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トピックス -企業家倶楽部

2018年09月06日

「価格」は誰が決めるのか?

企業家倶楽部2018年10月号 視点論点


  先日、勉強会後の懇親会の席である会員の方が「最近、ダイエーの中内さんの本を読んでいる」と話されていました。「栄枯盛衰は世の習い」と言いますが、平成生まれの若手社員はダイエーの存在を知らない人もいて驚きました。1970年代生まれの私は勿論知っています。スーパーで買い物といえば、近所に「主婦の店・ダイエー」がありました。午後になると夕飯の買い出しをする母の姿を思い出します。

 カリスマ経営者と評されたダイエー創業者の中内功氏のことは読者の皆様の方がよくご存じだと思います。晩年の人事・事業継承で経営不振に陥った責任については賛否両論あることでしょう。

 しかし、戦後の日本で「良い品をどんどん安く」をモットーに流通革命を起こし、1972年には百貨店の三越を抜き小売業で売上げトップに立ちました。1980年には国内で初めて小売業で売上げ1兆円を達成、一代でダイエーグループを築いたのは紛れもない事実であり、尊敬に値する偉大な企業家の一人です。

 ダイエーが消費者から支持されたのは、なんといっても「価格」です。特に食料品は毎日の家計に大きく影響しますから、安いに越したことはありません。中内氏が提唱した「価格破壊」は、主婦層から絶大な支持を得ました。1960年代から90年代にかけて消費者の気持ちを最も知っていたのは中内氏だったのかもしれません。

 さて、今日、「価格」は誰が決めているのでしょうか?

 社員にこの問いを投げかけてみると、「自分に価格決定権があるとは一消費者は誰も思っていないのではないですか」、「価格コムに代表されるようにネットで値段を調べて買う店を決めているのだから、消費者は間接的と言っても影響力がある」、「想定よりも高いと感じたら買わない選択もある」など様々な意見がありました。

 消費者に迎合し安易に安売りをすれば企業は成長するかといったら間違いです。企業は「売上げ」だけを伸ばしても「利益」を出さなければ継続出来ません。消費者の声を聞くだけではなく、適正な利益を得るために、マーケットを正しく理解することが求められます。

 この商品ならいくら位払っても欲しいと思うか、他社の商品と比べて、どちらが勝っているのか。消費者は「値ごろ感」がないと買ってはくれません。

 ここに2つの数式があります。

1.「原価」+「利益」=「売価」

2.「売価」-「原価」=「利益」

 どちらも同じ数式ですが、トヨタでは「利益」に対する解釈が違うという話を聞きました。顧客が買いたいと思う価格が「売価」であり、ゆえに自ずと「売価」は決まります。「利益」を上げようとしたら、いかに「原価」を削減するかに心を砕かなければなりません。

 つまり、1.の様に「原価」に一定の「利益」を見越して「売価」を決めてはならず、2.の様に「原価」に当たる生産コストを削減することが「利益」を生む最善の策であるとしています。

 その結果はどうでしょう。トヨタの経常利益は2兆6000億円、時価総額は23兆円で名実ともに日本一の企業になっています。「消費者の声」=マーケットを最も知っていると言えるでしょう。

 さて、御社の商品の「価格」は誰が決めていますか。業界内で一番マーケットについて知っていると自信を持って言えますか。

 商品の付加価値を上げることも、原価を下げるのと同様に利益の源泉になります。(T)



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