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トピックス -企業家倶楽部

2016年12月06日

【新連載】時代の先を読み解きピンチをチャンスに/サマンサタバサジャパンリミテッド代表取締役社長 寺田和正

企業家倶楽部2016年12月号 私のターニングポイントvol.1





 一番のターニングポイントは、97年11月頃。それまで輸入代理店や卸を並行してやっていたのを一切止め、自分たちのブランドであるサマンサ1本に絞る決意をした時です。消費税が3%から5%に上がった時で、会社が潰れそうになり、生き残るにはこれしかなかった。時代の流れが変わって、百貨店のそごうも倒産、バッグ業界のトップ5がいなくなりました。

 ピンチをいかにチャンスに変えていけるのか、そこが大切。その時は無我夢中でしたが、どうやったら勝てるかは見えていた。当時オリジナルのブランドを作っているところはなかったので、妥協せずに良い人、良い物、良い場所、良い宣伝をするという価値観で突き進みました。

 銀行から借金をしており、弁護士からは自己破産の話も出ました。しかし自分の中では潰すという選択肢は無かった。結果、全額返済するのに5年もかかりませんでした。

 ファッション業界は今が変革期。時代の流れはスピードアップしながら変わってきています。この春に消費税が上がらなかったのは、国が不景気を認めたようなもの。そうした中で嗜好品であるバッグは買っていただけない。準備していた施策はことごとく着火できませんでした。

 ニトリの似鳥昭雄社長は21世紀の販売方法は「無接客販売」と言っておられ、まさに絶好調。今、アパレルでも順調なのはあまり接客をしないカジュアル分野です。今後は無接客と、その対極にあるおもてなしの2極化が進む。

 私たちは、従来の勝利の方程式である「良い人、良い物、良い場所、良い宣伝」プラスおもてなしのハイブリット型で行こうと思っていました。しかし「良い場所」である百貨店と郊外型のショッピングセンターの違いが無くなってきています。ニトリは銀座のプランタンで買えるし、大手カジュアルチェーンの商品も、我々が1階で展開している同じ店舗で、地下1階に行けば売っている。その中でどう勝負していくか。

 良い人、良い物、良い場所、良い宣伝を貫けば100%勝てた時代が、急速に変わっている。私たちはこの4つの方程式に慣れてしまっていますが、よりお客様との結びつきを強めていく必要があります。これまでの3手先を行くことによって勝ち残っていける。一人の販売スタッフが何人のお客様の名前を覚えて接客できるか。シンプルなようですが、なかなか出来ません。まだ自分が考える100分の1くらいしかできていないのが現状です。

 しかし、私は究極のポジティブ人間。本社も含めて究極のおもてなしを全員でやる。マネジメントクラスのコーチングを取り入れ、それに合わせた給与体系など人事制度も変えていく。そういう意味では今が転換期。今こそまさにターニングポイントと言えます。

 一人ひとりが発信力を持つ文化をどうやって作り上げていくか。これが出来上がれば、ものすごく強い会社になれる。これを2年間で仕上げ、2020年のオリンピックに向けて走っていく。「& シュエット」などの無接客のブランドもありますので、これも本格的に展開しようと思っています。

 ファッション業界は今後7割くらいのプレーヤーがいなくなります。残りの3割でマーケット7割を作れれば、その3割は2倍に伸びる。そのうちの大半が無接客風。ルイヴィトンやカルティエのようなところは残るので、7割が淘汰されれば買うものが無くなりますから、お客様は買いたくなる。その時に発信力を持った究極のおもてなしがあれば、そのブランドに流れるはず。そこまで全部見えているので、個人の発信力を高める準備を全力で進めていく。そうすれば2年後は間違いなくバラ色の業績が待っています。



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