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2019年09月10日

受賞者の喜びの声 ITの下請け構造を打破する/SHIFT 社長 丹下 大 

企業家倶楽部2019年10月号 第21回企業家賞





 本日は企業家賞をいただき、ありがとうございます。シフトはIT業界でも珍しいソフトウェア品質保証という仕事を請け負っています。創業は2005年と若く、売上げも200億円程度なので、さらに頑張らなければと思います。

 IT業界が約15兆円産業なのに対し、ソフトウェアテスト市場は約5兆円という規模です。その中でもアウトソーシングされているのは500億円程度で、まだまだ伸びしろがある魅力的なビジネスと言えるでしょう。

 品質保証は末端の仕事と思われがちで、建築業界のように下請け構造があるのが現実です。しかし、働く方は何も実力が無いから下請けで働いているわけではありません。たまたま就職した会社が下請けだったというだけなのです。

 そこに問題意識を持ち、下請けではなく元請けとしてエンジニアが働けるようにするべきだと思いました。弊社ではエンジニアに毎年1000人ほど入社いただいていますが、これは毎年3000人採用するアクセンチュアに次ぐ人数です。



ソフトウェアテストに勝機を見出す

 私は05年にコンサルティング企業を立ち上げ、07年に楽天から「ソフトウェアテストのコストが高いので何とかしてほしい」との依頼を受けました。この仕事を通して、年間7億円かかっていた費用を、1年で1億円削減すると共に、ソフトウェアテスト業界の現実を目の当たりにしました。

 エンジニアの方々には品質テストのノウハウが無く、やる気も無い。ただ、自分たちが作ったプログラムをテストする業務ですから、モチベーションが上がらないのも当然と言えます。私は「これはエンジニアがやらねばならない仕事なのか」と思って調べてみると、高度なプログラミングの素養が無い人でもできると分かりました。むしろ、プログラミングとソフトウェアテストは全く異なる能力を必要とするのです。

 そこで私たちは、独自のCAT検定という検定試験を用いて、優秀な人材をソフトウェアテストのプロに養成。さらに従来の「派遣」という形ではなく、1日単位でオンデマンドにソフトウェアテストサービスを提供できるようにしました。



大切なのは「やりがい」と「給与」

 現在、IT業界は人が採用できていない状況にあります。100万人のエンジニアがいる中で、本来は200万人が必要と言われており、エンジニアにソフトウェアテストのプロになってもらうのは難しい。

 そこで大事なのが「やりがい」と「給与」です。弊社では日銀のシステムもテストしていますので、十分にやりがいを感じられることでしょう。

 また、14年の上場時、弊社の年収は平均450万円でしたが、今では600万円まで上がっており、毎年10%ほど上げています。ゆくゆくは1500万円を目指していきたいですね。そのような会社になることで産業も成長すると思うので、やりがいと給与にはこだわり続けます。

 従業員の給与は全て私が管理。今どきは「信用スコア」が大切なので、従業員に信用スコアを適用し、「どのくらいフォロワーがいるか」「どれだけの積極性を持って会社を盛り上げたか」などを加味して算出しています。

 弊社ではお客様からいただいたサービス料金の6割が給与に値すると明確に示しています。教育コストとしては一人当たり6000円ほどかけ、社員の成長を支えているので、それら会社の資産を手軽に社員が活用できることも、弊社で働くメリットでしょう。

 給与に関しても、一気に上げたい方と着実に上げたい方がいます。それを考慮しつつ、一人ひとりの給与を管理しています。大切なのは、仕事をした分だけしっかり評価される仕組みです。



個人のパフォーマンスを引き出す社内制度

 会社の仕事に集中してほしいので、社員には個人の財テクをしてほしくありません。そこで、会社として社員の資産運用をできる限り支援しています。当然ながら確定拠出年金制度もありますし、NISAも使ってもらいたいです。現在は、ふるさと納税にも力を入れて取り組んでいます。

 例えば、年収400万円の方は4万円をふるさと納税に使うことができますが、その4万円は先に支払わねばならず、1年半後にその分の税金が控除されます。弊社ではその4万円分を先に会社が補填することで、社員は腹を痛めることなくふるさと納税を利用できます。

 さらに、日本で一番大きいふるさと納税ポータルサイトと提携し、全商品を社内で見られるようにしています。そして家に商品が届き、1年半後に税金が安くなった段階で給与から天引きするという流れになっています。

 大手と比較すると、まだまだ水準は低いですが、私たちの会社は若いエンジニアの方々に最も「やりがい」と「魅力的な給与」を提供して力を伸ばしていこうと思います。ご清聴ありがとうございました。



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