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トピックス -企業家倶楽部

2018年04月27日

ロボットのプラットフォームを目指す/MUJIN最高経営責任者 滝野一征 Issei Takino

企業家倶楽部2018年4月号  2017年チャレンジャー賞受賞




圧倒的技術力で物流自動化に挑戦

問 御社はティーチング不要の産業用ロボットコントローラを開発し、その技術力で注目を集めていますね。FA(ファクトリー・オートメーション、工場自動化)と物流の二軸で事業を展開されていますが、比率はどのような状況でしょうか。

滝野 コントローラの販売台数としては同等ですが、金額としては物流の方が多いですね。工場にはコントローラをロボット1台ごとに売ることが多いですが、物流の方はシステムも含めてパッケージとして売り込んでいますので、一度発注が決まれば大幅な売上げ増に繋がります。

問 この半年間でも御社の技術力が目に見えて向上しているのには驚きました。

滝野 弊社は進化のスピードが早いですからね。物流一つ取ってみても、トラックからの積み下ろし、何種類もの箱の積み付けなど、できることがどんどん増えています。上流から下流まで一気通貫で自動化できる技術力を持っているのは弊社だけでしょう。2017年はきちんと稼働するところまで来ましたので、18年は誰でも扱えるようにしていきたい。そうなると、世界展開が視野に入ってきます。

問 具体的には、世界の物流センターに売っていくということですか。

滝野 そうなります。まずは世界の物流センター10箇所くらいに導入したいですね。今も様々な問い合わせが来ており、コンペにも参加しています。競合他社の技術レベルは正直高くないので、焦ってはいません。ただ、弊社もスピード感を持って数々の事例を作り、本当に役立つということを証明していく必要があります。

問 物流を扱う上で難しいのはどのような点でしょうか。

滝野 動作に相当な柔軟性が求められる点です。FAの場合、流れて来る部品はある程度決まっていますが、物流を扱うとなると商品は無限に広がります。たとえ昨日まで無かった商品がいきなり流れて来ても対応できなければならず、こうした超多品種をさばくためには、私たちのような完全ティーチレスのコントローラが不可欠です。

 また、物流業界では働いている人にロボットの知識がほとんど無いため、誰でも容易に扱えるようなコントローラにする必要があります。まずはロボットが止まらないようにすることが大事ですが、万が一止まったとしても、リモートでサポートをして24時間稼働できる体制を作らねばなりません。

問 導入したらそれで終わりというわけにはいきませんからね。

滝野 その通りです。ただ、売上げが3倍になったとしても、そうしたサポートばかりに人員を割きたくはありません。私たちはあくまでコアな技術の部分に投資して、導入した会社さんが簡単に使えるようにしなければならないと考えています。

問 最終的な未来展望をお聞かせください。

滝野 弊社がロボットのプラットフォームになることです。FA、物流に関わらず、MUJINコントローラでなければロボットを動かせないと言われるような、パソコンでいうところのウィンドウズOSのような存在を目指します。



自動化は人類進歩の起爆剤だ

問 御社のチャレンジ精神は素晴らしいですね。

滝野 共同創業者でCTOを務めるデアンコウ・ロセン(チャレンジャー賞同時受賞)がよく言うのですが、リスクを取らねば常に二番手です。だから、そこに伸びしろがあるならば、必ずリスクを取らねばならない。賢い人ならば失敗しても学びますから、マイナスはありません。

 また当然、チャレンジする上では先を見通す力が大切です。私たちが創業した頃はリーマンショックの後で、誰もが自動化の話など聞く耳を持ちませんでした。それが徐々に技術力を向上させ、業界の中で認知度も上がって来た。すると今度はまた私が、「会社の半分のリソースを物流に割く」という経営判断をしました。時は14年で、やはり誰も物流が完全に自動化されるなど予想していなかった。しかし、結果はご覧の通りです。

問 そのような時代が到来するという自信があったのでしょうか。

滝野 ありましたし、そもそも自動化自体が人間にとって常に大事なことだという信念を持っています。自動化とは人を減らすことではありません。時間は有限ですから、人はもっとロボットができないような仕事に時間を使うべきではないでしょうか。人類の生活の質を良くするためには、医療、エネルギー事業、宇宙開発などやらねばならないことが山ほどあります。皆がクリエイティブな仕事をできれば、人類の進歩は倍になる。自動化は人類を飛躍させるための起爆剤なのです。



企業家は世界で勝負せよ

問 後輩企業家に対してメッセージをいただけますか。

滝野 産業の中心に30~40 年居続けるような、世界で勝負できる製品やサービスを作る会社に挑戦して欲しいですね。もちろん時間もお金もかかりますし、リスクも相当高い。でも、それこそ社会貢献になると思います。日本では起業すると言うと皆すぐゲームやアプリといった軽い産業に行きますよね。もちろん悪いとは言いませんが、それらが30年以上使われるのかは疑問です。

問 御社はベンチャー企業としては珍しく製造業で起業されています。

滝野 産業用ロボットは凄まじい重厚長大の世界ですから、我慢もパワーもいりますし、リスクを取らねばなりません。しかし、こうした製造業の泥臭い仕事こそ、現代日本の屋台骨を支えているのです。日本はGDP世界第三位などと豪語していますが、実際にはトヨタを始めとした製造企業が世界中で外貨を稼いでいるから成り立っている。しかし、残念ながらそうした業界には若い人材が行かないのが現状です。だからこそ、まずは私たちが成功して、製造業もカッコいいというところを見せたいと思います。

問 確かに最近は製造業への注目度が相対的に下がっているかもしれません。

滝野 高度経済成長期には、誰もが「就職するならばメーカーが良い」と言い、優秀な人材は皆メーカーに行きましたから、彼らがモノづくりを支えてきました。そして、皆がこの国を出て「メイド・イン・ジャパン」の製品を世界中で売りまくった。今、そうしたマインドを持っている若い人は多くありません。グローバリゼーションが叫ばれて久しいですが、むしろ昔よりも日本の国際化は廃れているのです。日本人留学生の数も減っています。世界で勝負すると言っても、まず世界を知らないのでは話になりません。

問 こうした現状を打破するためには何が必要とお考えですか。

滝野 国力を上げるためには、まず起業を増やしてどんどん外に出て行かねばなりません。企業家が多い国は成長しますからね。日本はリスクを取る文化を思い出さなければならない。そのために必要なのは教育でしょう。日本には優秀な人がたくさんいます。あとは世界で勝負するのだというマインドを持てるかどうかなのです。若いうちは大きなことを言って欲しい。そして腰を据えて、高い目標に向かって挑戦して欲しいと思います。

■会社概要

事業内容 産業用ロボットコントローラの開発

上場市場名 未上場



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