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2019年03月26日

「ニューエコノミー」 へ躍進する中国/APIコンサルタンツ代表取締役社長 松本 洋

企業家倶楽部2019年4月号 敏腕コンサルタントが斬る! vol.13


松本 洋(まつもと・ひろし)

AP I コンサルタンツ代表取締役社長。1951年生まれ。東京大学法学部卒。日本鋼管(現JFE スチール)入社後、米国コロンビア大学MBA及びLLM(法学修士)取得。倒産寸前の子会社、米ナショナル・スチールに上席副社長(COO)として赴任し、経営再建に成功。KVHテレコムを始め4社の起業に成功。ベネッセコーポレーションを含む数社の社外取締役を歴任。




 今回は、中国が物作り中心の「オールドエコノミー」からデジタル技術を活用した「ニューエコノミー」への大転換を図っている事例を取り上げたい。中国では、沿海部だけでなく、内陸部や全国の都市でも得意分野でイノベーションを競わせることに成功している。日本は、イノベーションでは中国に大きく遅れていることを認識して、産官学連携して国家戦略を作り、対処しないとニューエコノミーに大きく乗り遅れる。自動運転、シェアリングビジネス、無人化店舗、無人化工場、考えるロボットの活用等の分野で斬新なサービスが提供され、ニューエコノミーが更に加速している中国は世界の最先端を走っていると言える。 



1. 中国の三大IT企業『BAT』

 時価総額が6兆円のバイドゥ、35兆円のアリババ、38兆円のテンセントの3社が突出した企業であるが、アリババだけがグローバル化に成功している。バイドゥは、単なる検索サービス会社から、AIを駆使して自動運転や医療分野でのビジネスを拡大しようとしている。アリババは、消費活動をAIで分析して市場を独占しようとしている。テンセントは、ユーザーの会話データを集めてAIで分析し更にシェアを拡大しようとしている。DJI以外の中国のユニコーン企業には、例外無くBATが出資していて、巨大なグループ連携が出来ている。また、スタートアップ企業が成長してくると、BATが巨額な追加投資を行なう為に企業価値が暴騰する場合が多い。



2.BATの次を担う存在の『TMD』

 今日頭条社(Toutiao)は、ニュースアグリゲーションアプリを提供している。読者の嗜好や好みを蓄積したデータベースを活用したサービスを的確にカスタマイズしている。

 美団社(Meituan)は、グループ購入のEコマースプラットフォームを提供している。毎日1000万件の注文を受けている。

 滴滴出行(Di Di)は、中国最大のライドシェアサービスを提供している。約6億人のユーザーがいる。Uber社は熾烈な競争に敗れて中国事業を DiDi社に売却。



3.世界最先端の次世代モビリティ

 自動車のナンバープレートを画素認識してアリペイ等の決済口座と紐付けて自動支払いが完了。これは、高速道路料金所や駐車場で使われていて無人化に成功している。

 無人ゲートでナンバーを自動読み取りして顔認証で決済する手段で2500台が駐車出来るスマート駐車場もある。また、深セン市では、1.6万台のバス、2.2万台のタクシーが電気自動車になっている。



4. シェアリングエコノミーの発達

 中国では、シェアリングエコノミーの市場が拡大していて、最大のライドシェアサービスの Di Di社には、5億人以上のユーザーと2100万人以上の運転手がいる。

 また、家事代行サービスを提供出来る会社は、家政婦のマッチングから支払いまでを行う。

 シェアリングエコノミーの市場は、毎年拡大している。中国では、2015年の30兆円から、17年に84兆円に急拡大してきている。



5. 信用スコアを活用した新規サービス

 人々の社会的な信用度が点数化され、その点数がさまざまなサービスに活用されている。例えば、自分の1000点の持ち点から、交通事故を起こすと10点マイナスになり、借金の返済が遅れると20点マイナスになったりする。信用度のスコアを決めて公表する芝麻信用社は、中国でのモバイル決済では、一番使われている。この信用度でのスコアが低いと、結婚が出来ないとか融資を受けられないということにもなり、信用度格差社会が生まれる危険がある。



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