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トピックス -企業家倶楽部

2020年05月19日

芯のある熱い企業家

企業家倶楽部2020年6月号 ストライク特集第5部 荒井邦彦の人的ネットワーク





荒井の想いは社外にもしっかりと行き届いている。土木管理総合試験所の下平雄二は「周りから慕われる人間性がある」、大同生命の工藤稔は「この人なら信頼できる」、公認会計士の柿塚正勝は「事業家としての才能がある」とそれぞれ荒井を評する。「真面目で誠実」の中に秘めた荒井の熱い思いは接する相手を惹きつけてやまない。(文中敬称略)



謙虚ながらも熱い想いを秘める紳士/土木管理総合試験所 代表取締役 下平雄二 Yuji Shimodaira


謙虚ながらも熱い想いを秘める紳士/土木管理総合試験所 代表取締役 下平雄二  Yuji Shimodaira


 東証一部企業で、土木建設工事に必要な試験・調査・分析といった試験総合サービスと地盤補強事業を主力事業としている土木管理総合試験所。同社の代表を務める下平雄二が荒井と知り合ったのは今から16年前のことである。

 当時の下平は事業拡大のため、M&A先を探していた。その相談相手がストライクに入社することになり、社長の荒井を紹介された。M&Aによる事業拡大は一度きりではなく、良い案件があれば積極的に検討していく方針で、直接社長の荒井から連絡を受けることも多かった。

 長い付き合いのある両社は、お互いの会社が株式上場を果たした際のお祝いも欠かさなかった。下平は2015年に東証二部に上場した際の会食の席で、積極的なM&Aを進め、今後の更なる成長への意欲を荒井に伝えた。荒井は下平の話をじっくり聞いていたというが、ストライクが株式上場を考えているとは聞いたことがなかった。

 翌年、ストライクが東証マザーズに上場すると聞いた時には驚いた。M&Aの専門仲介業にはすでに大手2社が存在し、競争は激しいとこぼしていた荒井の様子を見てきたからこそ、まさか東証マザーズ上場から僅か1年という最短で東証一部へと指定替えする構想を考えていたとは予想もしていなかった。

「荒井社長は口に出して言ったりはしないが、実は芯の部分で深い信念を持っている謙虚な人物だと悟った」と言う。

 M&Aを進める上で、仲介者には信頼を求めていると語る下平。売り手側の経営者は社員を抱え、これまで育ててきた事業であり、手放すのは難しいことである。一方の買い手側にとっても経営者が変わっても既存の社員は新しい経営陣について来てくれるのだろうかという不安が付き纏う。会社を売買する瞬間は何度もあるわけではない。

 だからこそ、安心して信頼のおける仲介者が必須条件であるのだ。

「周りから慕われる人間性があり、様々な経営者の話を理解し、伝えるべきところだけを抽出するという口の堅さがある。M&Aの仲介に必要な信頼に繋がっている」と荒井の人柄について語る。

 特に自身がクライアントとして荒井と接した際の経験として、「買い手と売り手双方の話を一旦自分の中で咀嚼し、相手に伝えている」と評した。

「先頭に立って社員を引っ張っていくタイプのリーダーシップではなく、他者に寄り添う荒井社長の姿勢に自ずと周りが慕ってくれるのでしょう」と、紳士的な人間だと畏敬の念を示した。

 現在では、ストライクが主催するセミナーにて、M&Aの体験談を講演するよう依頼があり登壇したことがあるという下平。長きに渡ってクライアントとも良好な関係を築けるのも荒井の人柄ゆえであろう。

 ストライクはM&A業界でも大手とは違い中小企業に特化した新しい切り口で事業に挑んでいる。

「中小企業という市場にフォーカスした荒井社長の目の付け所は鋭い」と下平は言う。

「荒井社長に追いつけるように頑張ります」と同じ経営者としてスピード感を学び共に成長していきたいとメッセージを送った。



体の芯まで思いやりに溢れた人/大同生命社長 工藤稔 Minoru Kudo


体の芯まで思いやりに溢れた人/大同生命社長 工藤稔 Minoru Kudo


1902年に創業した長い歴史を刻む大同生命。同社の創業者の一人は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」でヒロインのモデルとなった広岡浅子である。彼女の七転八起ならぬ「九転十起」の精神で女性実業家として奮闘し、生命保険事業による「社会の救済」と「人々の生活の安定」という想いは現在も受け継がれている。

