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トピックス -企業家倶楽部

2018年03月02日

現実を受け入れることから始まる/ジャパネットたかた創業者 V・ファーレン長崎社長/企業家賞第四代審査委員長 髙田 明 Akira Takata

企業家倶楽部2018年4月号 2014年企業家大賞受賞


 問 髙田社長は2014年度第16回企業家大賞を受賞されました。現在は、3代目企業家賞審査委員長であったエイチ・アイ・エス澤田秀雄社長から引き継ぎ、4代目審査委員長を務めて頂いております。その企業家賞が今年20周年を迎えます。今後取り組むべき課題や注文がございましたらコメントをお願い致します。

髙田 20周年は凄いことだと思います。20年前に日本経済新聞社の記者出身の徳永卓三氏が、ベンチャーを支援する企業家賞を創り、これだけ多くのベンチャー企業家を輩出してきました。日本国内に他にこれ程の賞は無いのではないですか。

 ソフトバンク孫社長、ユニクロ柳井社長、日本電産永守社長、エイチ・アイ・エス澤田社長ら錚々たる企業家が受賞してきた事実があります。日本に留まらず世界の経済を動かしています。企業家倶楽部がそういった方々を選出してきた先見の明があったからだと思います。

 今後もこの素晴しい賞を継続していって、新しい価値を生み出し続けて欲しいと願っています。



新しい挑戦

問 今から3年前に惜しまれながらジャパネットたかたを卒業されました。そして今度は地元長崎のサッカーチーム、V・ファーレン長崎の社長になられましたね。どういう経緯だったのでしょうか。

髙田 企業家賞もそうですが、20年間という時代の流れや背景がある訳です。ソフトバンク孫社長が伸びてきたときはインターネットの時代ですし、現在であったなら、AI(人工知能)やロボットが注目されています。時代の変化に合った企業家が登場し、世の中を作っていっています。

 私の場合は、サラリーマンをして、カメラ屋さんを15年して、通信販売を約30年間したというのも全て時代の変化の中で起こったことです。そして、今、サッカーチームの社長をしているのも、変化を楽しんで人生を過ごしているのですから、良かったなと思います。

問 サッカーチームを引き受けてから僅か1年というスピードで、J2からJ1に昇格しましたよね。スポーツチームの運営は大変ではないですか。

髙田 自分でも少し抱え込み過ぎたかなと思います。今度、チームはJ1に昇格しました。負荷が現在の3倍から5倍になるでしょうが、受けて立つ覚悟が出来ていますから大丈夫です。

 少し前まで倒産寸前の会社の経営を正常に戻すという課題はまだ途中ですから、今年一年間が勝負です。素晴らしい会社のように運営できる体制に持っていくのが私の役割だと思っています。

 それと並行して、チームを強化し、J1に定着し、さらにその上を狙っていきたいです。チームの運営と強化は両輪でどちらが欠けてもいけません。J1で活躍しながら、企業再生を成し遂げることが「長崎の奇跡」と言われていますから頑張ります。

問 昨年までは資金繰りが厳しく、弱かったチームを僅か1年でJI昇格まで持っていけたのは、「髙田マジック」かという声もありますが、何が変わったのでしょうか。

髙田 決してマジックではありません。人間の気持ちが変われば、不可能が可能になるということだと思います。私は何もしていません。

 選手、監督には試合に集中してもらう。給料とか会社の運営のことは気にしなくていい、私が経営を見ますからと伝えました。そのことによって気持ちが吹っ切れたのではないでしょうか。本来、選手が持っていた能力を発揮できたのだと思います。

 余計なことを考えないでいい環境を作ってあげることです。その結果、選手は本来成すべきことと向き合うことが出来て、負け無しの13連勝という結果につながりました。



苦労と思わない

問 スポーツビジネスには、これまでの企業経営とは違うご苦労があったのではないですか。

髙田 違いはありません、一緒です。私は苦労とは思いません。どんなときも何とかなるだろうと考え、あまり深刻になりません。シンプルに考えるようにしています。だからいいのだと思います。

