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トピックス -企業家倶楽部

2017年04月13日

企業の成長を阻害する5つの要因/API コンサルタンツ社長 松本 洋

企業家倶楽部2017年4月号 敏腕コンサルタントが斬る! vol.2





 前回、責任回避の考え方により従業員と企業の成長が損なわれてしまうと述べました。では、何故、自分には関係ないと思ってしまうのでしょう。

 そこには、意識するしないにかかわらず次の5つの阻害要因があると考えられます。

1 認識の欠如

 固定観念、物事を自分が見たいように見る思い込みの支配ともいえます。私達がそれぞれ違う人間である限り認識の違いは必ずあります。それが仕事の円滑な進行の邪魔をするというのも事実です。だからこそ、経営者は、常に従業員の向かうべきところを明確にするよう気配りをすることが必要です。

2 行動の欠如

 過去の成功体験や失敗体験の呪縛が行動を起こすことを阻んでいることがあります。リスクを負うよりも現状維持をしたがります。変化への恐れ、不安、抵抗の感情のために慣れ親しんだ方法に固執します。しかし、新しい挑戦をしなければ生き残れません。行動の欠如は乗り越えなければならない課題です。

 そのために必要なのは動機づけです。

 成果に応じて昇給や減給をする事は外発的動機づけです。賞賛や訓告だけでも従業員は自分の成果を見られていると強く感じます。これらは外からの動機づけですが、人には内からの動機づけも必要です。つまり、自分にとって仕事が意味のあることだと感じ、自分を満足させる達成感などです。

3 知識の欠如

 単に知識を詰め込んでもきちんと理解しなければ良い結果は生まれません。

 例えば、あなたが新入社員の教育係りになったとします。あなたの知識を新入社員に移すことがあなたの仕事であると認識する必要があります。またあなたが新入社員に知識を移転すればするほど、あなたの会社へ貢献度が高いと評価されることを認識することが重要です。こうして2つの認識の欠如が解消されれば、あなたから新入社員への知識の移転が起こり、行動の欠如も解消されます。

4 仕組みの欠如

 仕組みとはルールやシステムのことです。個人がそれぞれ独自のペースで動いたら、全体としては成果は上がりません。しかし、誰もが成功できる仕組み、常に進歩が分かる見える化された仕組みを作っておけば、組織全体のパフォーマンスを上げることができます。

 また、仕組みは常に見直す必要があります。IT技術の進歩で仕組みが陳腐化したり仕組み同士の連携が悪くなっている可能性もあります。これらも仕組みの欠如といえます。認識や行動の欠如は実はこの仕組みの欠如が原因である場合が多いものです。

5 あきらめの支配

 上記の4つの阻害要因に何度もぶつかると誰でもやる気を失います。諦めや無力感に支配されるようになり、自分だけ頑張ってもどうせ駄目だと思い込むようになったり、責任は他部署にあり自分には責任がないと言い訳を考え、成果を出すことを諦めることになります。

 以上の5つの阻害要因があると、次のような経過をたどることになります。

 やる気に満ちている新入社員には知識が不足しています。それを補う研修等の仕組みがないと、失敗を繰り返すことになりますが、ある程度の仕事が出来るようになると今度はそこに甘んじるようになります。認識の欠如です。それは、いつもと同じ仕事を繰り返して、新しいことにチャレンジしない行動の欠如となって現れます。

 このように、4つの欠如が複合的に働きますと、会社には諦めのムードが蔓延するようになり、「自分に責任は無い」と言い訳をする企業風土ができていきます。

 従いまして、経営者や管理職が、従業員の能力発揮を阻害する5つの阻害要因を排除しなければ、社員が生き生きと働くようになりません。




 P r o f i l e


松本 洋(まつもと・ひろし)

API コンサルタンツ代表取締役社長。1951年生まれ。東京大学法学部卒。日本鋼管(現JFE スチール)入社後、米国コロンビア大学MBA及びLLM(法学修士)取得。倒産寸前の子会社、米ナショナル・スチールに上席副社長(COO)として赴任し、経営再建に成功。KVHテレコムを始め4社の起業に成功。ベネッセコーポレーションを含む数社の社外取締役を歴任。



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