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トピックス -企業家倶楽部

2017年09月08日

インターネット事業で10兆円企業を目指す/GMOインターネット取締役副社長 西山裕之氏

企業家倶楽部2017年10月号 第19回企業家大賞 記念講演


P r o f i l e

西山裕之 (にしやま・ひろゆき)

神戸大学在学中に、学生ベンチャーの草分けともいえる株式会社リョーマを立ち上げ、起業家として活動。1999 年、インターキュー株式会社(現GMO インターネット)に参画し、2000年に、まぐクリック株式会社(現GMOアドパートナーズ)を立ち上げ代表取締役社長へ就任。創業364日(当時の史上最短上場記録)でNASDAQ ジャパン(現ジャスダック)上場を果たす。2007 年にGMO インターネットの専務取締役、2015 年に現職となる同取締役副社長(現任)へ就任。COOとしてグループ代表補佐およびグループ人財開発部門を統括する。




 私たちGMOインターネットは、上場会社9社、グループ会社102社の集合体です。91年に創業し、95年からインターネット事業を展開。17年6月末現在、総勢5275名で運営しています。業績はグループ全体で売上げ15億円、経常利益200億円に手が届く規模となり、順調に成長しております。

 事業の半数を占めるのはインターネットインフラ事業です。これはインターネットを使われる様々な事業者様に対して、あらゆるサービスをするもの。ドメイン、サーバー、セキュリティー決済、ECのサービスがこの領域に当た私たちのベースとも言えるでしょう。

 続いて、インターネット金融事業。新垣結衣さんが出演する「GMOクリック証券」のCMをご覧になったことがある方もいらっしゃるかと思いますが、証券とFXの事業を展開しており、こちらも拡張しています。

 それからインターネット広告・メディア事業。ターネットに特化した広告や媒体、アプリを制作しています。

 そしてモバイルエンターテイメント事業。一つはゲームですが、こちらは現在、何とか花開かせようと投資をしている段階です。

 海外については、現在18カ国に展開。全部で55拠点あり、約1200名が海外のメンバーです。特にアジアを中心に展開しており、その理由としてはアジアが成長市場であること、日本で培ってきた20年のノウハウが提供できること、そして英語圏ではないことが挙げられます。

 インターネット産業は米国勢が強力で、豊富な資金と高い技術力をもって展開してきますので、どうしても英語圏の国で勝つのは難しい。そのため、それ以外の言語圏の国を狙って展開する戦略をとっています。



すべての人にインターネット

 次に、弊社の特徴についてお話します。まず、私たちが大切にしている「スピリットベンチャー宣言」という社是社訓があります。これはインターネットサービスを始めた頃から、原案を弊社代表の熊谷が作り、そこに皆でどんどん足していったものです。現在は8ページに及ぶ長いものになりました。

 幹部ミーティングや全体会議では、冒頭に必ずこれを唱和します。ここには、私たちの存在意義、目指すべきところ、やり方の美学といった事柄が明確に書いてあります。

 最初に掲げたテーマは「すべての人にインターネット」。これは創業以来の企業理念です。95年に創業した当時、インターネットの環境は劣悪でした。そこで、「これからインターネットの産業を作っていくことこそ私たちのミッション。インターネットを広げることに集中特化しよう」との想いで、「すべての人にインターネット」という理念を掲げたのです。

 また、創業間も無い96年には、目標を決めようと55カ年計画を策定しました。当時から55年後の2051年には、日本を代表する世界企業になるという計画です。具体的には、売上げ10兆円、利益1兆円、社員数20万人という規模にしようという遠大なものでした。

 これは今でも重要な指標となっており、全員がここを目指すと決めているため、軸がブレることはありません。スピリットベンチャー宣言を精神的な支柱とすると、こちらはグループを支える定量的な指針ですね。毎年各グループ会社の目標を決める時も、55カ年計画に基づいて計算し、真剣に取り組んでいます。今の成長スピードを維持すれば、十分到達できる射程圏内です。

 私たちはグループ経営ですので、一社が全ての意思決定を行うのではなく、事業ごとに分散して経営する手法をとっています。インターネットは今後も拡張し続ける産業です。どの分野がどのように伸びていくのか分からない中で、一人が全てのことを決めてしまうのは得策ではありません。専門的に詳しい人がそれに従事すれば良いというのが私たちの考え方です。権限移譲により、スピードも担保できます。

 組織が成長するためには、優秀な人材が集まってくる仕組みが重要です。人は職場で人生の大半を過ごしますから、その場所を大切にしようということで、福利厚生の支援を行っています。具体的にはカフェ、託児所、マッサージルームを整備し、集中力アップのために昼寝も推奨しています。また、ライブラリを作って、高額で買えない技術書などをリクエストに応じて揃え、自分で勉強できる環境も整えています。


