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トピックス -企業家倶楽部

2018年11月13日

下町人情溢れるアイデアマン/一瀬邦夫の人的ネットワーク

企業家倶楽部2018年12月号 ペッパーフードサービス特集第5部


一瀬が独自の視点で打ち出す新業態に大きな可能性を見出し、共に苦難を乗り越え、成長してきたフランチャイジーの経営者ら。一瀬が背中で見せる、時を重ねても消えない事業への情熱と、問題解決への真摯な姿勢から、単なる本部とフランチャイジーの関係を超え、ある者は経営者としての心構えを学び、またある者は人としての生き方に影響を受ける。(文中敬称略)



並外れた夢を追う男

ぶんコーポレーション代表取締役会長 

中野文治 Bunji Nakano


並外れた夢を追う男


 九州で「ペッパーランチ」「いきなり!ステーキ」を含む多業態のFC店舗を運営するぶんコーポレーション。中野文治が一瀬と出会ったのは、2004年暮れ頃であった。知人から「ペッパーランチ」の事業を薦められ、一瀬を紹介されたのがきっかけだ。


 店舗へ見学に行くと、オペレーションがとてもシンプルで、素早く提供でき、ジューシーでとても美味しかった。「その時が初対面でしたが、一瀬社長の明るくて、ホスピタリティ溢れる人柄や、笑顔が印象的でした」と語る中野。小スペースで、ほどほどの初期投資だったため、早速福岡で展開すべく、物件確保に当たった。


 その結果、2005年11月、12月と立て続けに2店舗をオープンした。しかし、売上げが計画通りに伸びず、当初は大苦戦。心配したペッパーフードが、東京・錦糸町の直営店を譲ってくれる運びとなったほどである。残念ながら今では1店舗のみだが、06年、07年と福岡県に3店、通算で5店舗の出店を果たした。


 その間、大阪のFC店での暴行事件、BSE問題による風評被害、O157食中毒事件など、本部もFC加盟店も重大な存続の危機に見舞われる。「ペッパーランチ」も店舗数が減少し、上場していたペッパーフードは、ゴーイング・コンサーン(事業継続に疑義あり)と認定された。


 そんな窮地を乗り越え、新業態である「いきなり!ステーキ」が誕生すると、ペッパーフードは再び大きな話題となった。その快進撃は止まるところを知らず、現在に至っている。その相乗効果か、「ペッパーランチ」も売上げが上昇に転じ、50数カ月に渡って対前年比超えという大記録を樹立した。


 一時は存続まで危ぶまれた会社がここまで大きくなり、現在も成長し続けている。その理由について中野は「一瀬社長の人柄があってこそ」と語る。常にポジティブで、並外れた夢を掲げ、将来に向かっていく。「そんな数字、とても無理だろう」という周囲の声があっても、意に介さず一桁も二桁も大きい数字を目指すのが一瀬という男だ。


「仮に上手く行かないことがあっても、決して部下に責任転嫁せず、自己責任を負う。だからこそ、周囲の人をも巻き込み、ハードルを超える力が生まれている」


「ペッパーランチ」が直面した数々の危機の中、いつ「絆」が切れても不思議ではない状況下だったが、15年から「いきなり!ステーキ」への参加に繋がり、現在そちらの業態は5店舗にまで拡大した。


 危機からの脱出方法、部下への思いやり、ポジティブさ??中野は一瀬から身を持って、トップに立つ人間の姿勢を学んだ。


 現在もペッパーフードは以前と変わらないスピードで成長し、その規模は数倍にまで大きくなっている。「これからは、そのための体制の充実が必須でしょう」と分析する中野。「ペッパーフードは上場企業として、当然ながらコンプライアンスを守らなければなりません。同時に本部従業員、加盟店、株主という三者とのバランスが大切です。扱うのが肉ですから、食中毒問題やBSE対策などのリスクマネージメントも引き続き必要になります」と、共に困難を経験してきたからこそ、今後のペッパーフードのあり方を自分事のように考える。


 中野自身としては、「ヒト、モノ、カネの問題もあるが、チャンスがあれば積極的にFCとして店舗展開に参加していきたい」と今後の事業提携に意欲的だ。


 最後に、これからもパワフルに成長し続けるであろう一瀬に向け、「一生燃焼。世のため人のために尽くしていきましょう」とエールを送った。



刺激し合える存在

ヨコハマフーズ代表取締役

青柳 紀 Osamu Aoyagi


刺激し合える存在


「上場して話題に上ることも多い社長ですが、威張っておらず、とても謙虚な方です」


 一瀬についてこう語るのは、40年以上に渡ってFCビジネスを手掛け、神奈川県を中心にドトールコーヒーやミスタードーナツなどの店舗を展開するヨコハマフーズ代表の青柳紀だ。


