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トピックス -企業家倶楽部

2019年02月01日

データ収集から活用まで一気通貫/Legoliss 社長 酒井克明

企業家倶楽部2019年1/2月号 モチベーションカンパニーへの道vol.34





AIやIoTが世界を大きく変えようとする中、データにはこれまで以上に大きな価値が生まれつつある。しかし、データを蓄積していない会社や、多くのデータを保有しながらその活用方法が分からない会社は少なくない。そんなデータの収集や利用に関して悩みを抱える企業に、救いの手を差し伸べるのがLegoliss(以下レゴリス)だ。



データの価値を最大化する

 同社は、データを軸としてマーケティングサービスを展開する企業である。データを持たない会社には、まずどのように情報を集めるのか提案、議論し、それを元にして、必要なデータを収集するためのプラットフォーム作りから支援する。今回は、ある放送局の事例で説明したい。

 今まで、放送局の流す番組がどの程度の人に見られているかを調べるには、視聴率を見れば良かった。しかし、インターネットが普及した現在、番組は通常放送以外にも様々な見逃し配信サイトで見ることができ、視聴率だけでは実態を把握できなくなっている。したがって、その放送局が流す番組を見ている人数、客層、地域などのデータを取る場合、視聴率以外に様々な見逃し配信サイトからの情報も加味しなければならない。

 レゴリスは、見逃し配信サイトにある広告プラットフォームから情報を収集し、番組をどのような人が見ているのかデータ化した。ただ、特定の番組を見ている人のデータだけでは利用価値が少ない。そこで今度は、名刺アプリのデータから肩書や役職といった情報を抽出。番組視聴情報と掛け合わせることによって、単なる一番組の視聴データから「どのような役職の人がどのような番組を見ているのか」という「役職ごとのライフスタイル」を示す、何倍もの利用価値を持ったデータを構築した。

 最近ではスポーツ業界にも多くの顧客を持つ。同業界においては、選手の動きや配球など競技自体に関わるデータの利用はかなり進んできたものの、来場者数などの消費者側に関するデータ利用が少ない。そうしたデータの有益性を理解し、スポーツ業界は重い腰を上げようとしている。まさに、データの収集から利用まで一連の流れを全面的にサポートするレゴリスの面目躍如である。



個人に最適化した対応が可能に

 データは持っているが、それを有効活用できていない企業には、現状で持っているデータを鑑み、マーケティングやマネタイズといった目的に応じて「どのような情報が不足しているのか」「どのデータを組み合わせれば価値が出るか」などを精査する。

 組み合わせるのは、その会社が既に持っている他のデータ、すぐにでも収集可能な別のデータ、天気や視聴率といった公表されている情報など様々だ。データ同士を組み合わせるための共通項を見出し、新たな意味を持った情報に加工する。こうして新しい価値が生まれたデータを使い、事業を前進させる方策を提案するのである。

 事例として、ある有料放送サービスを挙げよう。HuluやNetflixのような、いつでもどこでもスマートフォンやタブレットから好きな番組を見ることができるストリーミング配信サービスの普及により、有料放送は頭打ちとなっているのが現状である。そのため、今いる顧客にどうやって残ってもらうか、すなわち「解約抑制」が重要となる。「今まで解約抑制の施策として行われていたのは、顧客にただメールを流すことでした。しかし、メールでは開かれなければ意味がなく、かえってうるさがられる可能性もあります」

 では、どのように解約抑制をしていくのか。この場合、会社自体には、顧客ごとの視聴履歴、契約理由、ウェブ番組表の閲覧状況など数多くのデータが蓄積されている。そこでまずは、その一つひとつを組み合わせ、解約しそうな傾向にある契約者をリストアップする。次に、「該当の契約者はどのジャンルの番組が好きか」といった特徴を明確化。そして、個人を詳細化したデータを元に、その人に最適化した広告やメールを打つのだ。その後、直接電話する際にも、統合されたデータが手元にあることで、オペレーターが相手の特徴に合った話題を振ることが出来る。



不気味の谷に注意

 現在、インターネットでウェブページを開くと、必ずと言って良いほど広告を目にすることだろう。自分の趣味に合った商品を表示するものもあれば、少し前に調べた内容が反映されているケースもある。

 ほどよく個人の行動を追い、消費者に「ちょうどこれが欲しかった」と思わせる広告ならば良いが、あまりにも嗜好を追い過ぎた結果、「気持ちが悪い」と敬遠されてしまう現象も増えてきた。俗に言う「不気味の谷」である。

 個人の行動や興味に合わせて、リアルタイムでネット広告を変えることが技術的に可能となった今、広告を打つ側が「不気味の谷」を意識していないことも多い。その結果、広告として機能しないばかりか、むしろ見ている人に嫌なイメージを与えてしまっている場合さえある。

「広告としてどこまで個人を追いかけるか、絶妙な加減が難しい。データや技術しか知らない人は成功しない」と、技術だけでなく広告の知識を持つことの重要性を説く酒井。こうした考えに至った背景には、彼のこれまでの経験がある。

 酒井は元々エンジニアの出身。そこから広告代理店を経て、起業し、現在に至る。当然、技術と広告双方の知識と豊富な経験を持つことが酒井、そしてレゴリスの強みだ。データの分析からプラットフォームの構築まで専門性を持ったエンジニアや、広告を知り尽くしたコンサルタントなど、プロフェッショナルが会社を支える。

「広告代理店はテクノロジー領域に弱く、逆にエンジニアはマーケティング領域に弱い」と業界の現状を分析する酒井。まさにデータの収集からマーケティングまで一気通貫して、かつ高い専門性をもって行えるのが、レゴリス最大の特長となっている。

 また、大手広告代理店から独立していることも同社の強みに挙げられる。「データを大手広告代理店には触られたくないと感じている企業からの要望も多い」と酒井が語るように、大手との関わりが深いナショナルクライアントから、専門性が高く、独立しているレゴリスに白羽の矢が立つことは少なくない。



ネットだけで人は動かない

 酒井は今後の展開について、「データを軸にインプット(収集)とアウトプット(活用)の両方を積極的に押さえていきたい」とビジョンを語る。これまでのデータ収集は、コンサルティングをしながら顧客から提供してもらう方法が主流であった。それに加え、これからは子会社などを通じて、レゴリス自ら位置情報や感情データを取りに行く。

 また、顧客のニーズに細かく対応するには、さらなるデータの収集・作成が不可欠だ。従来通りのデータも集めつつ、今後ますます重要な意味を帯びてくることが予想される決済・購買データを様々な手段で入手していく構えだ。必要なデータを集めるべく、自社でIoT関連の子会社や何らかのメディアを立ち上げることも視野に入れる。

「データの出口は広告とは限らない。世の中はネットだけでは完結せず、ネットだけで人は動かない」というのが酒井の持論。収集したデータは、ネット上に限らずリアルにも応用していくつもりだ。例えば、コールセンターを持つ会社との提携や、感情データを元にして気分に合った飲み物を提供するカフェなども考えられる。

「やるからにはもっと成長して世の中に価値を提供したい。ゆくゆくは上場を目指しています」こう力強く語る酒井の夢は大きい。



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