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トピックス -企業家倶楽部

2018年05月24日

【第8回企業家賞】-2006年-

企業家倶楽部2018年6月号  企業家賞特集


肩書きは受賞当時のものです。




企業家大賞

M&A経営革新賞           日本電産 永守重信 社長

企業家賞

食スタイル改革賞              ぐるなび 滝久雄 会長

求人広告イノベーション賞       エン・ジャパン 越智通勝 社長

複合アミューズメント提案賞      ラウンドワン 杉野公彦 社長

ネット&モバイル・オークション創出賞 ディー・エヌ・エー 南場智子 社長

ネット空間改善賞          デジタルアーツ 道具登志夫 社長

ウェディングスタイル革命賞 テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻佳孝 社長



企業家大賞《M&A経営革新賞》

情熱・熱意・執念の経営

日本電産社長 永守重信 氏


 企業家大賞《M&A経営革新賞》


人の倍の時間働く

 私は33年前、大学時代の後輩3人と京都の自宅の牛小屋を改造し、日本電産を創業しました。創業メンバーは28歳の私を筆頭に、27歳から24歳と若く、「自分たちはとんでもない技術を持っている」と信じていました。しかし今考えれば、それは本当にろくでもない技術でした。

 1970年代当時の精密小型モーターの競争相手といえば、国内は松下電器産業、日立、東芝で、海外はGE、フィリップスと巨大企業ばかり。当社は夢多く創業したものの、技術もなく、資本金も僅かでした。名前だけは「日本電産」と立派ですが、実は日本電気と松下電器産業を足した名前なのです(笑)。

「本当にこんな状態でやっていけるのだろうか」と皆で考えていたのですが、大企業であれ、零細企業であれ、平等なものが一つありました。それは時間です。1日は24時間で、それはどの会社にも平等に与えられている。そして、大抵の企業では、1日8時間労働です。ならば365日、人の倍の1日16時間働いて戦うしかないと思いました。

 これは実は亡くなった母に言われたのです。私が会社を起こすと言った時、「親戚に迷惑がかかるから止めてくれ」と懇願されました。それでも考えを曲げないと、「そしたらあんた、人の倍働いてくれるか。それが条件や」と母は言ったのです。それから人の倍働く人生が始まりました。

 そしてまず雑誌などに打った会社広告が「納期半分」。「値段半分」なんて絶対書かずにね(笑)。納期を半分にする。それを武器に大企業相手に戦いを挑んだのです。

意識の高さは能力を超える

 さて、次は人材を集めなくてはなりません。しかし、当社はまだ無名の会社ですから、募集をしても優秀な学生が受けに来ない。私が悩んでいると、今度は義親がこう言いました。「俺が兵隊にいた頃の経験では、飯と風呂の早い者は意識が高くて優秀だぞ」。「なるほど」と私は思って、それから後に顰蹙を買う「早飯食い競争採用」を始めたのです(笑)。能力が少々低くても、意識が高い人間を採用しようと決めました。

 人間の能力というのは、通常2倍、最高でも5倍程度の差しかありませんが、やる気・意識の差というのは100倍あるのです。以前、偏差値の低い大学の学生と、京都大学工学部の学生が日本電産を受けに来ました。前者は、日本電産に入ることが高校生の時からの憧れだったという。一方京都大学の学生は、大企業に全て落ちて最後に当社を受けに来たのでした。

 両方に「採用」を出した時、それぞれどういう反応を示したか。前者は「やったー!」と、すぐに公衆電話に走って母親に報告しました。お母さんは「おめでとう!今晩は赤飯を炊いて待ってるからね」と大喜びです。一方の後者は「こんな会社には受かって当たり前だ」としらけたもので、うっかり母親に電話しようものなら、「ばか者、そんな会社に就職させるために京都大学に行かせたわけではない!」となります(笑)。

 この二人が会社に入ってきて、どちらが意欲的に仕事をすると思いますか。どちらが会社を愛すると思いますか。一目瞭然ですよね。ところが世の中の大企業はみんな京都大学の方を採用するのです。だから当社に負けてしまう。当社は創業以来、採用時に学科試験などを課したことはありません。成績表も目を通さないまま最低5年間は金庫に入れておきます。5年経って開けてみると、学校の成績と仕事の能力の関連性はゼロです。能力が高くても、やる気や意識の高さには絶対に敵わないのです。

社長はマッチを擦れ

 人間には3種類しかいません。1つ目はマッチを持って周囲に火を灯すことが出来る人間で、100人中3人がこのタイプです。2つ目は、マッチは持っていないが横にいる人のマッチで燃える人間で、これが80%。残りの17%はマッチも持っていないし、火の横に行ってもほとんど反応しません。

