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トピックス -企業家倶楽部

2018年04月13日

未来を創るのが企業家の役割/ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEO 藤原 洋 Hiroshi Fujiwara

企業家倶楽部2018年4月号   2000年企業家賞受賞




日本経済に新しい風を

問 藤原社長が代表を務められているインターネット総合研究所がイスラエルで上場されるとのことですが、なぜこの国を選ばれたのでしょうか。

藤原 日本経済に新しい風を吹き込みたかったというのが大きな理由です。私はかねてからユダヤ人が世界に果たしている役割に注目してきましたが、日本には彼らの起こしているイノベーションの風が吹き込まれていないと思いました。そこで、自社をイスラエル市場に上場させ、社会の中に入り込むことによって、日本経済に新風を吹き込めるのではないかと考え、上場に至りました。

問 イスラエル市場に上場して、どのような事業を行うのですか。

藤原 まずは現地大学との研究開発を行い、ゆくゆくは現地のベンチャー企業との共同開発をしていくつもりです。それを私たちだけでなく、日本企業も誘致して一緒に取り組みたい。イスラエルと日本の橋渡し役を果たせればと思います。

問 イスラエルの方々の印象はいかがですか。

藤原 イスラエル工科大学卒業生は4分の3が起業家になります。イスラエルの小学一年生に将来の夢を聞くと、男女とも一番多い答えが「起業家」。大きくなったら何をしたいかという純粋な気持ちの中に、当たり前のように起業という選択肢があるのです。

問 彼らが起業を志すのには何か理由があるのでしょうか。

藤原 ユダヤ人の興味があることは「something new」です。新しいことには目がないので、自分で一から起業する。だからイスラエルは起業家大国なのです。

 ただし、彼らにも欠点があります。それは「new」でなければ興味が無いこと。つまり0から1を生み出すことには興味があるが、1を10にすることには興味がありません。反対に日本人は0から1を創出するのは苦手でも、1を10にするのは得意です。お互いの強みを活かせるのですから、イスラエル人と日本人は相性が良いと思います。

問 インターネット総合研究所が日本の市場に上場することはありえますか。

藤原 日本に上場しても新しくありませんから、次に上場するならばアメリカのナスダックでしょう。あくまで私の目的は日本経済に新風を吹き込むことですからね。



IoT時代は日本のチャンス

問 今度はブロードバンドタワーについてですが、現在最も注力されていることは何でしょうか。

藤原 創業当時は、ブロードバンド時代の東京タワーを目指そうというコンセプトで立ち上げましたが、情報の発信源一つとっても、ポータルサイトはサービス事業者、SNSは利用者、IoTはモノといったように次々と変化しており、インターネットを取り巻く環境の変化に合わせて役割も変わってきています。SNSに関して、日本企業は英語という言語障壁によって成功を収めることが出来ませんでした。

問 やはり英語の壁は大きかったわけですね。

藤原 日本企業は日本国内に向けた日本語でのサービスを提供している。それに対し、英語でのサービスならば、それだけで無条件にグローバルと繋がる。英語を使うか否かで情報量に何百倍の差ができてしまうのです。

問 では、次のIoT時代はいかがでしょうか。

藤原 IoTにおける情報発信源はモノですから、言語が無いため日本にも勝機があります。IoT時代の到来は日本企業全体にとってチャンスなのです。このような流れの中、弊社ではデータセンターそのものをIoT時代に適した仕様に変え、第5世代データセンターと定義しました。その事業として15年にエーアイスクエアを設立し、昨年にはIoTスクエアを設立しました。

問 IoTスクエアは具体的にどのような事業を行うのでしょうか。

藤原 IoTプラットフォームの提供です。リアルな世界とサイバー空間を繋ぎます。昨今、働き方改革が始まりましたが、20年にはIoTとAIを駆使した工場とオフィスを大企業が導入する生産性改革が起きるでしょう。25年にはそれが中小企業にまで広がり、自動宅配、介護ロボット、災害ロボットといった人の補完が本格的に行われるようになります。28年にはかなりの業務が完全自動化される流れが来る。こう考えると、多くのモノとインターネットが繋がる世界は間近に迫っており、今後IoTの導入事例は無限に広がっていくでしょう。



新産業を生み出してこその大学

問 学者でもあり経営者でもある藤原社長が一番大切にしている信条を教えてください。

藤原 日本のメジャーな大学は大企業に卒業生を送り込むことで仕事をしている気になっていますが、アカデミアの本来の役割は、新産業を創出することです。大学には、持っている知識を知識のまま留めておくのではなく知恵とし、社会に影響力を持ち、新産業を生み出す存在になって欲しいと思います。

 日本の大学と日本企業はもっと共同研究開発をすべきですね。企業は大学から人材をもらい、大学は企業のお金で研究開発をする。そうすることで、企業は多くの知恵を得ることができ、大学は文部科学省に頼らず、新しい研究費を獲得できる。大学と社会の関係を変え、大学から新産業を創出すべきというのが、私の一番大切に思っている信条です。

問 経営者に求められることは何でしょうか。

藤原 ビジョンや哲学が必要です。売上げと利益は必要条件だと思いますが、それは何かを成し遂げるための手段でしかありません。業績至上主義の落とし穴に陥らないように、ビジョンをしっかり持つことが重要です。そして、企業家の役割は未来を創ることであり、未来への投資が出来なければ、企業家そのもののミッションも果たせなくなるということを忘れないようにせねばなりません。

問 最後に企業家賞20周年に寄せてメッセージをお願いします。

藤原 企業家賞20周年おめでとうございます。私が企業家賞を頂いたのは「2000年度第2回企業家賞IP技術賞」でした。インターネット総合研究所が東証マザーズ第1号上場直後でインターネットの基盤技術に特化したベンチャー企業として評価して頂いたとのことでした。

 あれから約20年が経過し、インターネットは情報インフラから社会インフラとなりました。私自身は、これからも当時の同賞に寄せられた期待に応えるべく、インターネットの基盤技術に特化したベンチャー企業グループをさらに発展させていく所存です。また同企業家賞を受賞される企業が増え続け、新たな日本経済の牽引役となって成長されることを切に願っております。


■会社概要

事業内容 データセンター運用事業、IoT /AIソリューション事業など

売上高 389億8700万円(2017年6月期)

経常利益 7億6700万円(2017年6月期)

上場市場名 東証ジャスダック



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