トピックス -企業家倶楽部

2018年12月20日

在日中国人とソーシャルバイヤーの動向「爆買い」は終焉したのか?/コロンブス・メディア 代表取締役社長 王 宇龍(オウ ウリュウ)

企業家倶楽部2018年12月号 China Impact

「ソーシャルバイヤー」の存在

 現在、在日中国人は約80万人いると言われていますが、他の在日外国人の中では最も多くなっています。日本在住、もしくは定期的に日本を訪れる中国人で、本国にいる人の代わりに日本製品を代行購入している人を「ソーシャルバイヤー」と呼んでいます。彼らが爆買いの火付け役にもなっています。安くて高品質の日本製品は中国本国で非常に人気があります。

 私は2014年、日本に特化し、最新ファッション、ニュース、芸能情報を中国版LINEと言われる「微信」(WeChat)で配信するメディア「東京新青年」を立ち上げました。現在、200万人のフォロワーがいます。その内訳は訪日旅行者が65%、在日中国人が35%となっています。

 多くのソーシャルバイヤーが「東京新青年」から商品情報を引用して、顧客に日本商品を紹介しています。また、お客は「東京新青年」の情報を本国にいながら得ることができ、欲しい商品があるとソーシャルバイヤーに購入代行を頼んでいます。

 人気があるのは、POLAの美白丸、資生堂の高級化粧品「クレ・ド・ポー ボーテ」通称CPBの化粧品や花王の紙オムツなどです。

 ネットメディアの他に、旅行会社と共同で、日本の人気商品を扱う展覧会を主催しています。資生堂やコーセー、武田薬品やサントリーなどの大手メーカーを招くと、1500人を超える中国人が来場し、イベント後には多くの商品が、次の爆買いの対象となる現象も生まれました。

 大手以外の日本メーカーと、中国市場をターゲットにした説明会も開催しています。メーカーは情報発信で、フォロワーが多く影響のあるインフルエンサーやソーシャルバイヤーを通して商品を紹介できると同時に、消費者の生の声を聞くことができるので、改良のアドバイスを得られるメリットがあります。


「ソーシャルバイヤー」の存在

「爆買い」は終わっていない

 最近、多くの日本メーカーの担当者から、「中国観光客の『爆買い』現象が衰退し、中国市場に注力しすぎるとリスクが高いのでは?」と相談があります。しかし、爆買いは中国観光客の消費概念がまだ定まっていなかったのが原因であり、時間の経過とともに徐々に消費について冷静になってきたからだと分析されています。日本のメーカーは商品に自信を持ち、引き続き中国市場について調査し、中国消費者のニーズに沿っていれば次の爆買いの対象になる可能性がまだ十分にあると言えます。

 中国市場は成長し続けています。一方では環境破壊が進み、人々の健康が話題になっています。今年、ノーベル生理学・医学賞を日本人が受賞しました。医療は日本の方が進んでいますので、今後は医療関係、健康食品は注目されることでしょう。

 中国からの観光客の消費能力が、他のアジア諸国や欧米諸国よりも高いことが各種のデータからも読み取れます。日本企業にとって中国市場はそれほど魅力的なのです。

 新しく在日中国人向けに食品通信販売を始めました。ネット決済で中国本土でしか食べられない食材が自宅に届くサービスです。中国にも美味しい食材が多くありますので、今後は日本人にも食べてもらいたいと考えています。また、日本に住みたい、日本の不動産に投資したいという人も増えてきましたので、不動産事業も好調です。日本を知れば好きになる人も増えることでしょう。

 中国と日本の間の窓口として、「東京新青年」といったメディアのプラットフォームを通して、より多くの素晴らしい日本製品やサービスを中国人に伝えていきます。日本の本当の姿を伝えていくことで、両国が末永く良好な関係を続けていけることを望んでいます。


 「爆買い」は終わっていない


著者略歴

コロンブス・メディア

代表取締役社長 王 宇龍(オウ ウリュウ)

2008年に大学留学のため来日。東洋大学でメディアを専攻し、14年、日本に特化したメディア「東京新青年」を開設。15 年、株式会社化し社長に就任、現在に至る。



コメントをシェア

骨太対談
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top