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トピックス -企業家倶楽部

2018年04月17日

人材こそ最重要の経営資源だ/リンクアンドモチベーション 代表取締役会長 小笹芳央 Yoshihisa Ozasa

企業家倶楽部2018年4月号  2008年企業家賞受賞




企業と社員のエンゲージメントを高める

問 御社は創業当初より組織・人事コンサルティングに取り組まれてきましたが、2016年に新しく国内初の組織改善クラウドサービス「モチベーションクラウド」をリリースされましたね。

小笹 弊社のコンサルティング事業には、まず企業診断のステップがあり、その後で問題解決に入ります。モチベーションクラウドは、その診断の部分をクラウドベースで行うものです。診断では、社員の方に64項目の質問に答えていただき、そこから会社と社員とのエンゲージメント(相思相愛度)のスコアを出して、創業から蓄積されてきた弊社データベースを基に偏差値化します。これまでは紙ベースのアンケートとして行ってきましたが、これをクラウド化することで、クライアントが何度でも手軽に試すことができるようになりました。

問 企業診断のハードルを下げることで、各社が高頻度でエンゲージメントを測れるようにしたわけですね。

小笹 その通りです。上手く活用している企業では、四半期ごとに組織の状況を把握し、改善すべきポイントを絞り、スコアを高めるために徹底的なアクションプランを立てて実践しています。手軽に何度も活用することによってスコアが上がり、会社の生産性や収益力も向上しています。これまでの企業経営において、売上げや利益といった事業を測るモノサシはありましたが、組織の状況を測る定量的な材料はありませんでした。辛うじて、平均年齢や男女比、社員数が挙げられますが、これらを分析しても直接的な収益力向上には繋がりません。今は人材も流動化し、日本社会全体で人が不足しています。企業としては、いかに優秀な人材を自社に惹きつけておくかが大事。エンゲージメントが高まれば、社員満足度も比例して高まります。それが最終的には、顧客満足度や生産性まで高めるのです。

問 コンサルティング事業の新規顧客獲得に繋がりそうですね。競合他社はありますか。

小笹 そろそろ出てくる頃かもしれませんが、弊社には圧倒的な先行者利得があります。創業時からデータを蓄積しているからこそできる偏差値化です。またモチベーションクラウドを使っていただいて終わりでは効果が薄く、しっかり運用していただくことで組織改善にも繋がりますので、企業に寄り添う形でかなりの人員をサポートに割いています。



B2C領域にも進出

問 御社はパソコン教室を運営するAVIVAや外国語スクール事業を展開するロゼッタストーンなどをグループ企業とされ、B2C領域にも進出されていますね。

小笹 キャリアスクールは全国に104拠点、学習塾は9教室を運営。パソコンスキルやプログラミング、語学、国家資格取得など、ワンストップで支援する基盤となっています。

 もう一つ、事業の柱として成長しているのがマッチング事業です。こちらでは、全国の小中学校へ向けて外国語授業の補助講師を3000人以上ネットワークしています。文部科学省の方針で、現在は小学三年生から英語の授業が行われておりますが、そこにネイティブスピーカーの講師を配置するようになりました。

問 御社が実績を積み上げてきたビジネスとはまた異なる領域のように感じますが、マッチング事業に目を付けられたきっかけを教えてください。

小笹 M&Aです。確かにB2BとB2Cではノウハウが全く違いますが、リーマンショックの際、軒並み企業が教育研修費の予算を削り、打撃を受けたことによる苦い経験から、景気に影響されない事業にもしっかり取り組もうと決断しました。日本の抱える課題は圧倒的な少子高齢化による労働人口の減少。個人の能力を開発し、人が輝ける組織をたくさん作ることが重要です。輝ける組織とは会社と個人のエンゲージメントの高い組織のことで、そのためにも組織コンサルティングに止まらず、マッチング事業をさらに拡大させたいと考えています。

問 組織開発と同様、個人開発にも御社のモチベーションエンジニアリングが生かされるわけですね。

小笹 弊社の運営するキャリアスクールや学習塾では、モチベーションタイプ診断もしっかりと行い、どういった属性の人材か、どういう学び方が最も適しているかなど、生徒の方一人ひとりに寄り添った指導をしています。

問 個人のモチベーションを見える化できるのは御社の強みですね。

小笹 弊社はキャリアナビゲーションというコンセプトを掲げています。例えば、ある方がスキルや資格を取得したならば、その先にある企業とのマッチングへとそのまま繋がるようなプラットフォームになりたい。全国に100以上の教室があるので、今後はそこが人材登録拠点へと早変わりしていくでしょう。



企業家精神とはメッセージの発信である

問 未来戦略についてご教示いただければ幸いです。

小笹 社内で共有しているビジョンは、「最低でも時価総額1兆円の事業規模を目標にする」というものです。時間を区切っているわけではありませんが、この国に資する動きをしていくためにも、今よりさらに影響力を高めたいと話しています。

 プラスアルファとしてコンサルティングしている企業に出資し、もっと密に寄り添い、上場までサポートするインキュベーション事業があります。こちらは現在21社手がけており、2社がすでに上場を果たしました。

問 小笹会長にとっての企業家精神とはなんでしょう。

小笹 企業経営も社会に対してのコミュニケーション、メッセージの発信だと思っています。自分の中にどうしても伝えたいメッセージがあるからこそ商品を作り、事業を営んでいる。したがって、企業家精神とは心からのメッセージを伝えることですね。伝えたいことなくして、単なるビジネスモデルを模倣したり、流行に乗ったりしているだけでは長続きしません。メッセージの発信基地が会社。メッセージを伝えるメディアが商品やサービス。そしてそこから得られた共感や支持が売上げに繋がるのです。

問 企業家賞へコメントをいただけますか。

小笹 企業家賞20周年おめでとうございます。継続していること自体が尊敬に値します。私自身、『企業家倶楽部』で特集していただき、企業家賞もいただきました。こうしてメディアに登場する機会は企業経営上、大きなきっかけになります。これからもきらりと輝く面白い経営者に光を当てていただきたい。

問 ありがとうございます。後進の経営者にもメッセージをいただければと思います。

小笹 今はお金が余っていますから、資金調達は容易にできますが、人材獲得は難しい。当然ながら、企業経営はビジネスモデルを作って終わりではありません。時代の移り変わりをしっかりと認識し、人材獲得とエンゲージメントに対して投資を行うことが、企業にとって今後の繁栄に繋がります。

■会社概要

事業内容 組織開発・人材育成を中心としたコンサルティングなど

売上高 407億円(2018年12月期見込)

営業利益 41億2000万円(2018年12月期見込)

上場市場名 東証1部



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