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トピックス -企業家倶楽部

2018年05月21日

【第7回企業家賞】-2005年-

企業家倶楽部2018年6月号  企業家賞特集


肩書きは受賞当時のものです。




企業家大賞

デジタル情報革命賞 ソフトバンク 孫 正義 社長

企業家賞

オンリーワン切削技術革新賞 ディスコ 関家憲一 会長

デイリーファッション市場創造賞 しまむら  藤原秀次郎 会長

食ビジネス開拓賞 レックス・ホールディングス  西山知義 社長

ゴルフビジネス革新賞 ゴルフダイジェスト・オンライン  石坂信也 社長 CEO

ネット広告市場創造賞 サイバーエージェント  藤田 晋 社長



企業家大賞《デジタル情報革命賞》

デジタル情報革命の未来

ソフトバンク社長 孫 正義 氏


企業家大賞《デジタル情報革命賞》


世界一のインフラを持つ日本

 人々は、革命によって社会を変えてきました。18世紀までは、農作物を作る人口が多い国が競争力を持っていましたが、19世紀には産業革命が起こり、電気をいち早く普及させた国が覇権を握りました。そして20世紀の工業社会では、電気やガソリンを最大限活用した国々が競争力を持ち、発展を遂げました。

 競争力には二つのキーワードがあります。進化の源泉である「スピード」(物を運ぶ速さ)、普及の源泉である「コスト」(価格)です。そして今、デジタル情報革命の時代を迎えた日本のインフラのスピードは、二番手の欧米に対し100倍、価格は50分の1。これは決定的な事件です。かつて歴史でナンバーワンになった国は、その時代においてスピード・コストがナンバーワンのインフラを手に入れて国際競争力を持ってきました。日本は数千年の歴史の中で一度として世界一のインフラを手にしたことがありませんでしたが、今では21世紀で最も重要なデジタル情報社会のインフラを持っているのです。

 もちろんこれは偶然ではありません。NTTが情報社会のインフラを担っていた100年もの間、日本の電話は世界一高くて遅いと言われてきました。私はそれが悔しかった。様々な努力をしましたが、いかんせんインフラが高い・遅いでは話にならない。そこで、世界一スピードが早く、世界一価格が安いブロードバンドを作ろうと決意したのです。もちろん、多くの方に「なんと無謀な戦いに手を出すのだ」と忠告を受けました。相手は社員だけでも20万人を擁する、日本屈指の強大な会社です。しかし私は100年に一度は勝負すべき時があると思った。自分の事業家としての命運を懸ける!そんな決死の覚悟でこの戦いに突入したのです。

 勝算はありました。ソフトバンク本体がインフラの先行投資で始め数年間大赤字となり、競合他社が価格で対抗してきても、日本のブロードバンド環境が世界一になれば、ヤフーで事業を拡大することができる。グループ全体で考えれば、収益は上がるはず。そう信じ、前代未聞の3年連続1000億円単位の赤字を出しつつ戦ってきたのです。お陰様で今年、ブロードバンドで利益が出る目処が立ちました。苦しい先行投資の時期は越えました。今後はこのインフラを最大限に活用し、インターネットユーザーにデジタル情報社会におけるサービスを続々提供できると考えています。

 ブロードバンドは、単なる一過性の「ブーム消費」ではありません。徐々に社会に普及し、普及後は二度と普及率が下がらない「ライフスタイル消費」です。インターネット利用者に対するブロードバンドの世帯普及率はすでに6割を越えました。今後はテレビ、携帯電話、新聞などあらゆるものがブロードバンドのインフラに乗って、今までと異なるライフスタイルを形作っていくでしょう。

300年のスパンで経営を考える

 そういったテクノロジーの進化による社会の激変をプラスに捉え、激動期にこそ事業を興すのが企業家の役割です。ソフトバンクも今でこそ800社を擁する一大グループですが、10年前はグループ全体で10社という規模でした。当時私は経営会議で「これから10年20年の間に、グループ会社を1000社にする」と宣言しました。「何を根拠に」とその場にいた全員が笑いましたが、「するんだと思うことが根拠だ」と切り返したのを覚えています。

 1000社を目指そうと決めたのは、まさに革命期で時間が無い今、多くの会社で同時多発的に事業を進めないとチャンスを取り逃がしてしまうからです。また、東京証券取引所を設立し、日本の事業家の総本山と名高い渋沢栄一さんが500社の設立・上場に関わったと聞き「彼が500社なら俺は1000社だ」と思ったからです。今後20年くらいで、グループ会社を5000社にしたい。10年で100倍にできたのだから、5倍にできないはずがありません。

