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トピックス -企業家倶楽部

2018年04月09日

美容を軸としたプラットフォームを構築/アイスタイル 代表取締役社長兼 CEO 吉松徹郎 Tetsuro Yoshimatsu

企業家倶楽部2018年4月号   2013年ベンチャー賞受賞




アットコスメを大幅リニューアル

問 御社は美容クチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」の運営だけでなく、リアルの店舗も出店されるなど積極的に事業展開されていますが、現状はいかがですか。

吉松 2016年の終わりに、4カ年計画「Road to 2020」で売上高3倍の500億円を目指すと発表しました。1年目の17年は店舗数が10から20に倍増、海外企業を3社買収し、グローバルにも出店しましたので、きちんと投資ができたと思います。2年目となる今年も、現時点で「アットコスメ」のリニューアルやプロ向けの新サービスがリリースできているので、業績を伸ばしていく準備は万全です。

問 「アットコスメ」を大幅に変更したのですか。

吉松 従来はキュレーションメディアというより、検索の結果として訪れるサイトでした。アプリも展開していましたが、ページビューを高めることによる広告収入に依存していました。

 しかし、私たちは化粧品など製品との出会いを作っていきたい。今後はユーザー、ネイリストといった美容のプロフェッショナル、そして化粧品ブランドを繋いでいくメディアに変化させ、より製品と出会える仕組みを構築します。スマートフォンのアプリを起動して使うコミュニケーションツールへと大きくコンセプトが進化していくでしょう。

 あらゆる製品は成分や価格だけでなく、「人気女優がCMに出ている」「台湾で人気」などのメタデータを持っています。それを元にCMの出演タレントが通うサロンの情報が出てくれば、別の繋がりが生まれるわけです。メイクアップの方法や、食事のレシピなどと連携してもいいかもしれません。

 Eコマース「アットコスメショッピング」では、ユーザーIDとビジネスIDを使い分けられるようになっています。前者は一般ユーザー向けですが、後者では、例えばメーカーの方が使われる場合、美容サロンとのダイレクトなコミュニティを連携できます。現状では美容のプロやインフルエンサーとのやりとりはSNSなど個人間のツールしかありませんが、ユーザーとプロの双方がアットコスメのアプリを入れれば、メッセンジャーアプリとしても使っていただける仕組みです。

問 美容を軸に繋がったプラットフォームを作ろうとされているのですね。

吉松 その通りです。ユーザーとプロの境界線は徐々に曖昧になっていくでしょう。例えば10人の友人だけにサービスを提供できれば良いという場合、その規模の管理や決済の仕組みがあれば良いわけですから、弊社サービス上で完結してしまうかもしれません。



ネット企業からサプライチェーンに

問 リアル店舗「アットコスメストア」での売れ行きは好調ですか。

吉松 この好調がどこまで続くかとドキドキしています。

問 消費者が欲しい商品のデータを元に店舗を作っているところは他には無いように思います。

吉松 小売の仕組みはブランド側が商品を売るために作られていますから、利益率が悪くてもユーザーが欲しい商品を並べるという発想にはなりにくい。そもそも、ブランドは何がどこで売れたかというデータを持っていません。

 私たちは店舗でも商品を軸に全てを繋いでいきます。店頭の約20万アイテムは、アプリ内のカメラをかざすだけで商品情報が出てくる。そのままの流れで購入できるところまではまだ至っていませんが、将来的には対応し、レジの簡素化も実現したいですね。どの店舗でどんな商品がいくつ売れたのか、リアルタイムで分かるようになり、更なる可能性が広がるでしょう。

問 販売数だけでなく、様々な詳細情報まで分かるようになるとは画期的です。

吉松 注目(Attention)、興味(Interest)、欲望(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)という段階を経て商品購入に至るとする「AIDMAの法則」はもう通用しません。店頭で気に入って買ってから、その商品について深く知り、その後にシリーズ買いをするなど、むしろ逆プロセスを辿る場合もあります。このような現状を鑑み、アットコスメのプラットフォーム化を推進し始めました。

問 御社サービスはネットからよりリアルに向かっているように感じます。

吉松 他のネット系企業はメディア化していますが、私たちはサプライチェーンのように形を変えています。そのコンセプトをこの3年間で社内外に理解してもらえるようになりました。

 どの企業も自社製品を売り込む方法として今のままではいけないと理解していますが、インフルエンサーを使っても、あくまで媒体がテレビから置き換わっただけで、本質的には変わっていません。

 一方で、クラウドファンディングで小規模に商品を作り、1000個売る人も出てきました。このような方が10人いれば、1万個の新ブランドが出来たも同然です。これまではブランドだけが競合だったはずが、何が消費者の心に響いていて、どの相手と戦えばいいのか見えなくなっている。その中で私たちは、ユーザーとブランドを繋ぐ中立的な立場から、市場の現状を発信していけます。

問 すると化粧品のアイテム数も増えますね。

吉松 増えていますし、細分化しています。情報が溢れる中、マスメディアによる大々的な告知の効果が薄れているという悩ましい状況です。

問 そんな中、御社の「@cosmeベストコスメアワード」はお墨付きをくれます。

吉松 以前はスキンケア商品が受賞していましたが、今年度はメイクアップ商品が多数受賞し、時代が変わったと感じました。このようなトレンドの動向などを伝える価値もあります。



海外にも積極出店

問 海外事業は順調ですか。

吉松 海外は経済成長率が高いので、伸びるのは自明の理です。海外のバイヤーはアットコスメを見ていますから、どの国でどんな商品に関心があるのかも分かります。海外進出時にはテストマーケティングも兼ねて、アットコスメストアなら安心して商品を並べることができるのです。

問 海外では国内とは逆にリアルな店舗からスタートするのですか。

吉松 国によって店舗からでもサイトからでも両方の可能性があっていいと思います。

問 売れ行きは国ごとに変わりますか。

吉松 そうですね。ただ、現地での情報の反映についてはまだ始まったばかりです。日本製のちょっと変わった商品や面白さをフックにしつつ、現地の商品も並べ、独特の空気感を出す店舗になればいいと思います。17年は台湾に3店舗出店しましたが、18年は他の国へも出店していきたいですね。

問 13年に企業家賞のベンチャー賞を受賞されました。企業家賞20周年へのメッセージをお願いします。

吉松 アイスタイルの設立は企業家賞第1回と同じ1999年ですから、20年続けることの大変さは良く分かります。いつか『企業家倶楽部』に出たいと思っていましたし、初めて取材を受けた時の嬉しさも憶えています。特集していただいた際には「ようやく自分も企業家の仲間になった」と思ったものです。これからの20年も、起業した皆が目指すべき、その時代で光っている質の良い企業家の方を取り上げていただきたい。もちろん私たちも、取り上げていただける会社であり続けるよう、一緒に頑張っていきたいと思います。

■会社概要

事業内容 美容総合ポータルサイト「@cosme(アットコスメ)」の企画・運営など

売上高 266億円(2018年6月期見込)

経常利益 19億円(2018年6月期見込)

上場市場名 東証1部



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