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トピックス -企業家倶楽部

2018年01月09日

縁起の良い鶴の絵

企業家倶楽部2018年1/2月合併号 視点論点





加山又造「千羽鶴」1988年

 東京都中央区日本橋兜町、「世界三大市場」の一つである東京証券取引所の最上階にある特別応接室に一枚の大きな絵がある。アートコレクターの間では、戦後最高の日本画家と称される加山又造(1927年~2004年)の「千羽鶴」という代表作で、壁一面に鶴が舞う姿がダイナミックに描かれている。紆余曲折がありながらも右肩上がりに成長を続ける企業の姿に似ていることから縁起が良いと言われる。

 志を持って起業し、顧客に揉まれながら持続的発展を成し遂げた企業は、厳しい審査を経て、いよいよ株式上場の日を迎える。企業家にとって株式上場は一つの勲章であろう。株式の取引初日に東証アローズで上場セレモニーを迎える。この晴れ晴れとした舞台に私は記者としてこれまで何度も立ち会ってきたが、企業家の創業からの苦労を思うと毎回胸が熱くなる。そして、同時に尊敬の念を抱くものだ。この相手をリスペクトする気持ちが記者を続けられる理由かもしれない。

 企業家は千羽鶴の絵の前で上場通知書と記念の盾を贈呈され、その後2階に場所を変えて鐘を5回打つのが恒例となっている。上場記念の写真では鐘を打つ場面が使われることが多いが、私は千羽鶴の方が好みだ。

 2015年9月に東証マザーズに上場した化学プラント解体のリーディングカンパニー、ベステラ吉野佳秀社長が上場後に社員たちを前に話した鶴のエピソードを紹介したい。

「君たちは、ヒマラヤを超える鶴の話を知っていますか?」

 本当に8000メートル級の山脈を飛び超える鳥など存在するのだろうかと皆首を傾げて話に聞き入る。

 夏の間、温暖なモンゴル平原で過ごした鶴たちは冬の訪れを感じると暖かいインドを目指して飛び立つ。しかし、その間にはヒマラヤ山脈が彼らを待ち受けている。すると、鶴たちは上昇気流に乗って空高く舞い上がり見事、8000メートルの山頂を超えていくのだ。鶴たちは長い年月の経験則で、ある時期に季節風が吹くことを知っている。「鶴たちにも知恵がある。今、株式上場を経て私たちにも追い風が吹いています。頑張ろう!」、吉野社長は社員たちにそう檄を飛ばした。そして、僅か2年後の2017年9月、東証一部に指定替えを果たした。

 先日、テレビを見ていたら恐竜学者がこんな話をしていた。世界中で恐竜の骨が発掘され、従来の定説と違うことが分かってきた。恐竜は絶滅したと言われるが現代にも生きているそうだ。それは、鳥類だという。我々が知っている恐竜とはイメージが違うが、学者に言わせると大型のトカゲよりも鳥類はほとんど恐竜と言っても過言ではないそうだ。生き物は環境に合わせてその体を進化させ生き残ろうとする。

 企業も同じではないだろうか。社会の環境に合わせて変化出来ない企業はいずれ顧客から見放されて自然淘汰されてしまうだろう。

 上場初日に千羽鶴の前で、初心に帰ったはずだ。起業したときの志を忘れずに経営に当たって欲しい。そして、未上場企業の経営者の皆さんは、この千羽鶴の前で上場通知書を受け取ることを夢見て、尽力して頂きたい。企業家倶楽部は全力で応援したい。

 文末になりましたが、株式会社企業家ネットワークは2018年1月1日より、株式会社企業家倶楽部と社名変更致します。雑誌名と統一し、ベンチャーのことなら『企業家倶楽部』と皆様に愛されるように精進致します。

 今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。(T)



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