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トピックス -企業家倶楽部

2018年07月05日

New Spaceが世界を動かす 

企業家倶楽部2018年8月号 ベンチャー・リポート


5月10日、日本橋三井ホールで、日本初の民間による宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE(スペースタイド) 2018」が開催された。3回目となる今回は、「宇宙ビジネスのひろがりがあらゆる産業を巻き込む」がテーマ。企業家や投資家、学生など多くのバックグラウンドを持つ人々が集い、宇宙ビジネスの現状や未来について語り合った。(文中敬称略)




 これまでは「宇宙」と言うと、メディアの向こうで語られるビッグプロジェクトというイメージがあった。ところが昨今、その概念が覆ろうとしている。「今、宇宙産業は大きな変革期にあります」と、一般社団法人SPACETIDEの代表理事を務める石田真康はオープニングスピーチで高らかに宣言した。

 New Space・・近頃の宇宙産業界では、そんな言葉をよく耳にするようになった。石田は、この定義として4つの意味を掲げる。一つ目は、商業宇宙政策として民間の力を活用しようという流れがあること。二つ目は、ファイナンスにおいて民間資金が流入していること。三つ目は、ITやロボットなどの新しい技術と宇宙ビジネスの融合によりイノベーションが進んでいること。四つ目は、企業家や大手企業が宇宙ビジネスに参入してきていること。こうした変化が各所で起こり、宇宙産業は今、大きなパラダイムシフトの中にある。

 市場規模は昨年の時点で35兆円と拡大しつつあり、世界で宇宙ビジネスに携わる会社は約1000社に上ると言われている。これまで宇宙産業を担う民間企業と言えば、イーロン・マスク率いるスペースXに代表されるようにアメリカ西海岸中心のイメージが強かった。しかし、今や30以上の国と地域が宇宙ビジネスに投資し、世界的潮流になっている。



情熱は日本も負けていない

 日本でも、宇宙産業への関心が高まってきている。3月20日、政府は宇宙ビジネス向けに、今後5年間で約1000億円のリスクマネー供給を可能にすると発表した。日本の宇宙開発予算は約3000億円であり、その3分の1もの額を官民一体で出資していくという。

 宇宙開発は今や国家主導のプロジェクトから民間ビジネスへと移行しつつある。今回のカンファレンスにゲストとして招かれた内閣府特命担当大臣の松山政司は「革新的な宇宙ビジネスが生まれるよう支援していきたい」と力強く述べた。

 この流れに、宇宙ごみの除去を目指すアストロスケールCEOの岡田光信は、自身が以前大蔵省(現財務省)官僚として予算を組んでいた経験を元に「日本政府は将来に対する投資を極力控える傾向にある。それを打ち破ったのは画期的なこと」とコメント。今回の政策は世界的に見ても先進的で、日本の動きに触発されて各国が動き出していることを明らかにした。

 日本ではここ10年間で宇宙ベンチャーの企業家が増え、異業種の企業が新しい技術を取り入れようと積極的に宇宙ビジネスに参入してきている。こうした新しいプレーヤーと、従来宇宙産業を牽引してきたJ AXAや大手航空宇宙企業とのコラボレーションによって生まれる新規事業。New Spaceの潮流は、日本にも押し寄せてきている。

 現在、日本に宇宙ベンチャーは、20~30社あると言われる。その事業内容には多様性があり、人工衛星、ロケット、宇宙機開発など、どの宇宙分野にも1社以上あるのが特徴だ。また、過去10年間に宇宙ビジネスに投資した企業数は40社以上と、アメリカに次ぐ世界第2位の規模を誇る。その内訳は異業種の大手企業が多く、世界的にも珍しい傾向だという。

「日本はまだまだ勝てる」と強調するのは、産業革新機構専務の土田誠行。残念ながら、宇宙産業において日本はフロントランナーとは言えないが、宇宙ビジネスに対する熱量は非常に大きい。既存の技術や製品を組み合わせるなどして、イノベーションを起こしていくことが求められるだろう。