 青柳は創業から42年間、「お客様単価1000円以下、手作り・出来立て、フルサービス」を重視し、本部や地主との信頼関係を築きながらFCビジネスを展開。しかし時代の流れと共に、これまで運営してきた店舗がその立地に見合った利益を上げられなくなるケースも出てきた。ヨコハマフーズとしても業態転換を考えなくてはならない。そんな状況の中、銀座の1号店オープンから注目していた「いきなり!ステーキ」に白羽の矢を立てた。


「いきなり!ステーキ」は原価率が55%という驚異的な高さだ。高級フランス料理店でも40%程度であり、飲食業でこれほどの原価率は聞いたことがない。「果たしてこれで儲かるのか」と疑問に思った青柳だが、「いきなり!ステーキ」で重視されるのが原価率ではなく来店者数と粗利額であることを見抜く。


 青柳が「まさにこれは一瀬さんの発明」と語るように、「いきなり!ステーキ」のモデルは、良い意味でフードサービスの既成概念を壊したビジネスだ。まさに青柳にとって、客単価2000円台という未知なる領域へのチャレンジであった。


 2015年の末、青柳は一瀬に会いに行き、直接「いきなり!ステーキ」の話を聞いた。1号店の出店を計画している店舗の詳細を説明した際、一瀬は「1、2階の店舗はできない。1階のみの立ち食いにして、2階は倉庫にすれば良い」と提案。「いきなり!ステーキ」は立ち食いで1階のみの店舗が主流であり、一瀬の考えも今までの店舗スタイルを踏襲するものだった。しかし青柳は、「こんな好立地でお客様から2000円も取るのに、立ち食いにはできない。椅子を入れて、2階も店舗にしたい」と反発。FC加盟の話は決裂してしまう。


 その後、約半年の時間は空いたものの、一瀬が青柳の提案に対して深い理解を示したこともあり、一転してヨコハマフーズはFC加盟することになる。その記念すべき第1号店の関内店は、従来の「いきなり!ステーキ」の常識を打ち破る「椅子あり、2階あり」の店舗になった。青柳にとっては業態転換、一瀬にとっては新しい試みであり、お互いの挑戦が凝縮された店と言えよう。


 現在ヨコハマフーズでは6店舗の「いきなり!ステーキ」を展開しているが、その店舗のいずれにも椅子があり、駅前の立地である。またフードコートではペッパーフードが運営する「ペッパーランチ」と「いきなり!ステーキ」を隣り合わせにするという大胆な施策も打ち出した。隣り合わせにすることに「お客様を奪い合ってしまう」という意見も多くあったが、蓋を開けてみれば相乗効果で良い実績を上げている。


「本部のやり方をただ踏襲するのではなく、椅子を入れたい、植物を置きたいといった様々な提案をしています。気付いたことを本音で共有し、お互いが成長できれば良い」と青柳。ペッパーフードとは、お互いに刺激し合う関係を築いている。


「ペッパーフードは一瀬さんの会社です。どうか健康には気をつけてほしい。一瀬さんのような苦労して頑張っている創業者がいるうちは、私も元気に仕事がしたいですね」



斬新なアイデアを実現する力に感服

山本ビル
 
代表取締役社長 山本淳一 Junichi Yamamoto


斬新なアイデアを実現する力に感服


「大きな問題が起こっても、社員を一人も切ることなく会社を存続させてきた。非常に男気のある方だと思います」


 一瀬についてそう語るのは、山本ビルの社長を務める山本淳一だ。同社は北海道を中心に、飲食店や娯楽施設をFC展開している。一瀬率いるペッパーフードとのFC提携は、約2年前から始まった。


 山本がペッパーフード運営店舗のFC展開を考えたきっかけは、7~8年前に遡る。BSE問題が盛んに叫ばれていた当時、「ペッパーランチ」を北海道でFC展開していた企業が、全店舗撤退してしまったのだ。これを機に、山本は北海道で「ペッパーランチ」を出店しようと名乗りを上げた。


 ただ実は、山本が一瀬と実際に会ったのは、昨年開催されたFC歓迎の会合での一度だけ。「とても70代とは思えないくらい、エネルギッシュな方でした」と当時の印象を語る。それ以降、直接は会っていないが、山本は一瀬の「1000店舗を目指す」といった目標の提示や斬新なアイデアの提案、そしてそれを成功へと導く実行力に度々驚き、感服するのだという。


