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トピックス -企業家倶楽部

2017年02月27日

大和力 和という方法/現代アーティスト 小松美羽(こまつ・みわ)

企業家倶楽部2017年4月号 アートは言葉である vol.3





 日本という国には、美術や芸術などのクリエイティブな事を学ぶ学校が多いと感じる。そのため、毎年数万人もの卒業生が輩出される。しかし、その受け皿は社会において少なく、技術や学びを身につけても、結局はクリエイティブから離れた仕事をする人が多い。昨年、イスラエルの美術大学に訪問した時に先生から伺った話なのですが、学生が卒業してから作家としてだけでなく生きていかれるための技術もここで学んでいるのだと聞いた。もちろん、美術とは全く異なる学部や学びを課程した生徒だって、芸術家として成立している者もおり、志す者全てに突きつけられるのは、その人と作品が「本物」なのか「本物ではなかったか」の二択で天と地獄ほど分かりやすく振り分けがされる。

 私に限っては、まだまだ若輩者ゆえに足りないピースだらけだけれども、画家としてなんとか成立して今も生きていられるのは、大和力が制作の根底にあるからだ。

 では、大和力とは?それは、《和》という方法を原則にした魂のあり方であると私は言う。

 和には、円のようにたくさんの異なる宗教観を排他せずにミックスする力がある。異なる文化が融合することで、和が自然と成立していく。だから大和力というのは、日本の考え方というわけではなく、たくさんの国や文化や宗教や交流の中で、東の最果てで停留した事柄が独自の進化をした形態のことであると考える。ということは大和力とは、地球の歴史の大いなる流れの遺産であり、今も脈々と日本に受け継がれている心なのだ。

 そんな大和力で形成され、今も存在感を放つ有田焼は私の画家人生においての「本物の素材」との出会いである。

 有田焼は、中国や韓国の磁器文化の加護を受けて有田の地で発展していくが、その価値はヨーロッパに渡ることで更に上がる。その時に一世を風靡したのが柿右衛門様式と言われる作風、そして赤絵だ。柿右衛門窯を訪れると、今もなお当時の技術が受け継がれている。窯元の15代柿右衛門さんからお話を伺うと、古い伝統を守りながらも今の流れに乗った焼き物をと、常に時代の流れを意識しているのだと聞いた。

 私は2016年秋に初めて柿右衛門窯を訪れ、代々伝わる赤絵で、代々続く獅子の型に絵付けをさせていただける事になった。今年に入ってすぐに有田に降り立ち、伝統の絵の具で獅子一対に筆を走らせる。今までに有田焼の絵付けは経験してきていたのだが、色のつき方も筆の流れ方も異なり、これが歴史の重みかとふと思うと、私の魂はここで描けている喜びに湧いた。

 絵付けが終わり、窯に入る獅子。次の日の昼過ぎに窯から上がった瞬間、上を睨むように見つめる赤色の目が、大まかに三色の幅を持ち静かに佇む。

 一匹の獅子は更に絵の具をのせて焼きなおしたが、窯から上がった彼らには、私では到底追いつかないほどの歴史の重みがあった。

 画家はチームプレーだと前回の記事で書いたように、こういった歴史的な「本物」との出会いは、チームだからこそのご縁の賜物で制作にこぎつくことができた。私自身、この重みある材料に出会えて描けるからこそ、生み出す子供達の一つ一つが、大いなる意味と流れを奏で始めることができる。

 大和力という魂と、和という方法を心に、私は更に加速していく。



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