情熱は日本も負けていない

データはユーザーが使えなければ意味が無い

 この流れに、宇宙ごみの除去を目指すアストロスケールCEOの岡田光信は、自身が以前大蔵省(現財務省)官僚として予算を組んでいた経験を元に「日本政府は将来に対する投資を極力控える傾向にある。それを打ち破ったのは画期的なこと」とコメント。今回の政策は世界的に見ても先進的で、日本の動きに触発されて各国が動き出していることを明らかにした。

 日本ではここ10年間で宇宙ベンチャーの企業家が増え、異業種の企業が新しい技術を取り入れようと積極的に宇宙ビジネスに参入してきている。こうした新しいプレーヤーと、従来宇宙産業を牽引してきたJ AXAや大手航空宇宙企業とのコラボレーションによって生まれる新規事業。New Spaceの潮流は、日本にも押し寄せてきている。

 現在、日本に宇宙ベンチャーは、20~30社あると言われる。その事業内容には多様性があり、人工衛星、ロケット、宇宙機開発など、どの宇宙分野にも1社以上あるのが特徴だ。また、過去10年間に宇宙ビジネスに投資した企業数は40社以上と、アメリカに次ぐ世界第2位の規模を誇る。その内訳は異業種の大手企業が多く、世界的にも珍しい傾向だという。

「日本はまだまだ勝てる」と強調するのは、産業革新機構専務の土田誠行。残念ながら、宇宙産業において日本はフロントランナーとは言えないが、宇宙ビジネスに対する熱量は非常に大きい。既存の技術や製品を組み合わせるなどして、イノベーションを起こしていくことが求められるだろう。


データはユーザーが使えなければ意味が無い

データはユーザーが使えなければ意味が無い

 宇宙産業が身近に浸透している例としてよく挙げられるのが、人工衛星からの情報活用だ。天気予報やGPSなど、もはや私たちの生活に欠かせないサービスも多い。その他にも、人工衛星から得られる画像は広範かつ膨大なデータをもたらしてくれる。近年、多くの業界で注目を集めているのが、この「宇宙ビッグデータ」だ。地上からでは分からない情報を活用しようという動きが、各業界で広がっている。

 ところが、実際には衛星からのビッグデータ利用はなかなか進んでいないのが現実だ。この原因として、シーズとニーズが上手くマッチングしていないことが挙げられる。衛星画像から得られるデータをそのまま提供するのは容易いが、本質的に求められているのは、そのデータからいかに必要な情報だけを取り出し、分析し、課題を解決するかである。画像情報だけ供給されても、エンドユーザーの役には立たない。

 例えば農業なら、気象データや土壌データなどを掛け合わせることで、適切な作業時期の予測に活用しやすくなる。この場合、一次産業従事者が宇宙に関する知識を持っていなくても、情報を扱えるよう通訳していく必要がある。


データはユーザーが使えなければ意味が無い


 インパクトのプログラム・マネージャーを務める白坂成功は、「単なる『データ』を使える『情報』に変換し、ニーズとシーズの間を埋めていかなければならない」と課題を明らかにした。彼が取り組んでいるのは即時観測が可能な衛星システムの構築で、災害時にも緊急対応できる「安心の目」の実現を目指している。その上で、宇宙の観測データをリアルタイムに活用できれば、世界の安心・安全に貢献することが可能だ。

 衛星画像を有効に活用するため、今後は宇宙データをエンドユーザーまで結び付ける協力体制を業界全体で作っていく必要がある。この目標に対して、「大きな壁ではあるが、乗り越えられない壁ではない。あらゆる産業を巻き込んでいきたい」と小型人工衛星の開発を行うアクセルスペース代表の中村友哉は決意を述べた。




 ユーザーが意識せずに宇宙ビッグデータを扱う。その段階で初めて、他のビッグデータと融合して活用ができよう。人工衛星から得られるデータをいかに加工して使いやすいものにするか。今後、宇宙産業が拡大する上で避けては通れない道である。

 宇宙分野が次世代のビッグビジネスになる。近い将来、我々の生活は宇宙ともっと密接に結びついていくことだろう。



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