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トピックス -企業家倶楽部

2018年02月27日

ファーストペンギンとして永遠のベンチャー精神を紡ぐ/エイチ・アイ・エス代表取締役会長兼社長 澤田秀雄 Hideo Sawada

企業家倶楽部2018年4月号 1999年企業家大賞受賞


格安航空券で日本の旅行業界に激震を起こしたエイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長。ハウステンボスの再建では火中の栗を拾い、1年間でV字回復へと導き、「変なホテル」を軸にホテル事業をも加速する。しかし澤田社長は「これからが本番」と、エネルギー、植物工場、ロボットと矢継ぎ早に新規事業を仕掛ける。永遠のベンチャー澤田社長のチャレンジ魂は66 歳の今も枯れることがない。




問 澤田社長は1999年第1回の企業家大賞に輝き、その後審査委員長を務めていただきましたが、メッセージをお願いします。

澤田 これまで企業家賞を受賞された方は、日本を代表する企業家が多く、素晴らしいと思います。私はよく選ばれたなと驚くばかりです。

問 澤田社長が受賞されたのは約20年前ですから、そこまで多角化は進めておられませんでしたね。

澤田 そうです。柳井さん、孫さん、永守さん、ジャック・マーさんも当時はまだこれからという時でした。アリババは今やソフトバンクより大きな会社になりました。今後も、小さくて無名でも将来世界的な企業となる企業家を発掘していただきたいですね。



時代を読む先見性を持て

問 企業家として一番大事なことは何ですか。

澤田 大きな志と夢と目標を持って、それをきちんと語れることが大切です。あとは人間性が優れていることですね。目先の利益が出ても、悪いことをすれば後で反動が来ます。そして、ちょっぴり先見性があることも大切。時代を読む力です。例えば、今ならインバウンドがどんどん増えて、昨年2800万人ですが、今年は3000万人を超える。ということは、300万人の宿泊施設が必要になります。したがって、ホテルビジネスは当面上手くいくだろうというような先見性です。

問 今「変なホテル」をどんどん展開しておられますね。

澤田 1月は「変なホテル」銀座を、次は浜松町、浅草橋、赤坂と次々に作ります。時代がそれを欲していますからね。経営者に必要なのは少しの先見性なのです。

 あとは運が良いこと。良い企業や良い人と付き合うと、運は良くなっていきます。また、チャレンジ精神と失敗してもめげずに継続する力も重要でしょう。途中で諦めたらそれで終わりですから。更に敢えて言えば、経営センスがあった方が良いですね。経営センスとは、マネジメント能力や人を使う能力、良いビジネスモデルを構築する能力などの総合的なビジネスセンスのことです。



新技術でエネルギー事業に本格参戦

問 澤田社長のチャレンジ精神は半端ではありませんね。誰もやりたがらないハウステンボスの再建にも敢えて飛び込まれました。

澤田 本当は断ったのですが、頼まれて止むを得ずに引き受けました。

問 澤田社長が就任されて1年でV字回復、今や御社グループの稼ぎ頭になっています。昨秋、5年後のエイチ・アイ・エスは旅行会社ではないかもしれないと言っておられましたが現状はいかがですか。

澤田 徐々に変わりつつあります。特にホテル事業を加速し、3~5年で約100棟を作る予定です。あとはエネルギー分野。電気の販売は今年だけでも売上げ100億円以上になる見込みです。これは1回使うと継続していただけますから、自然と利益が積み上がっていく良いビジネスです。今、発電所の建設を始めました。

 植物電池の工場も今年から建設を始めます。植物で出来ていますので、今までのリチウム電池のように資源は必要ありません。リチウムは熱を持つと爆発したりして危険ですが、植物電池は熱を持たないので問題無い。性能は同じくらいですが、値段が4分の1でできます。これを作れば、将来的には自然エネルギーで全ての電力を賄える可能性もあるでしょう。それと並行して、新技術の超薄型太陽光発電機の開発をしています。これも今年か来年には工場を作る予定です。

問 超薄型とは軽そうですね。

澤田 ペラペラで薄いので、屋上はもとより、ガラス面でも壁面でも付けられます。工事費は今までの4分の1。現在の太陽光発電では1キロワットあたり20円前後かかりますが、これならば3~5円でできます。石炭で8~10円、原子力でも7~8円程度ですから、それらよりも安くできる。これを家の屋根に付けて、下に植物製蓄電池を設置すれば、1~2年で減価償却できますよ。こうした自然エネルギーで賄えれば、大型発電所はもう要らない。各家で発電し、余った電力は蓄電しておいて、電気自動車の充電に使えます。

問 これはまさに産業革命と言えますね。

澤田 新技術の太陽光発電機の工場はハウステンボスの中に作りますが、早ければ今年中に完成します。ここで上手くいく目処がついたら、今度は大工場を作る。テスト工場で出来た発電機はハウステンボス内で耐久力や性能テストを始めています。化石燃料を使うと空気は汚くなりますし、ヨーロッパでは規制の対象です。一方、この新技術の太陽光発電機が出来れば、化石燃料も原子力も要らず、給電すら不要になります。


