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トピックス -企業家倶楽部

2017年07月21日

番外編 米倉誠一郎は、なぜ今 アフリカに拘るのか/スパイダー・イニシアティブ代表取締役社長  森辺一樹

企業家倶楽部2017年8月号 新グローバル戦略 “Open Channel Innovation”の薦め vol.3


今回で第3回目となる「新グローバル戦略 “ Open Channel Innovation “の薦め」と題したこの連載は、これからの日本企業のための新しいグローバル戦略について書いている。特に私が専門とする製造業のアジア展開が中心だが、今回は、番外編として、一橋大学名誉教授の米倉誠一郎氏に、「なぜ今、アフリカなのか?」と題し、米倉先生が考える日本企業がアフリカに出るべき理由を聞いてきたので、その対談内容を紹介したい。




 米倉先生は、2013年に南アフリカのプレトリア大学のビジネススクールGIBS(= Gordon Institute of Business Science)に設置された日本研究センターの所長に就任し、現在でも顧問として関わっている。また毎年、JTBが主催となり、「米倉誠一郎と行く南アフリカビジネスツアー」を開催しており、今年で6回目を迎える。当ビジネスツアーは、経営者や会社員、学生など、普段あまり交わる機会の少ない様々な立場の人たちが数十名参加し、ビジネスにおける新たな観点を南アフリカの地で発見するということを最大の目的とし、毎年多くの参加者から好評を頂いている。私も、2014年に参加して以来、毎年参加し、会社としても陰ながら企画協力のお手伝いをさせて頂いている。

 私が米倉先生のアフリカに関する活動に引き込まれていった理由は、米倉先生は、決してアフリカ市場を今すぐ攻めろと言っているわけではないからだ。確かに、欧米の先進グローバル企業などは、既にアフリカに巨額の投資を行なっており、アフリカ市場を既に主戦場と位置付けているし、中国や韓国企業も既に日本企業の数歩先まで行っている中、本音を言えば、日本企業も今すぐやれだ。しかし、アジア市場で足踏みしている企業が多い中、更にハードルが高いアフリカ市場も今すぐやれと言っても、それはなかなか現実的ではないのも事実。米倉先生が言っている、「今、アフリカに行くべき理由」とは、もっと根底の部分の話であり、対談を通じてそれを知った今、私のアフリカ市場に対する考えも大きく変わった。今回は、そんな対談を皆さんにご紹介したい。それでは、米倉先生との対談をお読み下さい。



変化への対応力こそが生き残る唯一の道

森辺:国内の少子高齢化や人口減少が進む中、日本企業は外需の取り込みに躍起になっています。その主戦場は、中国やASEANといったアジア市場が中心です。しかし、これらアジア新興国市場の中間層に対しても、はっきりとした成果を出せている企業はまだほんの一握りです。そんな中、少し前に、アフリカを中心とした低所得者層を対象としたビジネス、BOP(Baseof Pyram id)ビジネスが注目をされましたが、結局は、いずれの日本企業も高い成果は残せていません。アジア新興国の中間層の獲得にも苦戦している日本企業にはいささかハードルが高かったのでしょう。それでも尚、なぜ先生は今、アフリカへ行けとおっしゃるのでしょうか?

米倉:それは、日本企業を「再構築」するためです。経済のグローバル化が進み、変化のスピードがかつてない程に速くなった現代において、日本企業がそのスピードに付いていけていないと感じます。進化論を提唱したイギリスの自然科学者・ダーウィンは、「唯一生き残ることが出来るのは、変化に対応できる者だ」と言っています。

 これはダイヤモンドOnlineの対談でも話しましたが、変化に対応できなかったひとつの事例を紹介しましょう。19世紀前半に世界的に有名になったアメリカの鉄道王、コーネリアス・ヴァンダービルト、かつてアメリカを代表する大富豪でしたが、いまでは彼のビジネスはもう跡形もなくなっています。その理由を、マーケティングの権威、セオドア・レビットが1960年に発表した論文『マーケティング近視眼』のなかで明らかにしています。

「ヴァンダービルトは、自社の事業を“ 鉄道事業”ではなく、“輸送事業”と考えるべきであった。そうしていれば顧客の要求の変化に気づき、自動車やトラック、航空機の台頭によってこれほどひどい打撃を受けることはなかったかもしれない。顧客のニーズを満たすことは、提供している製品そのものに集中するよりも継続的成功への近道なのだ」

 レビットのこの指摘のように、変化する顧客のニーズにいち早く気づき、ときには自分の本業を変えてでも「変化に対応」することは大切です。勿論、これまで日本企業は世界に認められる製品をたくさん生み出してきました。しかし、先程のヴァンダービルトの例のように、ものづくりに固執しすぎて変化に対応できず、継続的に成功するチャンスを逃しているケースが少なくありません。このことを一番感じられるのが今のアフリカなんです。だからこそ、今のアフリカを見て欲しい。



アフリカを見ずしてアジアでの成功はない

米倉:もう一つの理由は、アジアが終わったらインド。インドが終わったらアフリカと、「1個1個潰していく」という日本古来の積み上げ式のやり方では世界のスピードにはついていけません。

 まずは一番高いところに登ってみて、山裾の広さをきちんと見渡してから、最も良いルートや登り方を考えるということ。その意味で、アフリカは新興国ビジネスの頂点も言うべき市場です。

森辺:なるほど。アフリカを見ることによって、ASEANで今、何をやるべきか、また、グローバル市場全体で何に優先順位を置き、何に投資を集中させなければいけないのかも見えてきます。木ばかりを見ずに森を見ようということですね。

米倉:そうです。偉そうに言えば、ASEAN、インドはまだ林。アフリカまで行ってやっと森。そこに行ってやっと全体像が見えてくると言えるでしょう。

P r o f i l e 森辺一樹 (もりべ・かずき)


1974年生まれ。幼少期をシンガポールで過ごす。アメリカン・スクール卒。帰国後、法政大学経営学部を卒業し、大手医療機器メーカーに入社。2002年、中国・香港にて、新興国に特化した市場調査会社を創業し代表取締役社長に就任。2013 年、市場調査会社を売却し、日本企業の海外販路構築を支援するスパイダー・イニシアティブ株式会社を設立。専門はグローバル・マーケティング。海外販路構築を強みとし、市場参入戦略やチャネル構築の支援を得意とする。15年で1000 社以上の新興国展開の支援実績を持つ。


米倉誠一郎と行く南アフリカビジネスツアー2017 詳細は

株式会社JTB コーポレートセールス 新宿第五事業部 営業3課 永草、高月、大塚までお問い合わせください。

Tel:03ー5909ー8119 

E- Mail : m- takatsuki037@bw t. jtb. jp



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