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トピックス -企業家倶楽部

2018年11月05日

百聞は一見に如かず

企業家倶楽部2018年12月号 視点論点


 8月に中国・北京を訪ねてきました。

 まず、驚いたのは北京には「青空」が広がっていたことです。日本を発つ前の印象は、「大気汚染が深刻で健康被害が出ている」「特に北京と上海はPM2.5の濃度が社会問題になっており、日本の空気清浄機が売れている」といったものでした。

「青空」の理由を北京在住の中国人に尋ねると、「習近平国家主席は自国で国際会議等があると面子にかけても問題を解決する。大気汚染については、北京近郊の天津エリアの工場稼働を全て止めてしまう」と話していました。共産党一党独裁のなせる技でしょうか。何はともあれ、北京の空は青かったのです。

 さて、「中国のアップル」と言われる小米科技(シャオミ)をご存知でしょうか。北京に本社を置く総合家電メーカーで、元キングソフトCEOの雷軍が2010年に創業したベンチャー企業です。世界のスマートフォンシェアでは、1位サムスン、2位アップル、3位ファーウェイに次ぐ4位に躍進しています。

 中国にはネット業界のバイドゥ、アリババ、テンセントの頭文字をとって「BAT」と呼ばれる巨人が存在しますが、シャオミも創業5年で売上高1兆円超えを果たした注目企業です。中国の人口は14億人と言われていますから、文字通り桁が一つ違います。

  
 18年7月9日に香港取引所に株式を上場したばかりで、時価総額は約6兆円となり、約5200億円という莫大な資金を調達しました。ポストBATの筆頭に挙げられる急成長ベンチャーです。

 そのシャオミの担当者から直接話を聞く機会を得ました。スマートフォンから始めた同社ですが、現在ではテレビ、電動歯ブラシ、ひげ剃り、炊飯器といった総合家電まで幅を広げています。シャオミの強みは、商品カテゴリーの中でハイスペックなものに機能を絞り、大量生産することでコストを下げるノウハウを持っていることです。スマートフォンに進出した際もアップル社iPhoneと同スペックの高性能製品に絞り、安価に販売したことで若者から支持を得て短期間にシェアを伸ばしました。

 ベンチャーが既存勢力に勝つために、「一点突破」の戦略をとることは古今東西同じと言えます。早く大きくなり、次の戦略を打つ。市場から調達した5000億円もの資金を使って次の勝負に打って出る準備をしています。シャオミの成功から学ぶ点は多いのではないでしょうか。

 今回の中国視察は3回目。前回は09年ですから約10年前になります。その時は、「地下鉄や百貨店、新しいホテルやビルなどハード面は日本に追いつきつつある。しかし、ホテルのスタッフやタクシー運転手、店舗の販売員などの接客は満足の行くレベルには遠く、サービス面で追いつかれることはないだろう」と感じました。

 帰国しイー・アクセス創業者の千本元会長にそう感想を伝えると「素晴らしいことだ。まだ中国には伸びしろがある。君がまだまだと感じたということは潜在的に成長余力があるということだ」と私とは180度違う視点で話されていたのを思い出しました。

 さて、10年経って中国はどう変わっていたでしょうか。タクシーはディディという配車アプリが普及しており、電子決済でした。タクシー料金だけではありません。繁華街の屋台のような店でも皆、現金は使いません。店頭でスマホをかざして支払いは終了。財布から現金を出す手間はなく安全で便利です。

 今、流行っているアリババが手掛けるスーパーにもキャッシュレスの波が押し寄せています。店の半径5キロ以内なら30分で注文した商品が届き、店舗に行けば新鮮な魚介類をいけすから選び、調理方法を伝えるとその場で調理して、フードコートで食べることができます。

 訪中前は果たしてどのくらい日本の生活レベルにキャッチアップしているだろうかと高を括っていましたが、実際の中国の生活は、私の想像を超えていました。日本の近未来の姿かもしれません。(T)



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