「特に『肉マイレージ』の制度は革新的です。お客様としては、たくさん食べたのだから優遇されたいという思いがありますからね。一瀬社長はご自身の経験から、リピーターには何か特典を付けてしかるべきだと考えられたのでしょう。それを実現されたのは本当にすごい。お客様を大切にしている姿勢がよく伝わってきます」


 他にも、店員の表情が見えるように設計されている透明なマスク、お客からも新鮮な肉が一目瞭然となるガラス張りの冷蔵庫、お客の目の前で肉をカットして焼くシステムなど、徹底した衛生管理とお客様目線の運営手法には舌を巻かざるを得ない。


 更には映画やイベント、お菓子といった、通常では考え付かないようなコラボレーション施策を展開。新たなお客を獲得したり、常連客を飽きさせずリピーターに繋げたりするなど、店内の至るところに一瀬のアイデアが散りばめられている。


 また月に一度、スーパーバイザーが直接FCの店舗に赴く。接客、肉の品質、衛生面などを徹底的にチェックし、お客にとって一番良い状態を提供できように整えている。このように、お客にとって何が一番良いのかを考える姿勢の裏には、一瀬がコックとして働いていた時代から40年以上に渡って積み重ねてきたノウハウが詰まっているのだ。


 ペッパーフードについて山本は「お客様にとってステーキを身近なものにした。高品質の肉を安い価格で提供しており、コストパフォーマンスは間違いなく良い。更に提供される早さもピカイチ。これがお客様を魅了する理由だと思います」と分析する。


 また、「加盟する私たちにとっても、一方的に搾取されている印象はありません。しっかりと利益が出るように考えてもらっています。FC展開をするに当たって、しっかりしたマニュアルも用意されており、良心的なFCオーナーと言えるでしょう」と、FC本部企業としての観点からも、ペッパーフードの魅力について語った。


 山本は、年内には本社を構える旭川で「いきなり!ステーキ」をオープンする予定だ。将来的には旭川で更なる進出を目指す。こうした積極的なフランチャイジーがいる限り、今後もペッパーフードの店舗は増え続けていくだろう。


 最後に一瀬に対し、「ペッパーフードの事業は好調だと思います。これからもお客様目線であり続けてください。私たちも精一杯頑張りますので、お互いwin-winで成長していきたいですね」と期待を寄せた。



ペッパーフードの未来の一翼を担いたい

プライムウィル
 
代表取締役社長 加藤道信 Michinobu Kato


ペッパーフードの未来の一翼を担いたい


「ペッパーランチ」「いきなり!ステーキ」「ミスタードーナツ」「大戸屋」など、中部・関西圏で食のマルチフランチャイジーとして成長するプライムウィル。社長の加藤道信が一瀬邦夫に出会ったのは2004年のことだ。


 当時大手外食企業のサラリーマンとして働いていた加藤は、独立して新しい事業を手掛けたいと考えていた。そんな中、「ペッパーランチ」の店舗を見た時に「これはスゴイ」と電撃が走った。ステーキをファーストフードのように提供、お客に肉を自分で焼かせ、ジュージュー熱々を食べさせる。そのライブ感に今までにない可能性を感じた。当時フードコートの客単価はせいぜい400~500円程度。肉とはいえ900円程度の店は無かった。


「ぜひこの店をやりたい」と加藤は一瀬に申し出た。当時はまだ何もスタートしていなかったので、「会社はない、お金もない、信用もない」のないないづくし。通常FC本部は、実績のない法人や個人には加盟を許さないのが当たり前だ。「一瀬社長が、情熱と夢しかない自分を受け入れてチャンスを与えてくれたからこそ今がある。あれが原点」と当時を述懐する。


「一瀬社長自身がホテルシェフから裸一貫、努力とアイデアで、日本の外食産業を代表する経営者へとのし上がった方です。その成功体験から、次は自分がチャンスを与える番として、その役割を果たしたいという使命感があるのでしょう」と語る加藤。実際、ペッパーフードの加盟企業集団にはパートナーという関係だけではなく、「一瀬の教え子たち」という側面もあるという。


 一瀬は、自社の人間はもとより、社外の若手経営者の育成にも力を注ぎ、独立支援には創業当時から熱心だった。加藤も、「それこそ一瀬社長の大きな功績」と称賛する。


 その加藤が一瀬の偉大さを感じたのは、09年の食品事故が発生した時だ。食中毒被害者が出て、加藤が経営していた3店すべてが行政処分を受ける事態となった。クレームの電話は鳴りっぱなしでお客は激減、動揺を隠せない状況の中、「私も一緒に被害を受けたお客様の元へお見舞いに伺いたい」と、一瀬が自ら関西に出向いてきたのだ。


