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トピックス -企業家倶楽部

2019年12月27日

師から贈られた腕時計/リネットジャパングループ社長 黒田武志

企業家倶楽部2020年1/2月号 私の宝箱


   大切にしている腕時計があります。私が経営の師と仰ぐ、ブックオフの創業者であり、俺の株式会社の坂本孝会長から20年前に頂いた「ダンヒルの腕時計」です。

   サラリーマンだった私が、坂本会長の講演の熱心な聴講者となり、それに飽き足らず、ブックオフの三重県の店舗でアルバイトとして働くように。その後、98年にのれん分けしていただき、私の企業家人生がスタートしました。


   ブックオフの店舗を増やしながらも、実は創業時から私が温めていたのは、現在ネットオフが行っているインターネット書店の構想でした。98年当時のインターネット普及率は1割程度でした、「インターネットの時代が来る」と盛んに言われ、米国ではアマゾンのネット書店が話題になっいました。


   坂本会長にインターネット事業構想を相談すると猛反対。当時のブックオフは破竹の勢いで年間100店舗出店していました。坂本会長の経営スタイルはG(義理)・N(人情)・N(浪花節)。どんなに体調が悪くても日本中飛び回り、オープン前日の決起集会には坂本会長が必ず出向き、店長を始めアルバイトも含むスタッフが仕事への想いを熱く語り、時には涙を流すのです。そのような熱い集団を作るのが坂本流。インターネット事業はその対極に見えたのでしょう。何を隠そう、私自身もアルバイト時代の決起集会での感銘が、坂本経営にのめり込んだきっかけでした。「もっと経営の現場で学べ」と説得されましたが、「インターネット創生期だからこそやる」との決意で決して譲らず、何度もぶつかった末に破門されてしまいました。


   最終的には坂本会長が大きな心で受け入れてくれましたが、わだかまりはなくなりません。少しでも近づきたいと思っていた折、他の弟子に腕時計を贈ったと聞き、思わず「ダンヒルの腕時計を下さい」と直談判しました。坂本会長は非常にお洒落で、当時ダンヒルがお気に入りのブランドでしたが、坂本会長が身につけているものを下さいとは言えず、口を衝いた言葉でした。あの時頂いた時計にはぶつかり合って最後に受け止めてもらった思い出が詰まっています。


   現在会社で力を入れているのが、「コンパ」、本音の飲み会です。カンボジア事業の現場でも坂本流飲み会を実施、求心力を高めています。


   また、カンボジアでも社員総会に参加しましたが、ローカルスタッフのテーブルをビールを手に回ると非常に喜んでくれましてね。社員の士気が上がって、業績が上がり、給与も上げることができました。カンボジアは人が流動化しやすいということでしたが、当社は定着率も非常に良いのです。目線を合わせた日本式の経営と、現場の方を大切にすることが当社の力になっています。


   愛知県のネットオフの商品センターは構造上の問題で夏は暑く、冬は寒く厳しい環境ですが、そんな中でも働いて下さるスタッフには本当に頭がさがります。インターネットと言っても、必ず現場がありますから、現場を大切にするのが重要です。その甲斐あってか、日本の商品センターでも勤続10年以上のパートの方が3分の1以上。国、業種・業態や時代が変わっても人間は変わらないのです。


   ふと気づけば私の行動は20年前の坂本会長の行いであったり、経営スタイルであることに気がつきます。その経験がなければ、もっとドライな会社運営になっていたかもしれません。坂本会長から受けた薫陶が20年後に活かされていると実感しています。



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