問 経営をしていると、次から次へと問題が起こるのが常です。逆境のときにはどうやって打開するのでしょうか。

髙田 問題を打開する方法は1つだけです。やり続けることです。徹底してやるしかありません。通販の世界で30年間、現場でそればかりやってきました。カメラ屋の15年間も同じです。45年間、どうやったら売れるか考えてきました。問題の原因はどこにあるのか書き出し、1つずつ潰していくことを続けてきたから、もう習慣になっています。

 本物はそこまでやらないといけません。精神的にも強くないと出来ません。強いマインドと情熱を持って問題に当たらないと解決しない。そこには体力も必要です。実際にその部分を自分の中で保てているので、現在も続けていられると思います。

問 ベンチャー企業がサッカーでも野球でもスポーツビジネスに参入すると、広告塔として赤字でもいいというのではなく、収益的にも成功している事例が多く見られますね。

髙田 ベンチャーだから全ていいのではなく、成功しているベンチャー企業は、ベンチャースピリットを持っているからではないでしょうか。異業種から参入しても成功している事例がありますね。



事業成功の秘訣

問 ジャパネットたかたも順調で、サッカービジネスも上々ですが、秘訣は何でしょうか。

髙田 本質的には全て一緒です。経営者であろうと政治家であろうとどんな社会も同じです。今を生きて、一生懸命やるということです。

 抽象的に頑張りなさいといっても50年経っても何も変わりません。英語で「トートロジー」と言って、堂々めぐりになってしまいます。本質的な話に入っていきません。改善が出来ない。

 例え話ですが、名医は他の医者が気付かない原因を探るから名医なのです。患者が「肩が痛い」と言ったとします。病気は元の原因がどこにあるか分からないと治らない。真因を見付けるためには、物凄い量の勉強が必要になります。

 同様に企業再生も本質的な原因はどこにあるのか、現状分析から始まります。現状を認識した後に自分でやるのか、人に任せるのか方法論はいくつかあります。人に任せる場合も放置ではいけません。どうなったか経緯を報告させ、進捗を見ることです。

 部下も報告・連絡・相談が出来なければ成長しません。上司に自分がしていることを見せることが出来ない人は上にはあがれません。

問 経営者として大切にしている価値観とは何でしょうか。

髙田 人生においては、お金も名声も関係ありません。人に喜んでもらうことが一番です。運動会でお父さんが一所懸命に子どもたちの姿を写真や動画に撮影していますが、私はお父さんの姿も一緒にちゃんと撮って欲しいと言っています。私もカメラ屋でしたから、頼まれて友人の結婚式やパーティーで写真を撮りましたが、その場に居たにも関わらず一枚も自分が写っていませんでした。それでは寂しいですよね。お父さんだけでなく、お爺ちゃんやお婆ちゃんの姿も一緒に撮っておくと、記録に残るではないですか。それが平和のイメージだと思います。

 Jリーグが発足して25年になりますが、野球人気をまだ超えられていません。何故かと言うと野球選手はファンを大事にしています。人気の面でサッカーが野球に追いつくには、ファンサービスもそうですが、監督や選手、関係者を含め、挨拶や礼節を重んじる文化が定着して始めて野球と方を並べられるようになると思います。まだまだ圧倒的に差があります。

 女子プロゴルフは元会長の樋口久子さんが礼儀作法を徹底して、ファンサービスを選手一人ひとりがやるようになったら男子トーナメントの人気を超えてしまいましたね。

問 若手経営者にメッセージをよろしくお願いします。

髙田 現実を受け入れることから始まります。否定したり、嘆いても先に進めません。事実を受け止めて、問題解決の方法は、今を一生懸命に生きることです。日々精進だと思います。継続することが自分の夢に近づくことに繋がるのです。

 何歳になっても継続することを止めたら、そこで終わり。エンドレスに精進し続けることです。



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