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トピックス -企業家倶楽部

2018年05月01日

なしよりのあり

企業家倶楽部2018年6月号 視点論点


 最近お気に入りの場所があります。

 銀座蔦屋書店の奥にあるカフェで提供される美味しいアイスコーヒーが飲みたくて、取材の合間や休日にふらっと立ち寄るのが、マイブーム。

 その名は「ニトロ・ナイトロブリューコーヒー」といいます。窒素ガスを使い、専用のサーバーから抽出すると、ビールのようなきめ細やかな泡立ちのあるコーヒーが出来ます。別名「ドラフトコーヒー」とも呼ばれ、ギネスビールのようにグラスの中に滝が落ちるような現象が現れ、コーヒーの豊かな香りと一緒に見た目も味わえる一品です。コーヒー党の方であれば、一度ご賞味下さい。

 さて、そんなお気に入りの場所で空想に浸っていると、隣の席の女学生のお喋りが耳に入ってきました。どうやら新しい彼氏のことを友人と話しているようです。

「イケメンじゃないけど、優しいし、笑いのツボが一緒なんだよねー」とA子。

「えー、私はイケメンじゃないと駄目だな」とB子が返すと、「面白い人が飽きないから、無しよりの有りかな」とA子。

 思わずクスッと笑ってしまいそうな会話ですね。この「なしよりのあり」という語感が気に入り、翌日昼休みに社員やインターンの学生にその話をすると、若い人の間ではよく使う言葉だといいます。

 通常は「NO」、つまり無しだけれどもギリギリ「OK」のときは「なしよりのあり」。

 条件もいいし、常識的には「YES」なんだけれども、何か気になって「NO」の場合は、「ありよりのなし」といった具合に使い分けているとのこと。若い人は高い商品は買わない、好き・嫌いがはっきりしていると勝手に考えていましたが、ちゃんと大局観を持ちながら、主観で意思決定しているのだと知る機会になり、なるほど、納得なのでした。

 我々ビジネスマンも十中八九、不可能と言われることが最後の土壇場でひっくり返ることがよくあります。何人もの企業家が、「最後まで諦めずに、1%の可能性に懸けて必死になれば想いが通じることがある」と話しています。想いの強さや情熱が重要と言われるのはそのことです。

 その逆も真なり。もう成功間違い無しと油断をしていると、足元を掬われることがあります。選挙も大勝と言われる選挙ほど怖いものはないそうです。「アナウンスメント効果」と言って、有権者のバランス感覚が働き、有利と言われた候補者が敗れたり、苦戦することがままあります。消費者が「ありよりのなし」と判断して購入を控えているとしたら、経営者はその消費者心理をもっと分析しなければならないでしょう。

 以前、メガネのジンズ田中仁社長に取材した際、店頭で親子が「ここのメガネはレンズ代が別途掛かるから、スリープライスじゃないのよ」と話しているのを聞いて、レンズ代込みの価格戦略に変えたと聞きました。その後のジンズの快進撃は皆様の知っている通りです。

 今日、グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補生を送り込んでいるのをご存知でしょうか。これまでの「分析」「論理」「理性」に軸足を置いたサイエンス重視の経営では、昨今のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをするのは難しいからです。

 また、多くの人が分析的かつ論理的な情報処理能力のスキルを身につけた結果、世界中の市場で発生している「正解のコモディティ化」の問題があります。他人と同じ正解を出すことになるので、「差別化の消失」という新たな問題を生んでいます。

 その解決のヒントになれば嬉しいのですが、5月5日まで恵比寿スバルビルにてアート展「Re又造」を開催していますので、ぜひお越し下さい。(T)






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