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トピックス -企業家倶楽部

2016年12月20日

モチベーションクラウドが組織改革の新時代を作る/リンクアンドモチベーション 執行役員 麻野耕司 

企業家倶楽部2016年12月号 モチベーションカンパニーへの道 vol.22

国内初の組織改善クラウド

  組織コンサルティング大手のリンクアンドモチベーションが(以下リンク)7月末、業界の常識を覆す新サービスをリリースした。国内初となる組織改善のためのクラウドサービス「モチベーションクラウド」だ。従来コンサルタントが行っていたサポートをシステムが担うことで、企業自らが組織改革を出来るようにする。これによって、従業員のモチベーションを上げる効果的な手法を普及させるのが狙いだ。

「これは組織や人事のあり方を激変させるツール」と、同サービスを立ち上げた執行役員の麻野耕司は力強く述べる。既に反響は大きく、導入社数は4月から提供した試験版も含めて100社目前。累計売上げも、たった半年間で5億円に迫ろうとしている。モチベーションクラウドによって、企業の組織改革はどう変わるのだろうか。



組織にモノサシを入れる

 産業の中心がサービス業に移った現在、従業員のモチベーションを上げることは、サービスの質ひいては業績の向上に直結する。ところが、日本では効果的な組織改革が十分に行われてこなかった。

 その理由について、「事業活動には売上高などのモノサシがあるのに、組織の活動にはモノサシとなる数値目標が無い」と麻野は説く。具体的な数値目標が無いため、新たな制度を作っても効果がはっきりしない。効率的な改善策を練ることができず、行動まで結びつかない。世の中の企業のほとんどがそうした状態に陥っていると言うのだ。

 そこで、組織状態の数値化(SEE)から改善目標の設定(PLAN)、アクションの実行(DO)までを一貫してサポートするために作られたのがモチベーションクラウドだ。組織にモノサシを入れてこのPDSサイクルを回す手法は「弊社が行ってきたコンサルの中で最も効果があった」と麻野も胸を張る。



2300社が使った組織診断サービス

 実際に、従業員100名ほどのIT企業「A社」では、モチベーションクラウドを活用したことで離職率が落ちた。初めに取り組んだのは、組織状態の可視化だ。ここでは、クラウドに搭載されたリンク独自開発の組織診断サービスが活躍する。社員全員に20分ほどのアンケートに回答してもらうだけで、従業員のモチベーション状態を『59・9 B』などスコアとランクで表示してくれるからだ。組織の状態を表すこの指標「モチベーションインデックス」の特筆すべき点は、評価項目の多さにある。「職場」や「上司」など64もの小項目別や、「職種別」や「部署別」などの属性別にスコアが算出されるため、組織の課題を浮き彫りにできるのだ。

 A社でも早速行うと、「階層間の意志疎通」、「給与や評価への納得感」の項目が特に低いと判明。調べてみると、マネージャー層の育成が不十分だった。彼らはトップとメンバーを繋ぐ意識が希薄で、評価に関しても社員に十分なフィードバックを出来ていなかった。麻野は「やはり組織にモノサシを入れることが一番大事」と断言する。

 リンクの組織診断サービスは、これまで約2300社50万人が活用した圧倒的な実績を持つ。それによって、「職場や部署などの膨大な組織データを蓄積していることがオンリーワンなポイント」と麻野は強調する。この点こそが同クラウドの最大の特長なのだ。既存の人事クラウドの多くは勤怠や給与など個人データを扱うもので、組織データを活用するタイプは世界でもほとんど例を見ない。そのため、過去の様々な企業と比較した指標として、モチベーションインデックスは高い信頼を得ている。

 ただ、こうした診断は年に一度行う程度では効果が薄い。面白いことに、半年に一度測定している企業の方が年に一度行っている企業よりもスコアが上がるというデータが出ているのだ。「年に一回では現状把握で終わってしまう。半年に一回診断することで、企業が目標としてモチベーションインデックスを意識し始めた」と麻野は分析する。

 これは、私たちにとって身近な経験にも当てはまる。例えば、勉強やダイエット。テストの点数や体重という指標で自分の現状を測定する。これを短いスパンで継続的に行うからこそ、改善への意欲が維持されるのだ。「モチベーションクラウドが普及すれば、各社のスコアは必ず上がる」と麻野は自信を見せる。



現場と経営陣を繋ぐ

 実はリンクでは、組織診断自体は創業当初から行っていた。しかし、「測って終わりの会社も多く、PLANとDOに繋がってこなかった」と麻野は振り返る。だからこそ、モチベーションクラウドは一貫したサポートにこだわるのだ。

 PLANの段階では、優先的に改善すべき項目の数値目標を設定、達成のための行動計画も部門ごとに練ってもらう。ただ、これを企業担当者のみで行うのは容易ではない。そこでサービスの一環として、リンクのコンサルタントが部分的にサポートに入る。彼らは計画の立案や、項目ごとの改善例を提供するのだ。

 こうして計画を立てたら、ついに実行に移す。ここでも、現場のモチベーションを保つ仕組みがある。クラウド上に行動内容とその進捗を入力してもらうのだ。これによって、現場社員だけでなく経営陣も進捗状況を確認できる。さらに、各部門へのコメントを記入する欄もあるため、社内全体で活動意欲を高められるのだ。

 前述のA社でも、経営陣の考えを現場に伝えるようマネージャーを指導した。評価への不満に関しても、半期ごとに1時間の面談と、1カ月に一回の評価報告を導入。これによって、モチベーションインデックスは向上し、離職率減少という確かな効果が出た。



誰もが組織改革をできる時代へ

 そんなクラウドサービスを、リンクは将来の主軸事業に据える。「2020年には、本体のコンサル事業の売上げよりもクラウド事業の売上げが多くなるよう投資をしていく」と麻野が宣言するほどだ。その背景には、コンサルタントの人数を増やし続けなければ顧客数を拡大できないというコンサル事業特有の制約がある。さらに、業界全体としてコンサル料が高額なため、企業にとっては敷居が高い。

 一方、モチベーションクラウドは月額10万円から導入でき、顧客自身の手による組織力強化が可能だ。サービス導入のハードルは大きく下がるため、飛躍的な顧客の拡大が見込める。「これで一気に世界中の会社組織のモチベーションを上げたい」と麻野は大きな理想を掲げる。

 今後のカギとしては、「AIを搭載していくのが一番のポイント」と明かす麻野。クラウド上に蓄積された2300社50万人分のデータを分析させて、業界や部署ごとに発生しやすい問題や過去の成功例を学ばせる。そのノウハウを活かして、取り組むべき優先課題や効果的な改善策を自動的に推奨する機能を付けるのが狙いだ。現状は人が提案している部分をシステム化できるため、企業担当者がコンサルタントの手を全く借りずに組織改革に取り組むのも夢ではない。

 その先に見据えるのは、各企業がモチベーションインデックスを見ながら組織改革を行うことが当たり前になる時代だ。

「この新たな指標を、売上高や株価と同じくらいスタンダードなものとして世の中に浸透させたい」

 麻野はこう熱意を燃やす。果たして、モチベーションクラウドは組織改革の新時代を作るのか。全ての組織を変えるため、勝負の一手が放たれた。



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