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トピックス -企業家倶楽部

2016年11月25日

社会問題を「ジブンゴト」として解決する

企業家倶楽部2016年12月号 ビジネストレンド





 2016年4月に福岡天神地区にオープンした「テックパークキッズ」。天神駅から徒歩約5分という好立地にあるオフィスビルに最新の3Dプリンターやレーザーカッター、デジタルミシンなど、購入すると数十万円~数百万はする高価な設備が揃っている。ビルの1階にはソニーの直営店としては国内4店舗目となるソニーストア福岡天神店、通りを挟んで向かい側にはアップルストアがあり、文字通り博多のメインストリートだ。

「福岡空港からも車で約15分なので、出張してきたビジネスマンも最終便ギリギリまで仕事をしていく人が多い」と施設を運営するグルーヴノーツ会長の佐々木久美子氏は話す。

 なぜ、このような好立地でしかもオフィス街のど真ん中に、子供たちがプログラミングやロボット工作をしながら、最新のテクノロジーに触れ合うことが出来る場所があるのか。「両親共働きで子供の世話を誰がみるのかなど、核家族などのライフスタイルの変化により生まれた社会問題がある。それを誰かが解決するのではなく、『ジブンゴト』として、会社が解決してもいいのではと考えた」と佐々木氏は「テックパークキッズ」のコンセプトについて語る。

 まだ幼い子供のいる家庭では、学校が終わる14時過ぎから親たちが仕事を終えて帰宅するまでの間、子供の面倒をどうするかという悩みがある。安全性の確保のみならず、食事の用意などが気になり、親たちは集中して仕事が手につかない。




 そこで、佐々木氏は自分が抱えている課題は個人の問題ではなく、多くの人も同じ悩みを抱えているのではと考えた。

「最近ではワークライフバランスという言葉も流行っているが、私の様に仕事が好きで、『もっと働きたい!』という考えの人も多いはず。だったら学校や家庭、行政だけで解決できない課題について、企業が独自のやり方で取り組めばいい」

「テックパークキッズ」は、働いているお父さん、お母さんの子育てフォローを目的に設立された民間学童保育である。14時30分から19時まで、オフィス空間とガラス越しに隣接されたスペースで授業を終えた子供たちが自由にコンピューターや工作機械に触れ合うことが出来る。最大21時まで預かってもらえる。希望すれば、帰宅前に栄養に配慮した夕食(お弁当)も用意され、シャワールームで入浴も済ますことが出来るため、働く親は助かる。

 さらに、送迎が出来ない場合は、提携するタクシー会社を使って、保護者が働くオフィスや自宅へ安全に送迎するサービスもある。




 社員の子供たちもこの施設を利用している。働く親たちの姿を直接子供たちが見ることは教育上もプラスの面がある。

「弊社はIT企業なので時間を見つけて宿題の面倒を見たり、プログラミングを教えてあげられるエンジニアが多い。『私もカッコいいエンジニアになりたい!』と将来の夢を語ってもらえる時が嬉しい」と佐々木氏は新しいコミュニティの提案に手応えを感じている。

 仕事とプライベートを分けて考えるのではなく、子育てのジレンマというデメリットをメリットに変える佐々木氏の取り組みが評価され、創意と工夫を凝らしたオフィスを表彰する日経ニューオフィス賞を受賞した。

「テックパークキッズ」は、現代の社会が抱える問題を解決する一つの成功モデルになるかもしれない。



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