「800人の社長がいれば誰かは上手くやるだろう」と大らかなスタンスをとっています。この7~8年、100社ほど統合するか潰すかしていますよ(笑)。しかし、現在の800社はネットバブルを生き抜いた強い会社です。彼らは自ら意思決定を行うことで業績を伸ばしています。確かに、「ソフトバンクという一つの会社にまとめた方が経営効率が良いのではないか」とよく言われます。それでもこの経営スタイルを貫いているのは、30年のスパンで見れば非効率でも、300年のスパンで考えると一番安全、かつ一番拡大できる方法だからです。どのくらいの単位でモノを見るかによって、経営スタイルは変わります。

 そもそも、デジタル情報社会では、工業社会の競争力を決めた大規模な工場・巨額の資本はいりません。インターネットのインフラを提供するソフトバンクは別ですが、ソフトバンクグループ799社も、10人いれば立派な会社です。デジタル情報社会における競争力は、人間の知恵の力に比例します。たった一人でも頭の良い人がいれば強い会社が生まれるのです。

 社員手帳を肌身離さず持ち歩き、決まった時間に社歌を歌う時代は終わりました。頭の良い若い人たちは、そのことに気付いています。頭が良い人の自我を満足させ、彼らが自ら喜んで仕事をするような場を提供しないと、生き残っていけないでしょう。そう考えても、「やりたい人だけが集まって会社を作る」ソフトバンクのグループ戦略は時代に合っていると思います。

生き残るための体力を超えたら退却

 現在、インフラとしてのヤフーBBは、国内1100万世帯にサービスを提供するまでに成長しました。その上に、ポータルサイトのヤフーがあり、さらにその上に音楽・スポーツ・ファイナンスといった様々なコンテンツが軒を並べている。それがソフトバンクの800社の治め方です。この取り組みで、23世紀まで貢献できると考えています。

 そんな私が、自分の事業家としてのプランを打ち立てたのは19歳の頃です。20代で名乗りを上げ創業。30代で軍資金を稼ぐ。40代で1兆円以上を懸けたひと勝負をする。50代で事業をある程度完成させる。60代で次世代にバトンタッチする。それを人に言ったら「誇大妄想だ」と散々笑われました。しかし大事なことは、誰が何と言おうと、一直線にその志に向かっていくことです。

 ただその際、自身の体力の限界を超える敗北はしないで下さい。長篠の戦いで織田軍の鉄砲隊に突っこんだ武田勝頼のように、状況を見て退却ができないリーダーは国を滅ぼします。逆に、織田信長のように天下を治めた名将は、得てして多くの退却戦を経験しています。確かに、退却は苦しい意思決定でしょう。しかし、退却しても次のチャンスで攻めれば良い。

 ソフトバンクも100社、すなわち100回退却しています。それでもしぶとく生き残っているのは、生き残るのに必要な体力を取られる負け方をしなかったからです。私は、体力の3割を失いそうだと思ったら退却します。皆さんも自信を持って退却するために、生き延びられる範囲の体力を知っておいて下さい。

 私はあと4200社作るでしょうから、500回は退却戦をするでしょう。覚悟してください(笑)。でも5000回挑戦しても、3割以上の力を取られないようにすれば、夢は実現すると信じています。おびただしい退却戦をしつつも生き残った事業家、それが私にとっては一番嬉しい褒め言葉です。



企業家賞《ネット広告市場創造賞》

諸先輩への感謝を忘れず頑張りたい

サイバーエージェント社長 藤田 晋 氏


企業家賞《ネット広告市場創造賞》


本日はありがとうございます。僕も社員のやる気を高めるため、表彰をして勇気付けています。でも、こうして自分が表彰されてみると、いつかは大賞を取ってやろうという気持ちになりますね。

 こうした賞をいただけたのも、自分達だけでなく、日本でブロードバンドがいち早く普及したお陰です。特に孫さんのADSLのお陰でインターネット広告の効果が上がりました。そうした諸先輩への感謝も忘れず、頑張っていきたいと思います。



審査委員長講評

セコム取締役最高顧問

飯田 亮 氏




  第7回となる今年も、極めて優れた企業家を表彰することができました。もちろん私の独断ではなく、審査委員の皆さんの総意です。この6人の顔ぶれを見れば、ご納得いただけるでしょう。

 大賞を受賞されたソフトバンクの孫正義さんは、言わずと知れたIT産業のドン。彼を知ったのは創業間もない頃ですが、当時は体が弱かった。でも今は日本屈指のブロードバンドを作り上げ、社会に大きく貢献しています。これからも「ドンドンドン」と、ますます発展していくことでしょう。



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