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トピックス -企業家倶楽部

2018年04月19日

企業家は人間力が試される/スーパーホテル 会長 山本梁介 Ryosuke Yamamoto

企業家倶楽部2018年4月号   2013年チャレンジャー賞受賞




環境と健康を大切にする価値観

問 海外からの観光客も増えており、都市部では慢性的なホテル不足と言われていますが、現在のホテル業界の動向はいかがでしょうか。

山本 最近のホテル業界はどこも景気がいいと思います。2008年にリーマンショックなどがありましたが、我が社は20年間増収増益を続けています。売上規模は20年前から約15倍になりました。しかし、私たちは売上げの拡大よりも「エクセレント」を目指しています。第一に考えているのは、社員が立派に成長して幸せになることです。それが出来て初めて顧客満足や地域貢献に繋がると考えています。

問 スーパーホテルの特徴はどこにあるのでしょうか。

山本 20世紀におけるホテルの価値は、豪華さや贅沢さといった「ラグジュアリー」が流行りでしたが、21世紀になり資源は有限だという意識が高まってきました。無駄や過剰を省き、環境に配慮した「ロハス」(ライフスタイル・オブ・ヘルス・アンド・サステナビリティ)という考え方です。ロハスは、20世紀の大量生産大量消費の反省から生まれてきた概念で、平たく言うと、健康で持続可能なライフスタイルと言えます。環境の行き届いた設備の中で、お客様に元気になって頂きたいと考えています。

 そのようなコンセプトが支持され、お陰様でビジネスホテル部門において4年連続顧客満足度日本一を受賞致しました。

問 顧客満足度日本一を4年連続で受賞、おめでとうございます。お客から支持されているのはどんな点でしょうか。

山本 アンケート結果のデータがあるのですが、接客がトップに来ています。チェックイン・チェックアウト部門ですが、特別なことではなく、ちょっとしたお声掛けや気遣いなど「日常のおもてなし」が評価されています。

 次にイオン水や珪藻土を使った天井など、健康に配慮した客室部門のポイントも女性のお客様を中心に上昇してきています。また、サービスに見合ったコストパフォーマンスもお得感があると喜ばれています。



スーパーホテルの未来戦略

問 今後はどんなことに注力されていきますか。

山本 都心部は今元気ですが、地方が疲弊しては食料の供給が不足したり、モノを作れず多様な社会が成立しなくなります。そこで身の丈にあった「地方創生」にも力を入れています。地方を元気にするとは特産物を作ったり、全国から人が来て、見て、泊まって、食べて、買って帰って家で調理するといった行動形態が必要で、そこには必ずホテルが要ります。

 しかし、人口10 万人以下の地方では経済的理由で全国区のホテルは進出しません。そこでスーパーホテルの強みであるローコスト運営力を活用し、全国均一レベルのサービスを提供しようと取り組んでいます。地方の市長や有力者からお声掛け頂いています。すでに岐阜県東白川村や島根県江津市など15カ所で地域創生をキーワードに展開していますが、これを30カ所に増やし、地域を元気にする手伝いをしていきたいと思います。

 例えば江津市のケースは人口2万5000人程で、山陰地方で一番小さな市です。コンビニもなく、JRの鉄道も1時間に1本しか運行していない様な高齢化と過疎が進む典型的な地方の市町村ですが、「何とか復興したい」と熱心に誘致して頂きました。「江津未来開発」を設立し市民に出資を募ったところ、なんと2億円が集まりました。70部屋と規模は小さめですが、稼働率は90%超えでオープン当初から損益分岐を超えています。

問 海外進出についてはいかがですか。

山本 10年頃から日本のビジネスマンもアジアへ進出することが多くなりました。宿泊費が高いシティホテルはある訳ですが、後はローカルの宿泊施設しか無く、日本人出張者に適したビジネスホテルが欲しいと、リピーター客から要望がありました。

 そこで14年にベトナムのハノイ、翌年ミャンマーのヤンゴンに開業し、日本の民放番組の放送や和朝食ビュッフェサービスなど日本と同品質のサービスを再現しています。今年はミャンマー経済を活性化させるティラワ工業団地内の出店もコンペに競り勝ち、オープンを目指しています。

 このように日本のおもてなしとITを駆使したホテルを海外でも展開していきたいと考えています。

 現在、国内121店舗、海外3店舗を展開していますが、24年頃までには200店舗にしたい。そのうち60店舗はプレミアムクラスのロハスで出店したいと思います。



社員満足が企業成長の原動力

問 山本会長にとって、企業家人生とは何でしょうか。

山本 最も多様な才能を必要とされる仕事で、一番面白いと思います。人間力が試されます。人間力とは、相手の立場になるということです。

 企業発展の原動力になるものは、顧客満足やサービスを創意工夫するイノベーションなど色々あると思いますが、私は社員満足度が最も重要だと思います。

 社員も一人ひとり顔が違うように性格も違います。仕事を通じて感性と人間力を磨いて欲しいと思います。そうすれば自分も大きくなれるし、周りの人も幸せに出来ると社員には話しています。

 自分を鍛えることでゆったりとした気持ちになり、世のため人のために仕事が出来るのだと思います。

問 社員満足を最優先に掲げる御社の企業理念は素晴らしいと思います。サービス業を営む経営者として、顧客満足よりも前に社員満足が重要と言い切ることに葛藤はありませんでしたか。

山本 25歳で父親から繊維会社の家業を継いだ際に計数管理のトップダウンの経営を試みましたが、社員の反感にあい失敗しました。それに自分も楽しくありませんでした。社員がイキイキとした姿で働いていた方が、私も嬉しいし、それで社業が伸びていくのが経営の醍醐味だと思います。社員の共感を得られなければ会社は上手く行きません。

 ピンチはチャンスです。一度ではなく何度か失敗を繰り返し、社員への感謝の気持ちを忘れてはいけないと心に刻みました。

問 若い企業家へ向けてメッセージをお願いします。

山本 日本の将来はどれだけ企業家が出てくるかに掛かっています。「素人」、「馬鹿者」、「若者」と言われる挑戦者が、「どうしてもこれをやりたい」という熱い執念を持ってやり抜くことです。

 少子高齢化、IT化と時代は目まぐるしく変化しています。変化はチャンスなのですから、面白い時代です。チャレンジャーが出てきて欲しいと思います。

 企業家倶楽部に出てくるベンチャー経営者の話を読めば、刺激を受けることでしょう。


■会社概要

事業内容 ホテルチェーンの展開、土地有効活用のコンサルティング

売上高 308億7100万円(2017年3月期)

上場市場名 未上場



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