トピックス -企業家倶楽部

2019年12月27日

「ペイ戦争」の覇者は?

企業家倶楽部2020年1/2月号 BUSINESS TREND


   多くの店頭で赤いポスターやステッカーを見かけるようになった。10月1日の消費税率引き上げに伴い、経済産業省が開始したキャッシュレス・ポイント還元事業の告知だ。このポスターのある店舗で現金以外の支払いをすると、20年6月末まで数パーセントのポイント還元が受けられる。

   数あるキャッシュレス決済の中でも、利用者が急増しているのがQRコード決済だ。各サービスがキャッシュバックや割引クーポン配信などのプロモーションを大々的に実施、全額キャッシュバックを行ったソフトバンクグループのペイペイ100億円キャンペーンは大きな話題となった。これらの施策で知名度が一気にアップし、10月末現在の各事業者発表によれば登録ユーザー数はペイペイ2000万人、d払いは1000万人、メルペイは500万人、ラインペイは3690万人をそれぞれ突破している。


   利用法は至って簡単。スマートフォンにアプリをインストールし、銀行口座もしくはクレジットカードと紐付けて、必要事項を入力すれば準備OK。支払い時はアプリを立ち上げ店舗のQRコードを読み取るか、店側がスマホのQRコードを読み取れば決済完了だ。ペイペイなど、銀行口座等を登録せずとも銀行ATMで現金チャージが可能なサービスも登場し、安全性の側面から抵抗があったユーザーの利用も拡大した。店舗側にとってもほとんどのサービスが初期導入、維持手数料が無料で、決済手数料もクレジットカードに比べて低いというメリットがある。


   各サービスで利点が違うので、自分に合う決済サービスを選ぶことが肝要。例えばメルペイはメルカリアプリの売上金がそのまま支払いに使え、わざわざアプリをインストールする必要がない。ラインペイも同様にラインアプリ内のウォレットタブから使用でき、ラインユーザー間の送金や割り勘も簡単だ。楽天スーパーポイントと紐付けられ、auペイも利用できる楽天ペイは、20年春のSuicaとの連携でさらに利便性が高まるだろう。オリガミペイは18年決済プラットフォームをオープン化し、セゾンアプリやトヨタウォレットでオリガミペイ決済が可能となった。


   実店舗だけでなく、ECの決済アプリとしての利用拡大も推進している。ペイペイは自社のECプラットフォームのペイペイモールで、100億円還元キャンペーンを実施し、楽天ペイは楽天以外のECでも決済できるサービスをスタートさせた。


   11月にはヤフーとラインの統合が発表されたが、今後はスーパーアプリ化が促進されるだろう。スーパーアプリとは中国のウィーチャットやアリペイのように、通話、メール、EC、決済、宅配、ゲーム、配車など様々なサービスを1つのアプリで行えるものだ。個別のサービスごとにアプリを立ち上げる必要がなく、中国では10 億人のユーザーを抱えるほどに成長している。東南アジアや中南米ではスーパーアプリが登場しているが、日本はキャッシュレス化だけでなく、スーパーアプリ化でも遅れを取っている。

   現在、欧米でもスマホ決済サービスは各国で異なり、日本のQRコード決済も海外ではほとんど使用できない。カード大国と言われるアメリカでもアップルペイに続き、フェイスブックペイもスタート、スマホ決済はグローバルな戦いになっていくだろう。



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