すべての人にインターネット

圧倒的ナンバーワンを勝ち取るまで止めない

 ここからは、弊社に対してよくある質問を4つ挙げ、それに答える形でお話します。

(1)どうすれば成長できるのか

 まず、当然ながら成長する産業を選ぶことです。私たちはインターネット産業というこれから確実に成長する領域を選びました。

 次に、ゴールを決めます。案外、ここを明確にされていない会社は多いですね。先ほど申し上げたように、私たちには55カ年計画があります。出来るかどうかは別として、ここでは最終的に達成したい目標のイメージをしっかり持つことが重要です。私たちも、55カ年計画の策定当初に確固たる根拠があったわけではありませんが、とにかく明確で分かり易い目標を決めることが大事です。

 それから、全ての事案において期限と数値を明確に設定することを大切にしています。何となく「今月中にやります」とか「春までですかね」といった計画をすることが多いですが、私たちは許しません。「7月15日の午後6時0分まで」という具合に、何月何日何時何分まで決めます。

(2)どのように競合に勝つのか

 これも企業経営における永遠のテーマです。まず、勝てる領域を選びます。これも当たり前のようで、精緻に考えられていないケースが多い。自社商品を売るのはオンラインなのか量販店の中なのか、どの地域をターゲットにするのか。そうした必ず勝てる領域をしっかり決めて勝ちきらなくてはなりません。

 特に事業を始めた段階では、目に見えない敵がたくさんいます。この分野は行けると思って資本投下しても、必ず競争が激しくなる。美味しい領域だと分かれば、皆さん当然やって来るわけです。こうして激しい競争状態が生まれ、人材力、流通力、販売力、価格など様々な戦いを強いられることとなります。その時のことまで想定して始めなければなりません。

 また、一点集中することが肝要です。ある領域でそれなりに成果が上がると、横に行きたくなるもの。特に企業家はある意味病気のようなもので、すぐ他の事に目が移ってしまいます。しかしそこは我慢して、しっかり一点集中すべきです。

 そして、圧倒的に勝つまで止めてはいけません。小さく絞ったものでも良いので、その領域において圧倒的に勝つまで止めず、勝ったら次に領域を広げる。私たちも全てのサービスで圧倒的ナンバーワンになることを目指していますが、そのシェアの目標を74%と定めています。独占と言われないギリギリのラインで、かつ絶対に覆らないのが74%と言われているからです。

(3)どうすれば人材が集まるのか

 これには皆さん、一番苦労されていると思います。起業したばかりの頃はお金の悩みが多いのですが、少し走り出すと今度は人集めに苦労する。優秀な人が欲しいですが、ベンチャーにはなかなか集まってくれない。では、どうするか。

 まずは、夢と志が大事です。「うちの会社が何を目指しているのか」「将来的にどうなりたいのか」「どのように社会に貢献していくのか」といった事柄を明確に決めなければなりません。優秀な人ほど、「自分がどうありたいか」にこだわります。「どのように社会貢献し、自分の人生を素晴らしいものにするか」を考えるわけですね。そうした人たちに来てもらうためには、「この会社は自分が人生の時間を使うことに足りうる」ことを示さねばなりません。私たちは企業理念「すべての人にインターネット」や定量指標として「55カ年計画」を掲げることで、これを行っています。

 それから、ナンバーワンの仕事をすること。優秀な人ほど「自分の仕事を認められたい」「お客様に喜んでもらいたい」という気持ちが強い傾向にあります。そういう人ほど良いものを作るし、良いサービスをします。会社としては、そういった方々が誇りを持てるサービスを展開せねばなりません。

 お客様に一番喜ばれるような製品やサービスを作り、自らがこれと決めた事業領域で勝つために全力を尽くす。結果的にお客様に喜んでいただければ、ナンバーワンの仕事が出来る人間は自ずと増えていきます。

 あとは、尊重して任せることですね。弊社はグループ経営をしていますので、それぞれの会社が責任をもって事業に取り組んでいます。その社長に任せきれるかが重要で、そのためには尊重と普段のコミュニケーションが大事です。

(4)上場はすべきか

 はっきり申し上げて、成長したいなら上場すべきだと思います。やはり事業を展開していると、目に見えない敵がどんどん現れてきます。彼らと戦うための力は、上場によって得やすくなる。また今後、海外企業との戦いになると、膨大な資金調達力が無ければ勝てません。したがって、成長するためには必要だと思います。

 日本経済の発展はグループ上場の歴史でした。三菱は上場会社20社、住友も20社、グループ企業がそれぞれの産業領域で強くなるために上場しています。そして、結果的に社会貢献が出来ている。正解は見えませんが、私たちもそうした戦略をとっていきます。

 本日は、代表の熊谷が急な体調不良で登壇できなくなり、私が代わりにお話しさせていただきました。ただ、内容としては常日頃より熊谷が話しているものですので、彼の言葉と受け取っていただければ幸いです。ご清聴ありがとうございました。



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