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トピックス -企業家倶楽部

2017年01月05日

トランプ・ショック後のニューヨークを訪ねて

企業家倶楽部2017年1/2月号 ビジネストレンド





「まさか!」

 2016年11月9日、今年最大のサプライズが起こった。アメリカ共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏が民主党候補ヒラリー・クリントン氏を破って次期大統領に決まった。これまで人権主義の重要性を掲げてきたアメリカが差別発言を繰り返す問題児を次のリーダーに選んだことに驚きを隠せない。

   しかし、予兆はあった。6月には、イギリスが欧州連合(EU)から離脱することを国民投票で決めた。移民を受け入れた結果、鬱積した国民の不満が選挙という形で噴出する構図は2国とも似ている。これはアメリカとイギリスだけの話ではない。他の欧州やアジアでも同じ現象は起きている。世界は今、保護主義に傾き始めている。




 そこで、佐々木氏は自分が抱えている課題は個人の問題ではなく、多くの人も同じ悩みを抱えているのではと考えた。

「最近ではワークライフバランスという言葉も流行っているが、私の様に仕事が好きで、『もっと働きたい!』という考えの人も多いはず。だったら学校や家庭、行政だけで解決できない課題について、企業が独自のやり方で取り組めばいい」

「トランプ・ショック」後から1カ月が経とうとしているニューヨークを訪ねた。クリスマスが迫り、ブラック・フライデー(セールの始まりの金曜日でどの店も黒字になることから名付けられた)を過ぎたマンハッタンは買い物客と観光客で溢れ活気がある。懸念されたトランプ発の大恐慌といった雰囲気は感じられない。最新の失業率は4.6%と低く、米国経済は強い。トランプ氏はどこまでもラッキーな男だ。

「私は全てのアメリカ人の大統領になる」と当選後に声明を発表。国民は大統領の地位が差別的発言を繰り返す野蛮な人格を変えてくれると半ば願うような気持ちで期待し、2年後の中間選挙までは様子見といった感じである。トランプ氏は支持を得るために国民にインセンティブを出し続ける必要がある。つまり景気をよくすることだ。

  一方で人権主義を掲げる人々の反トランプ運動は収まりそうにない。地下鉄のユニオンスクエア駅の壁には、今回の選挙結果に対する不満や不安を付箋に書いて貼り付ける「サブウェイ・セラピー」という運動が自然発生的に起こっている。




   今回のトランプ大統領誕生を演出した主役は「隠れトランプファン」と呼ばれているが、決して少数派ではない。多くの白人が「ポリティカル・コレクトネス(差別的用語を避け、中立的な表現を使用すること)」という理想と現実の間で不満を抱えていたが、「偉大なアメリカを取り戻す」というトランプ氏のスローガンで利己的な感情を開放してしまったのだ。

 トランプ氏は不正をして大統領に選ばれた訳ではなく、公平な選挙で国民から選ばれた。それ故に根の深い問題が現在のアメリカにあることが伺える。在米日本企業のビジネスマンは、「子どもが現地の学校に通っているが、『トランプ大統領になったら、お前はメキシコに帰らなくてはならなくなるな』とクラスメート同士が無邪気に話しているのを聞いた。これは大問題」と話す。すでに大人の世界だけでなく、子どもたちの教育の現場でも混乱が出始めている。

「ヘイトクライム(憎悪犯罪)があるので、駅のホームの端に立つな」

 ニューヨークに住む友人が公共の場でも注意が必要だと私に教えてくた。日本人はそういった類の差別や偏見に疎いことを思い知らされる経験だった。(K)



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