 学生の場合、マッチを持っている3%は日本を表する大企業に就職します。ところが大企業では、すぐには優秀な彼らにそのマッチを擦らせない。10年くらいポケットに入れたままです。10年経って、そろそろマッチを擦らせようとしても、湿っていて火なんか点きません(笑)。

 従業員100人の会社だったら、社長と専務と常務くらいはマッチを持っている。しかし業績の悪い会社というのは社長が昼間からゴルフをしています。その後会社に戻ってきて「我が社にはろくな社員がいない」と嘆いている(笑)。専務はというと昼間から銀座で飲んでいて、常務は家で寝ています。残りの97人は会社にはいるけれども、誰もマッチは持っていないわけです。だからボーッと椅子に座っている。

 本来、マッチを持っている社長が、朝、誰よりも早く出社して、「今日は一緒に営業に行こう」「何か開発で困っていることはないか」と声をかけながら、マッチを片っ端から擦って社員を勢いよく燃やしていかなければいけません。そうすれば会社にいつも緊張感が生まれてきます。

社長の意識力が業績を左右する

 では緊張感が無くなった会社はどうなるか。職場が汚れ、出勤率が悪くなり、業績が落ち込んでいきます。当社はこれまで数多くの倒産寸前の会社を譲っていただきましたが、どの会社も1~2年で最高益になりました。

 その中の三協精機(現・日本電産サンキョー)は、連結で1万8000人もの社員がいて、売上げは1000億円以上、60年の歴史がある長野県の名門企業でした。ところが優秀なエンジニアと優れた製品を保有しているにもかかわらず、毎年100億円の赤字が出ていたのです。

 それはなぜか。職場が汚く、社員の遅刻・欠勤が多い。工場なら、8時半の始業時間には間に合ったとしても、作業服に着替えてから現場に行き、機械に電源を入れる頃には8時45分になっている。しかし機械というのは、15分ほど「ならし運転」をして温度を上げなければ、精度も上がらない。加工を始める頃にはもう9時です。帰りは反対で、4時半には機械を止めている。5 時3 分には誰もおりません(笑)。

 そこで私は「皆もう少し早く会社に来てくれるか。8時15分に出社して、まず機械の電源を入れてくれ。着替えた後、簡単に掃除してくれ。夕方は5時半になってから機械を止めてくれ」と言いました。これだけで、1時間違ってきます。8時間のうちの1時間ですから10%以上の違いになる。

 それから営業でも、資本参加前の三協精機はモーター分野で当社と競合していたのですが、当社が1日5件は訪問しているのに対して1日1件しか訪問していませんでした。要は意識と行動の違いなのです。資本参加後も、同じ製品、同じ市場、同じ社員で、何も変わっておりません。変わったのは社長だけです。それで年間100億円の赤字があっという間に100億円の利益を生みだし、黒字転換したのです。

 会社というのは必ず利益が出るようになっています。それなのに、全国で400万社以上あるうちの7割の企業が赤字だという。そういう会社の社長は「我が社には優秀な社員がいないから」と嘆いたりしますが、はっきり言って中小・零細企業に優秀な社員なんて来ませんよ。全て社長が悪いのです。マッチを擦って8割の社員に火を点けていないだけです。

 会社はトップで8割が決まります。特に中小・零細企業では99%が社長で決まるのです。社長の意識、社員の意識が高ければ、必ず利益が出る。それが一流企業になるための条件です。



企業家賞《ネット &モバイル・オークション創出賞》

サービスは社員の賜

ディー・エヌ・エー社長 南場智子 氏


企業家賞《ネット &モバイル・オークション創出賞》


 このたびは素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。今回はネット&モバイル・オークション創出賞をいただきましたが、サービスを創造したのは私でなくスタッフです。だからスタッフがもらうべき賞だと思っています。私はこういう式では緊張しない方なのですが、社員と向き合う時はとても緊張します。150~160人の社員を前に話をしなければならない時など、前の夜もドキドキして眠れないくらいです。そんな社員たちが次々に良いサービスを発想したからこそ、今回この賞をいただけました。



審査委員長講評

セコム取締役最高顧問 飯田 亮 氏

 今回、企業家大賞を受賞したのは日本 電産の永守重信社長です。創業者でありオーナーですから、会社が全部上手くいくと儲かるわけですな。私なんか爪の垢を煎じて飲みたいくらいです(笑)。この方は儲けるのが上手い上に、企業を良いカルチャーに育て上げています。まさに尊敬に値する経営者の一人です。

 改めて、良い会社、理念を持った会社を選ばせてもらったと思います。ベンチャー業界では、やはり理念がないと駄目なんです。また、みんな社名の付け方が上手い。これが新しい時代の新しい会社の作り方です。



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