• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル
  • 私の注目ニュース
  • 新商品コーナー

トピックス -企業家倶楽部

2018年04月27日

カンパニー制の導入で新たな成長を/サマンサタバサジャパンリミテッド 代表取締役社長 寺田和正 Kazumasa Terada

企業家倶楽部2018年4月号  2008年企業家賞受賞




付加価値のあるものしか生き残れない

問 現在のバッグやジュエリー市場をどう考えておられますか。

寺田 今の時代は付加価値のあるものしか生き残れません。価格が安いだけではダメで、機能性や品質、ブランドの付加価値が大切です。トレンド感やオリジナリティがあり、細かい部分にまで凝っていて、独自の世界観を持っているものでなければ生き残っていけない。そしてデジタルに強いブランドでなければ、オリジナリティを表現できません。今は宣伝の仕方が180度変わってきています。ファッション業界はデジタル周りの人材が少ないので、その難しさを感じています。

問 デジタルに強いブランドとはどのようなイメージでしょうか。

寺田 デジタル広告やウェブ上でのコミュニケーションを得意とする会社が、Eコマースも強い。お客様にウェブ上で「このブランドはイケてる」と思ってもらえれば、リアルの店舗にも集客できるという流れになります。



文鎮型からカンパニー制へ

問 昨年、人材教育に本気で取り組むと仰っていましたね。

寺田 2017年は原点回帰ということで、組織を文鎮型にしました。「自走する」とか、「発信力や受信力の強化」など様々なテーマで取り組んできましたが、一度出来上がった組織を変えることは難しい。そこで今年は、仕組みそのものを大きく変えていこうと考えています。

問 どのように変えていかれるのですか。

寺田 創業27年ですが、初めてカンパニー制を導入します。今まで企画は企画、PRはPRというように社内が部門ごとに分かれていましたが、これからはサマンサタバサ、サマンサベガなどブランドごとのカンパニー制にし、それぞれ生産から販売まで行う。そうした仕組みを作らなければ、人材教育をしても上手く機能しません。

問 カンパニー制を敷くことで、各自がブランド全体の業務に責任を持つわけですね。

寺田 そうです。各カンパニーで完結するような仕組みを作っていく。6つのカンパニーとその他約10の管理部門がそれぞれの責任を持つ形になります。

問 新しくサマンサタバサグループのような形になるということですか。

寺田 昨年3月から文鎮型の組織にして色々な問題に切り込んできましたが、責任の所在が見えなくなり、生産性が上がりませんでした。私たちがベンチャーとしてスタートした時は、少ない人数で色んな業務を担うことで生産性が上がり、成果を出してきた。しかし、いつの間にか大会社になってしまったのです。面白いことに、カンパニー制を導入すると言った瞬間から「人が欲しい」と言っていた社員が、「人は要らない」と言い出しました。

問 人件費も含め、自分たちでマネジメントしなくてはいけませんからね。

寺田 昨年1年間の文鎮型経営を経て、今年は良いスタートが切れると思っています。


文鎮型からカンパニー制へ

原点進化の年に

問 主力のお客様は若い女性が多いですか。

寺田 20代半ばから後半です。ただ、私たちは大きな発信力を得るために、セレブを活用した宣伝を打ち、良い場所に出店する戦略で来ましたので、いきなりデジタルを強化しようとしてもなかなか難しい。今年はデジタル事業本部を作って、従来の私たちが得意としている発信力や宣伝力にデジタルを掛け合わせた今風のものを作っていきたいですね。そのために、新しいデジタル・クリエイティブ・プロモーション部署を立ち上げ、実行していきます。

問 海外展開も積極的に展開されていますね。

寺田 ハワイ店が好調です。また、1月末からロサンゼルスのフレッド・シーガルというセレクトショップに出店しました。そしてこの春、台湾への再進出も考えています。3年前に一度閉めましたが、良いパートナーが見つかりましたので、再スタートです。

問 創業して27年、企業家人生をどのように考えておられますか。

寺田 私は毎年1月1日、羽田から初日の出を見ながら故郷の広島に帰るのですが、その年の目標を15くらい立てます。そのうち実行できるのは7つか8つ。大相撲のように勝ち越せればいいかなと思っています。昨年は「原点回帰」でしたが、今年は「原点進化」の年にしたいですね。

問 御社にとっての原点回帰とは何でしょう。

寺田 仕事を楽しくやる。人が難しいと思うものを超えていく。やりがいやプライドを持って働き、良い給料を実現することです。社員1500人、グループで2000人いますので、心から弊社の原点を感じてもらうためには、どうすれば良いか。もっと踏み込んでいきたいとの想いから、原点回帰としました。

 しかし、それだけではダメだった。そこで今回は仕組みの変更に踏み切りました。「仕事は楽じゃないけど楽しい」というベンチャースピリッツを押し出してきましたが、もう原点回帰ではダメな時代なのです。

問 そこで原点進化ということですね。

寺田 今年は仕組みを変えるという進化形にもっていく。成果に向かって働ける仕組みを創る。これは仕事を楽しむためにとても大切なことで、まさに原点進化です。

問 昨年移転したこの素敵なオフィスも、仕事を楽しんでもらうための施策の一つということでしょうか。

寺田 そうです。仕事を楽しむための原点回帰ということで、去年引っ越しました。仕事は大変だけど、楽しい。この2つをバランスよくもっていきたかった。ただ、まだ成果に向かって働ける仕組みが整わず、生産性を上げることができませんでした。それは私の責任です。

問 若い方が多いので、カンパニー制と言われてもすぐにはピンと来ないのではないですか。

寺田 それが実は逆なのです。入社間もない方は意欲に満ちています。昨年からずっとミーティングを実施し、社員一人ひとりの話を聞いてきましたが、その中から生まれてきたのがカンパニー制です。戸惑っている部分もあるとは思いますが、若いのでチャレンジ精神を持ってやってくれると思っています。

問 5年後はどんな会社になっていたいですか。

寺田 5年後は海外に100店舗以上出店し、さらにバッグやジュエリーだけでなく、時代に合った新たなアイテムを更に創り出して、花開かせたいですね。その時、本当の意味での大きな企業になれると思います。

問 ぜひ企業家賞20周年へのメッセージをお願いします。

寺田 20周年おめでとうございます。10年前に企業家賞を受賞した時は、まさにこれからという時期で、ベンチャースピリッツに溢れていました。しかし、いつの間にか新しいことにチャレンジが出来なくなっていた。改めてベンチャースピリッツを育てる仕組みを作り、今一度チャレンジする良い機会となるよう頑張ります。

■会社概要

事業内容 バッグとジュエリーの企画・製造・販売

売上高 354億4600万円(2017年2月期)

経常利益 4億4500万円(2017年2月期)

上場市場名 東証マザーズ



  • DEGITAL DATA SOLUTION
コメントをシェア

骨太対談
DEGITAL DATA SOLUTION
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top