発売以来、わずか1年で月商1億円を突破した。この酵素ドリンクをはじめとするBELTAブランドを開発・販売しているのがビーボ。率いるのは社長の武川克己だ。

 売上げの8割を占めるEC・通販事業では、5ジャンルの「BELTA」ブランドの他、スキンケア専門のブランド「パルクレール」も2016年4月にリリースした。さらにウェブサイト、アプリの企画制作等も行っている。



オリジナルのサービスを求めて

 武川は大学在学中からファッション誌などを展開する企業の経営に携わった後、大阪から上京。デジタルマーケティング会社を経て、2010年同社を創業した。2年ほどウェブマーケティングのコンサルティング事業を行っていたが、自社サービスを作りたいとEC事業をスタート。最初の取扱商品は、女性社員が提案したカラーコンタクトで、以降は美容関連商品の仕入れ販売を行った。

 3カ月後には月に数百万円の売上げが出るようになったが、同じ商品を売る店舗やサイトは山のようにあり、結局は価格勝負。武川は「自分たちは世の中に対してどんな価値を提供しているのか」と自問自答したが、全く答えは見つからない。それならば、本当に自分たちが良いと思えるものをゼロからオリジナルで作ろうと決意した。

 とはいえ、何を作ったらよいのか、どうすれば商品が出来るのか、皆目わからない。そこで、インターネットで検索して見つけた日本中の工場と製薬会社に片っ端から電話。ようやく商品を製造してくれる会社と巡り会った時、その数250社に上っていた。

 自社初のオリジナル商品は前述の「ベルタ酵素ドリンク」だ。ターゲット層、味や成分の配合、商品名、サイトのデザインなど、社員たちと一つひとつ話し合った。

 販売開始後、1個目が売れた瞬間、思わず「やった!」と叫ぶ一同。武川はその光景を見て「これをメイン事業としてまずは育てて行きたい、感動をもっと沢山の仲間と味わいたい」と心底思ったという。これが、武川が腹を据えて経営に取り組むターニングポイントになった。

 武川は、この酵素ドリンクを1年以内に月商1億円のヒット商品に育てようと決心。発売前からモデルとタイアップして、初月から数千万円のプロモーション費用をかけていき、毎月1000万円ほど売上げを伸ばしていった。しかし、半年経った頃、その伸びがぱったりと止まった。それから売上げは横ばい状態。連日深夜まで対策を話し合い、思いつく限りの策を実行に移すも全く成果はあがらず。2カ月も経った頃にはアイデアも尽き、武川さえ「1億円など無謀な目標だったのだ」と思うようになっていた。



売上げは追わない

「なぜ、お客様はうちの酵素ドリンクを買ってくれるのでしょうか」

 売上げが伸び悩んでからしばらく経ったある日、ミーティングで1人の社員が発したこの言葉に、答えられた者は誰もいなかった。突き詰めると、顧客は商品が欲しいのではなく、キレイになりたいなどの目的を持っているという結論に行き着いた。

「では、現状のお客様はその思いを叶えられているのでしょうか」

 それを聞いて、武川は愕然とした。自分は「仕入れ販売では世の中に価値を提供できない」と考え、オリジナル商品の開発を始めたはずではなかったのか。いつしかそれを忘れ、売上げばかりを追っていたことに気付いたのである。

「売上げを追うのは止める。お客様全員の目的を叶えてあげよう」

 こう決めると、武川を筆頭に広告担当からウェブデザイナーまで全社一丸となって、顧客を電話やメールでサポートしていった。すると、人によって目標やダイエットの仕方が違うと分かった。顧客の飲食の好みやライフスタイルなどをヒアリング。それぞれ担当者を付け、食生活や運動を取り入れるなど生活改善を指導した。

 徹底したサポートにより、目標を達成する顧客が続々と増え、感謝の言葉も多く届くようになった。武川も「ビーボが世の中に提供しようとしていた価値はこれだ」と実感。それに呼応するかのように、売上げも再び上昇しはじめた。その内訳を分析すると、リピーターが跳ね上がっていた。

 それは、武川にとって衝撃の事実だった。売上げは顧客満足の結果としての指標に過ぎないと気付いたのだ。商材(モノ)の先には、顧客の真の目的(コト)がある。まして、美容系の商材ともなれば「コト」への想いは強いだろう。その目的を叶えることこそECや通販事業者の使命なのだ。

 現在では「お客様の目的を達成させる」ことを全ての指針として会社運営を行い、順調に業績を伸ばしている。



横一線から組織を構築

 ビーボの社員は現在52名。これまで、同社の大きな特徴は全社員が横一線であることだった。2014年の社名変更から経営理念の構築まで、会社の根幹となる部分も社員全員で担ってきたほどだ。

 2015年度までは担当業務こそあったが、役職も人事制度もなく、お客様サポート、マーケティング、制作の3つの業務全てに渡って、武川が判断してきた。

 しかし、会社の規模が急激に大きくなり、判断スピードやクオリティー維持が困難に。目の前のことにいっぱいで、改善やサービス開発に目線がいかない現状に危機感を覚え、2016年から武川は3つの取り組みを始めることとした。第1に組織編成化、第2に人事制度の構築、第3にミドルマネジメント層の育成と採用。走り出して半年、改めてその必要性を実感している。

 最も力を入れているのが人事制度。「社員がどんなキャリアステップで成長できるかを示すことが会社の成長に繋がる」と武川は説く。同社の制度は等級に営業成績やスキルの要素を一切入れていないのが大きな特色だ。会社の掲げる「お客様の目的を達成させる」ことに全てを紐づけ、同社のミッション、クレドに沿っているかが判断基準となっている。



3年後は全く別の会社に

 順風満帆に見える同社だが、武川は現状に満足していない。こだわるべきは「お客様の目的を達成させること」。果たして通販事業という手段や現在のサポート体制だけで、全てのお客様にそれを達成させることができるのか。そう考えると目指す姿には到底及ばないというわけだ。

「3年後も通販をやっていてはいけない」。武川はそう強く宣言する。通販はその現時点における手段に過ぎない。「今よりもっと良いサービスを開発していかなければいけない」。通販での成功を捨て去り、より良いサービスを打ち出す会社になる決意をあらわにする。

 2016年8月、同社は所在地を移転した。「これまでの殻を捨てて新しいステップに」との想いを込め、従来のカラフルなオフィスから一転して、落ち着いた色調へ。ビーボはEC・通販会社ではないという「変革」のメッセージがそこにはある。

 新生ビーボが繰り出すサービスは、従来のモノからコトへ照準を転換。通販という手段に捉われず、ウェブやアプリを活用したサービスを展開するという。武川が描く新たなサービスの形に期待したい。



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