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トピックス -企業家倶楽部

2017年10月12日

ユーモアを愛する経営者

企業家倶楽部2017年10月号 視点論点





「昼間っから社長がこんなところに来て、油を売っていたら会社は潰れますよ」

 400名の聴衆の前で開口一番そう切り出したのは、日本電産社長の永守重信氏。数年前の企業家賞授賞式での一コマである。日本を代表する名経営者である永守氏を一目見ようと、全国から中小・ベンチャー企業の社長が来場し、その一挙手一投足に注目が集まる。

 会場を覆う緊張感を破るかのように、冒頭の本音とも冗談とも分からぬ挨拶で会場を沸かせ、一瞬の内に聴衆の心をわしづかみにしていく。「困難さんは、解決君と一緒にやってくる。解決君だけ先にやって来ないのが厄介である」

 経営は逆境の連続で、トラブルが起こらない日はない。身に覚えのある経営者はうんうんと頷き、永守氏の話に引き込まれていく。漫談の様にテンポが良いので、会場は笑いが絶えない。経営と全然関係のない話をしているのかというとそうではない。ときには具体的なエピソードを使い、トップの心得について、話を進めていく。

 さて、トラブルが目の前に近づいてくるとしよう。嫌だからと問題から逃げても、困難さんはその場を去ってはくれない。

「よし、問題と正面から向き合おう!」と覚悟を決めれば、困難さんのすぐ後ろには解決君もいるのである。問題を解決しようとすれば、創意工夫をしようと努力し、知恵も沸く。ピンチはチャンスであり、逆境を乗り越えるごとに組織は強くなると永守氏はエールを送っているのである。「困難さん 」と「解決君 」という擬人法を使うことでビジュアル化し、イメージしやすくする高度な話術と言える。名経営者は皆例え話が上手い。

「社長は公園の池のナマズになりなさい」と今度はとんちが効いている。公園の池の鯉は人々が餌をやるので丸々と太っている。食うのに困らないからサボっているのだ。それではどうすればいいのかというと、池に一匹ナマズを放てばいいらしい。鯉は逃げずになまけているとナマズに食われてしまう。生き残るためには俊敏にならざるを得ないというのだ。永守氏にそう言われると、ナマズの顔をした社長が鯉のように太った社員を追い回している絵が浮かぶから不思議だ。

 ソフトバンク社長の孫正義氏もユーモアたっぷりの企業家である。誰もが憧れる存在の企業家だが、先日のアライアンス企業向けカンファレンスの基調講演でこんなシーンがあった。

 ソフトバンクは直近18年間で1兆円を超える投資をしてきたが、約20兆円のリターンがあった。「孫さんはアリババを発掘してラッキーだったねとよく言われます。確かにジャック・マーに感謝しているが、アリババを除いてみてもリターン率はさほど変わらない。上位5社を除いてもリターンは変わらなかった。つまり1社だけのラッキーではない。ここまでくるともう実力なんじゃないかと、もしかしたら私は賢いんじゃないかと、今日は少し自慢したかった」と笑顔で話し、会場を沸かせていた。永守社長も孫社長も1時間から2時間といった長い時間でも聴衆を飽きさせず集中力を保たせることが出来る。その秘訣は思わず人々が笑ってしまうユーモアが話のあちらこちらにちりばめられているからだ。私のお気に入りのユーモアを紹介したい。

 髪が薄いことを心無いネットユーザーから指摘されたときの孫社長の返信が秀逸だった。「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのだ」(T)



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