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トピックス -企業家倶楽部

2018年04月10日

企業家とは更地の開拓者だ/リネットジャパングループ 代表取締役社長 黒田武志 Takeshi Kuroda

企業家倶楽部2018年4月号  2017年ベンチャー賞受賞




都市鉱山からメダルを作る

問 御社はインターネットを駆使した中古本などのリユース事業から始まり、小型家電リサイクル事業へと進出されてきました。近況はいかがでしょうか。

黒田 家庭や廃棄物の中に眠る小型家電に含まれるレアメタルは「都市鉱山」と呼ばれ、日本には資源大国並みの量が埋蔵されています。そんな中で始まったのが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメダル5000個全てをこの都市鉱山で作るという世界初の取り組み「みんなのメダルプロジェクト」。弊社もこの国家プロジェクトの事務局として活動しています。メダルを作るためには、19年の前半までに必要量を集めなければならないので、今年が正念場です。

問 この都市鉱山発掘はアベノミクス第3の矢にも掲げられ、13年には家電リサイクル法が施行されました。小型家電の回収業者は非常に多い印象ですが、御社の強みを教えてください。

黒田 宅配便を活用した回収の許認可を環境省・経済産業省から唯一取得している点です。無料で簡単にご利用いただけます。14年7月には愛知県大府市等と協定を締結。今では13の政令指定都市をはじめ、137の自治体と提携しています。カバーしている人口も3500万人を優に超えました。皆さまにご協力いただけるよう、まずは認知度を高めていきたいです。

問 パソコンを捨てる際には保存していたデータの流出が心配ですが、国の認可があり自治体と提携しているとなれば安心ですね。パソコンには貴重なレアメタルが多く含まれるとのことですが、メダルを全て都市鉱山で賄うにはパソコンが何台必要になりますか。

黒田 約200万台が必要です。経済産業省によると、日本の45・6%の家庭に不要なパソコンが眠っていて、その数は3000万台。法人も含めると5~6000万台にのぼります。200万台と言うと一見多いように思えますが、眠っているパソコンの3%なので十分に達成可能な数字です。

問 法人からも回収されているのですか。

黒田 昨年までは一般消費者向けに展開していましたが、これからは法人からの回収にも力を入れていきます。スポンサーや大企業だけでなく、中小企業も巻き込んで大きな流れを作っていきたいです。中小企業ではバックヤードにパソコンが2、3台転がっていることも多々ありますので、認知していただければ大量に集められる可能性が高いでしょう。

 今までは企業からの回収には厳しい規制があり、広く展開できませんでしたが、ついに部分的に緩和されることとなりました。現在、各経済団体や経団連などを通じて協力を求めています。宅配回収の許認可を持っているのは弊社のみですが、一社が頑張るだけでは達成できません。準備に時間がかかりましたが、これから急展開していきますので、ご協力いただければ幸いです。



3本柱経営へ転換

問 カンボジアで展開されている自動車関係のファイナンス事業が好調だとお聞きしました。

黒田 元々は中古商材として農機具を取り扱い始めたことがきっかけでした。中古の農機具は国内で循環が少なかったので、新興国で展開しようとしたのです。しかし、現地の方々に中古農機具を購入する余裕は無い。そこでレンタル、リースを始めました。トラクターがよく壊れるので、その修理を手掛けるようになり、それが自動車の修理、リースへと繋がりました。徐々にモノの取り扱いからファイナンスのみに転換し、今では農機具そのものは扱っていません。一見リユースや都市鉱山事業から全く離れているように見えますが、いきなり飛び地に行ったわけではないのです。

問 ベンチャーらしい展開ですね。カンボジアに着目された理由を教えてください。

黒田 カンボジアは寄付を集めて学校を建てているような発展途上のイメージが強いかもしれません。そういった地方があることも事実ですが、首都プノンペンは日進月歩で変化しており、発展フェーズに突入しました。新車市場としてはまだ未成熟ですが、中古車は急増していて、都市部では渋滞が発生しています。

 ASEANの中でGDPの伸びが一番大きいのもカンボジアです。7~10%成長が続いており、まだまだ鈍化しそうにありません。このようなカンボジアの成長の後押しもあり、一番の稼ぎ頭になる可能性も秘めていると考えています。

問 都市鉱山事業なども海外展開される予定ですか。

黒田 海外ではあくまでマイクロファイナンスに注力したいと思っています。まずはカンボジアで成功して、ASEAN諸国に展開したいです。こちらで扱うのは都市鉱山の「金(キン)」ではなく小口融資の「金(カネ)」というわけです(笑)。

 今まではリユースを事業の柱としてきましたが、3本柱に転換させることが今期のテーマです。小型家電リサイクルをオリンピックに向けて盛り上げていくだけでなく、カンボジアでも大きな花を咲かせられそうです。

問 現在の売上げ構成は8~9割がネットリユース事業ですが、18年度は構成が変わってきそうで楽しみですね。

黒田 もちろん創業事業であるリユースも大切に守っていきます。しかし、14 年に社名をネットオフからリネットジャパングループに変更した時、既にリユースのみの企業ではなくなりました。17年には本社を名古屋駅付近に移転。物流は愛知県大府市の商品センター、小型家電リサイクルは東京オフィス、ファイナンス事業のカンボジアと役割を分担しています。これらを取りまとめていくのが名古屋の本社という位置付けです。まずはこの3本柱をしっかり育てます。



若い企業家の刺激になりたい

問 黒田社長はトヨタからブックオフに転職され、同社の起業家支援制度の第1号として創業されていますよね。起業後6年間赤字が続いても進み続けられた理由は何でしょうか。

黒田 企業家精神とは経験が無い領域や新規開拓の領域に挑戦していくことだと思います。会社の規模の問題ではありません。成功するか分からない中、未開拓の地を進んでいるかが大切です。これからもチャレンジ精神を失わずにどんどん挑戦していきたい。カンボジア事業も周囲に刺激を受けながら、わずかに見えた鉱脈を辿りました。可能性があると信じて歩み続けた成果です。

問 黒田社長ご自身も含め、御社の社風として堅実な印象を受けますが、一方で挑戦心も両立していますよね。是非、企業家賞20周年に際してのお言葉をいただければ幸いです。

黒田 今後も30周年、40周年と続けていただきたいですね。弊社も35年には売上げ1000億円を達成すべく奮闘しておりますので、次は企業家大賞をいただけるように頑張ります。

問 企業家としての目標はありますか。

黒田 師匠であるブックオフ創業者の坂本孝氏は50歳でブックオフを創業し、70歳で俺のイタリアンなどを手掛ける俺の株式会社を設立しました。師匠が70歳で創業しているのですから、負けずに現役でいたいですね。また、私も企業家として経験を積んできました。チャレンジしている姿が若い人に刺激を与えるような存在になれるように頑張りたいと思います。

■会社概要

事業内容 ネットリユース・小型家電リサイクル・中古車リース事業など

売上高 47億6200万円(2018年9月期見込)

経常利益 1億5800万円(2018年9月期見込)

上場市場名 東証マザーズ



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