• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル
  • 私の注目ニュース
  • 新商品コーナー

トピックス -企業家倶楽部

2018年07月31日

【佐藤綾子のパフォーマンス心理学】vol.45/ホラと掛けてなんと解く?

企業家倶楽部2018年8月号 トップの発信力

1.ホラは英語で?

 先日4月16日のこと、企業家倶楽部の企業家賞20周年記念行事で、孫正義社長の話を聴く機会がありました。その時に彼は開口一番「みなさん、ホラというのは英語で何というか知っていますか?」と尋ねたのです。当然みんな黙っていました。

 私が思わず「ビッグマウスかな?」と小さな声で言ったら、ちょうど孫さんの目の前が私でしたから、「ホラとは英語でVisionといいます」とニコリと言い返されました。

 ホラは英語ではビッグマウス、ビジョンはビジョンです。でも、企業のトップ、創業者は大きな夢を持って、「それはホラでしょう」と言われる程度のことを貫き通さなければ、トップは務まらないというお考えでした。

 孫社長に初めてお会いしたのは今から20年前の1998年、『保険は一切扱いません』と受付に書いてある某歯医者さんの待合室でした。他に誰もいませんでしたから、「パフォーマンス学ってなんですか?」という調子で、話が弾みました。その翌年、私が理事長を務める社団法人パフォーマンス教育協会は第1回ベストパフォーマー賞を選出することになり、先日亡くなられた映画監督の大島渚氏と孫正義氏がベストパフォーマーとして会場にお越しになりました。

 その時にも、「みなさん、僕の特徴は大ボラ吹きと言われることです」と言って、参加者全員を笑わせていましたから、大きな目標でも絶対に明言し、それを実行するという孫さんのポリシーは終始一貫、変わらなかったのでしょう。

 
 40年も前の20歳の時、UCバークレーの学生として、コンピュータソフトのポスターを見たときに「大ビジョン」を決めたそうですから、まさに筋金入りです。ポスターを見て、これからはコンピュータの箱モノの時代ではなく、ソフトの時代だと思い、会社を作って、豆腐を1丁2丁と数えるように1兆円売上げる会社にしようと思ったとのこと。涙がポロポロ出たと仰っていました。



2.第四の波

 孫さんがこんな事を思われたちょうどその時に、私はニューヨーク大学大学院の世界初のパフォーマンス学科の入学者としてニューヨークにいました。ニューヨークっ子が書店の店頭で見ていたのが、『The Third Wave(第三の波)』。あのアルビン・トフラーでした。

 未来学者はあまりにも先のことを言います。凡人はそれを見てやっと未来を知ります。そこで書かれたのが『The Third Wave 』は、産業革命の次に来るのが情報革命の時代だという本だったのです。情報が世界を制して巨大な利益を上げるとトフラーは書いていました。

 やはり俄かには信じ難く、なんとなくビッグマウスに見えました。でも今、超大国アメリカのトランプ大統領が毎日twitterで様々なことをつぶやくたびに、世界中が振り回されています。トフラーは正しかった。 さらに、そのIT化の延長線上で、もっと言うならば第四の波としてAI時代が位置します。ここにもまた、ひとりのビッグマウスがいました。アメリカの未来学者で工学博士、レイ・カーツワイル。彼は『The Singularity is Near|When Human Transcend Biology 』(これについては本誌6月号で詳述しました)の中で、「2045年には人間の能力とAIの能力が、人間の生物的限界を超えて融合する臨界点に達する」と書いたのでした。

 読んでも俄かには信じられませんでした。ところが、つい最近日本でも、病気のため学校にいけない子供が病室や自分の家のベッドの上にいて、自分の分身としてAIのOriHime(オリヒメ)を操って、OriHimeは教室で机の上にちょこんと座り、病弱な少年少女の代わりにちゃんと情報をキャッチし、少年少女は家で勉強できるということが起きています。

 もちろん、ハウステンボスの『変なホテル』に始まり、AIはあちこちの仕事をこなしています。カーツワイルの言った「2045年、AIと人間が共存したり競争したりする臨界点に達する」というのは現実になりました!


2.第四の波

3.凡人の予測を裏切る

「企業家倶楽部」でも以前に、都市鉱山についての発表があり、不要になった携帯の材料などで東京オリンピックのメダルを作るのだという話を聴いて、「ほんとかな?」と思った瞬間がありましたが、考えてみればそれはもう現実で、東京オリンピックは2020年です。

 こんなことをずいぶん早く、2007年に株式会社日本環境設計を設立した岩元さんも「ゴミを燃やして自動車を走らせる」などと、とんでもないことを考えて、現実に「デロリアン」はガソリンの代わりにゴミの燃料で動くことができています。岩元さんは映画『Back tothe Future』を観て、「これだ!」と思いついたというのですから、もしも映画館から帰ってきてすぐ、それを周りの人に言っていたとしたら、やはりビッグマウスだと思われたでしょう。

 どうやら大きなことをする人々は、一般人の思惑を超えていくのです。結論として言えば、ベンチャーは凡人の予測を裏切るところから生まれると言ってもいいのかもしれません。ささやかながら学問界のベンチャーとしてまだ日本にはゴミのかけらほどもなかった「パフォーマンス学」を開始した私から見れば、これらの素晴らしいベンチャービジネスマンは、本当に多くの人々に巨額の利益をもたらし、雇用も創出し、かつ、あちこちでその夢を語り歩いて「ホラをふけ!ビジョンを失うな!ビジョンを持ったら食らいつけ!」と身体で示しているのだと思います。まさにこれが本当のビッグ企業家です。大きな夢を持ち、口に出して語ること。全身で示すこと。一回言ったら最後、後に引かないこと。30年後に誰かが本気にしてくれたら、それでいいやくらい割り切れること。まさにビッグマウスこそその人の心に火をつける1つの材料だと言えると思います。パフォーマンス学ではこれを「アナウンス効果」と呼びます。



  • DEGITAL DATA SOLUTION
コメントをシェア

骨太対談
DEGITAL DATA SOLUTION
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top