 当時ペッパーフードは上場企業。トップがわざわざ見舞いに回ることなど考えられなかった加藤は、その一瀬の姿勢に驚き、感動したという。1日4~5軒訪問する中で、「東京の本社からトップが来てくれた」と喜んでくれるお客もいる一方、厳しく責任を問うお客もいた。


「被害にあったお客様にお詫びしたい。被害者の生の声を聞かなくては」


 使命感からの行動だったとはいえ、その時の一瀬の真摯な姿勢を思い起こすと今でも心を打たれる。加藤は、食に携わる企業のトップとしての原点を見た思いがしたという。


 このトップの下ならば、必ずやペッパーフードは立ち直ると確信。 FCから離脱すること無く、一緒に頑張ろうと改めて決意した。実際、加盟店をファミリーとして大切にするペッパーフードは、13年に「いきなり!ステーキ」を出店し、快進撃を続けている。


 一瀬からの期待も大きい加藤。「これからも健康に留意し、 生涯社長として、憧れの存在・目標として、ご活躍下さい。そして国内の『いきなり!ステーキ』1000店、『ペッパーランチ』500店達成の一翼を担えるよう頑張ります」と結んだ。



公私ともに尊敬する師

アメリカヤコーポレーション

代表取締役社長 福田大作 Daisaku Fukuda


公私ともに尊敬する師


 群馬県を中心にペッパーフードのFCを展開するアメリカヤコーポレーション。同社を率いるのが、社長の福田大作だ。ペッパーフードと提携することとなったきっかけは、商社から「ペッパーランチ」のFC加盟店を探していると紹介されたこと。まさにペッパーフードが「ペッパーランチ」の業態へと舵を切った時期だった。


 一度話を聞いてみようと、当時の本社を訪れた福田を出迎えたのは、テストキッチンで自ら調理をする一瀬の姿。「美味しいでしょう?」とフランクに話しかける一瀬を見た福田は、「親子ほども年齢差があるが、一瀬社長は全く意識していないように見えた」と当時を回顧する。


 その後も、一瀬自ら新商品を振る舞うことがしばしばあった。今となっては多忙を極める一瀬だが、7~8年前までは変わらず続けていたというから、さすがに元料理人らしい。


 昨年2月、ペッパーフードが「いきなり!ステーキ」をニューヨークへ新規出店した際、その視察へ行った時のことだ。福田はまず、その視察ツアーに一般客まで参加していたのに驚いた。通常の企業では、自社の視察にお客が混じっているなど考えられないことだ。更に、訪問した店舗で一瀬は、来店していたお客と気軽に写真を撮っているではないか。


「ペッパーフードは様々なコラボレーション企画を立ち上げていますが、一瀬社長のコミュニケーションによって実現できている面も大きいのではないかと思います」


 そんな一瀬を見て福田は「お客様の声を近くで聞いていることが、現在のペッパーフード躍進の秘訣」と分析する。一瀬は常に自分がお客の立場となって事業や業態について考える。実際に、ボリュームのあるステーキでも味に飽きないよう、カウンターにわさびやマスタードを用意したり、立ち席だけでなく座り席を設置したりと、様々な改善が行われている。店舗が増えるにつれて会社の都合を優先してしまう経営者もいる中、ペッパーフードはあくまでお客様第一主義を貫く。


 福田自身、飲食業を始めて一番苦労したのは従業員とのコミュニケーションだった。アルバイトが多い飲食業界では、密な関係を築くのが難しい。だが一方で、良い関係を築くことができれば、従業員の定着や相互理解へと繋がる。それがひいては、お客へのサービス向上となるのだ。そのため福田は、一瀬が自ら執筆を手掛ける社内報や、全体で集まる機会の提供など、多くを学び、参考にしているという。


 一瀬の姿勢は「ペッパーランチ」のFCの特徴にも現れており、福田らFC経営者同士でも横の繋がりは強い。本部がFC向けに物件の動きや店舗展開の説明を実施するビジネス講習会には、福田もその都度参加。FC経営者同士でゴルフを楽しむこともある。


 もちろん、ペッパーフードとFCという縦の繋がりも強い。オーナー会など、一瀬は自身が力を入れている活動をFC経営者に向けて語る機会を作っている。また、2001年にBSE問題が発生した際には、牛肉を扱うペッパーフードも風評被害を受ける中、困難な時だからこそ、ペッパーフードがお客はもちろん、FCに対しても真摯に対応したことを、福田は今でも鮮明に覚えている。FC加盟の際には条件だけでなく、社長の人柄の重要性を実感したという。


「『人が見ていない時の行動が、その人の価値を高める』という一瀬社長の姿勢には、公私ともに勉強させていただき、大変感謝しております。お体に気を付けて、今後も引き続きよろしくお願い致します」



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