新技術でエネルギー事業に本格参戦

エネルギーと植物工場で世界の平和に貢献

問 エネルギーの自給自足ですね。

澤田 太陽光発電によって、エネルギーは自給自足で賄えます。

問 この画期的な商品の販売はいつ頃になりそうですか。

澤田 今年工場を作って生産を始めますから、来年には販売できると思います。電気自体の販売は既に行っていますが、蓄電池の商品化は来年か再来年になります。同時期には、植物工場も完成するでしょう。

問 植物工場ですか。

澤田 食料として「MANKAI」という世界一小さな野菜を栽培しようとしているのですが、この繁殖力が凄まじいのです。太陽と水があれば育つため、砂漠に大きな植物工場を作っています。イスラエルの会社に3~4年も前に投資していたのですが、ようやく花開きました。これもハウステンボスでも作ろうと思っています。

 今まで人類はエネルギーや食糧の取り合いで戦争を繰り返してきましたので、この二つの問題を解消すれば、世界平和が近付きます。平和になれば、皆さんに海外旅行へ行ってもらえますから、旅行業にも相乗効果がもたらされるという発想です。

問 医療分野についてはいかがですか。

澤田 4月に浜松町に作る「変なホテル」は、そこに泊まっていただいたら健康診断を遠隔医療で行おうと考えています。今の時代、血液を1滴取ればガンなどの病気が分かりますからね。

問 先日、渋谷の「変なカフェ」を訪れましたが、ロボットの動きがスムーズで本当のバリスタのようで驚きました。

澤田 小川珈琲と提携してコーヒー豆を選んでいますので、味は美味しいですよ。今後徐々に改良し、飲むスペースをもっと雰囲気の良い場所にしていきます。スイスの山麓、タヒチなど、様々な雰囲気を出して、お客様に喜んでいただきたい。上手くいけば多店舗展開の可能性もあります。

問 今、人手不足で飲食業は困っていますからね。

澤田 人手不足を嘆くのではなく、その部分をロボットやAI(人工知能)の活用で埋めていけば良いと思います。そうすれば人口が減っても、日本の経済は保てるでしょう。

問 ロボットホテルもロボットカフェも、時代には合っていますね。

澤田 私はいつも動きが早すぎて苦労します。格安航空会社の先駆けと言われたスカイマークもちょっと早かった。LCCの時代が来る前でしたので、辛い思いをしました。

問 ただ、澤田社長のように先頭を走っておられる方がいるからこそ、後を追いかける人が出てくるのだと思います。



電気自動車にチャレンジしたい

澤田 次は電気自動車にチャレンジしてみたいですね。トヨタさんは大きいので、電気自動車は作れても、組織ごと一気に方向転換するのは難しい。やはりベンチャー企業が開拓すべきでしょう。電気自動車の会社を作って、植物製の蓄電池を使えば、50万円くらいで電気自動車ができます。普通の自動車は部品が約3万点ありますが、電気自動車は3000点。航続距離600kmは難しいと思いますが、充電設備さえあれば問題ありません。

問 これからは電気自動車の時代ですね。

澤田 10年後にはほとんど電気自動車に変わると思います。その時に私たちの新技術の太陽光発電機と植物蓄電池を使ってもらえれば良いですね。途中で電池が切れた時のために棒型の蓄電池を搭載して補充すれば、航続距離も増えます。

問 そうなるとガソリンはもう不要になります。

澤田 化石燃料を使う時代は終わると思いますよ。もちろん、あと10~20年はかかりますが、10年後には電気自動車に変わってくるのではないでしょうか。そうなれば、新技術の太陽光発電機と植物蓄電池が活躍する時が来ます。ただ、今回も早すぎて苦労しそうです。



ファーストペンギンとして

問 まさにファーストペンギンですね。永遠のベンチャーだと思います。

澤田 チャンレンジはしていきたいですね。早すぎてまた失敗するかもしれませんが(笑)。

問 そういう時にめげないための秘策はありますか。

澤田 開き直りの精神です。

問 先日、3カ月休んで世界旅行に行かれると発表されましたね。

澤田 アジアからずっと、全世界を回りたい。東欧や中国の深センをきちんと見てみたいと思います。今は忙しくて行っても1日だけなので、今回は予定も立てず自由に回りたいですね。

問 まるで学生時代です。今66歳とのことですから、あと30年は現役で行けそうですね。

澤田 今は100歳まで生きられますからね。30年くらいはなんとか頑張りたい。

問 若手経営者にメッセージをいただきたく思います。

澤田 大きな夢と目標をもって、ぜひ新しいことにチャレンジして欲しい。世のため、社会のためになることにチャレンジし、継続することです。

■会社概要

事業内容 旅行代理店事業、ホテル事業、テーマパーク事業を中心に幅広く展開

売上高 6060億2400万円(2017年10月期)

経常利益 196億4700万円(2017年10月期)



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