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トピックス -企業家倶楽部

2017年08月27日

アートの源流はどこにでも存在する/現代アーティスト 小松美羽

企業家倶楽部2017年10月号 アートは言葉である vol.6 





「絵を見に行こう」と言われたら、あなたはどんな気持ちになるだろうか。

 ある人は、静かにだまって見ているのが辛いと言う。知識がないから楽しめない、そもそも興味が無い、見ても何も感じない自分が感性がないようで嫌だといった意見を聞く。小松さんはこう言う意見をどう思いますかと聞かれた。

 そんな時に私が真っ先に言う言葉がある。

「その絵はあなたの魂に必要が無いからじゃないですか」と。例えば、音楽でも必要な音と自分にとって耳障りな音ってありますよね。それと絵も同じだから、好き嫌いで判断してよい。どんなに歴史的にすごい絵画であっても、そこに自分の魂の安らぎがないのであれば、それは教養として知っていればいいだけなのだ。

 唐突だが、フランダースの犬という物語がある。この話の主人公ネロは最後に一目見たいと懇願していたルーベンスの絵の前で死に、天へと登るお話し。私は、小さい頃にそんな死に方ができるネロに敬意の念を抱いていた。神の絵を前に肉体を捨てて昇天する、それくらい芸術は魂に染み込んでくることがあるのだと学んだ。それはまだ文字が発達していない頃、音楽や絵で神を表現し、原始的かつ未来的な流れが我々の太古から続く血を奮い立たせるからであるような。

 私もたくさんの絵と出会い、昇天したい。もちろん自分の描く表現の高みがそこにあるが、この世にはたくさんのクリエイターが存在する、一人の人間として芸術と触れ合っていきたいとも感じる。

 そんな私がちょうど数ヶ月前にアートの島、直島に行くことが叶った。ベネッセコーポレーションがアートに力を入れ、島全体がアートで輝く有名な場所だ。島の風土をそのままに自然と一体化し、どう人々の魂に感動を与え続けているのか、その現場のエネルギーを知りたくて向かった。

 実際に直島に行くにはフェリーに乗る必要があり、その道中に見える桃太郎で馴染みのある「鬼ヶ島」がニコニコと我々の船を見送ってくれる。

 さてさて、気持ちの良い風を受けながら直島が見えてくる、草間彌生作の南瓜(カボチャ)が遠くに見えてくると心が踊り出す。船着場に着くと、いくつかの美術館やパブリックアートを至る所で感じることができる。散策する中で作家の皆さんの直島での創作魂の根源がちらほら見え、私の魂も喜んでいる感覚を覚える。街には外人のお客様も多く、楽しそうに自転車をこぎ、風を切る。私はふと海を見る。たくさんの小魚と海苔が浮いていた。

 長野県出身、初めて行った海が日本海である私にとっては、瀬戸内海の海は実に新鮮だ。すべてがキラキラしていて、こんなにも人が集まる場所なのに、自然と生き物がこんなに近くて清々しい。この一つ一つから島がクリエイターを喜んで向かい入れ、それからエネルギーを受けて素直に表現できている、私もここで制作できたらと頭の中のスケッチブックが何枚もめくられ描き続ける。

 アートが苦手な方に伝えたい、アートの源流はどこにでもある恵みの中にあるのだと。絵は難しいとか、もうどうでもよかろうよ。こうやって自然の中で一体になったアートと触れ合えば、ほわっと笑顔がこぼれてくる。時間なんて忘れてぼーっとできる。そんな奇跡だけども、当たり前の体験ができるアートの島、直島。

 私も一人の人間として、きっともう一度行く。いや何度も行く。そして、あなたにも行ってもらいたい。武装した武器のすべてを落としたくなるほどの喜びがそこにあるから。さあ、難しく考えずに自分のアートを探そう!



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