 現在同社を率いるのは、社長の工藤稔だ。中小企業に特化してサービスを展開し、多くの税理士を代理店に持つ「経営者保険のパイオニア」である。工藤には、中小企業の発展に貢献したいという強い想いがあったが、後継者がいない中小企業に対しては、経営改善等のアドバイスだけではどうにもならない根本的な問題があることも認識していた。そんな折に、同社の当時の副社長を通して荒井と知り合い、是非M&A支援事業で提携をしたいという申し出があった。工藤は「お世話になっている企業が後継者がいないために立ち行かなくなるなら、できるだけその経営者の方にとって良い条件でM&Aもしくは売却をする手伝いをし、顧客の思いに応えることこそが大切だ」と思い至った。そして、たとえ自分の会社でM&Aが実現できなくても、できる限りの支援はきっちりとしていきたい。収益だけにはとらわれないという荒井の確固たるM&Aへの想いを聞き、「この人なら信頼できる」と、2016年に提携が実現した。

 荒井の人柄はまじめで誠実の一言に尽きる。その人柄が、人を大切にするM&A支援にも表れている。荒井はよく「売却して良かったと言ってもらえて初めて終わる仕事だ」という言葉を口にするが、これに関して印象的なエピソードがある。

 大同生命の営業職員がたまたま訪れた顧客企業は、経営者が高齢であることから、後継者がいないことに悩んでいた。そこでストライクを紹介したところ、良い企業を売却先として見つけることができたという。無事に売却ができた経営者から「あなたには足を向けて眠ることができない。ありがとう」という感謝の言葉をもらった職員の喜びもひとしおだった。

「損得勘定ではなく、人に寄り添ったM&A支援を行うストライク社だからこそ顧客に胸を張って紹介できる」と工藤。

 現在でも少なくとも年に2回は必ず荒井に会う。利き酒師の資格を持つ荒井と、おいしい日本酒を飲みながら、仕事の話をする。その時に工藤は「企業価値算定サービス」をやってもらいたいと依頼した。

 中小企業は大企業と比べ、自身の会社がどれほど企業価値があり、1年でどのくらい成長したのかという指標を知ることが難しい。そこで、ストライクと提携して企業価値を無料で算定できれば、中小企業の更なる発展に貢献できると考えた。長年監査法人に勤めていた荒井も企業価値の重要性を理解しているため、19年よりサービス提供をする運びとなった。

 大同生命でも、コロナウイルスによる影響を受け、貸付利率の高い契約者貸付制度の貸付利率を0%にすることで、身を切った中小企業支援に乗り出した。中小企業の力になりたいという強い想いを同じくする2人が出会ったのは必然だったのだろう。

 最後に「これからも誠実さを貫き、中小企業経営者のためにお互い頑張っていきましょう」と背中を押した。



ゆるぎない意思を持つ企業家/公認会計士 柿塚正勝 Masakatsu Kakizuka


ゆるぎない意思を持つ企業家/公認会計士 柿塚正勝 Masakatsu Kakizuka


「事業家としての資質があったのでしょう」。そう笑いながら語るのは公認会計士柿塚正勝。荒井との出会いは太田昭和監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)時代。荒井が公認会計士として入社し、同じグループで働いていた。

「イメージはフレッシュな学生さん。事務所に入ってきてからもう30年の付き合いになるけど、昔のイメージが抜けない」と柿塚は懐かしむ。

 当時、柿塚のグループが取り扱っていたのは株式公開のコンサルタント業務であった。オーナー経営者と接する機会が多く、グループ内では「君たちも早く辞めて事業家になれ」と 後輩たちの尻を叩いていたという。

 そしてついに、荒井が退職を申し入れると柿塚はこう言った。

「黙っては辞めさせない。事業計画を持ってきなさい」

 株式公開業務に関わる仕事をしていると事業計画がどれだけ大切かが身に染みてわかる。計画を持ってこなければ辞めさせないのは愛情の裏返しであった。

 これまでに退職の申し入れをしてきた者はいたが、事業計画を持ってきたのは荒井だけだった。「自分がこうしたいという未来像を彼はきちんと作れていた。はっきりとした意思を持っている点で、事業家としてのスタートラインからしっかりしていた」と感心しながら柿塚は当時を振り返る。

 更に、荒井の退職を知るとクライアントから役員になってほしいと申し入れが相次いだ。仕事がきちんとできているかどうか、柿塚はいつも荒井を上司目線で見てしまっていた。しかし、クライアントからのその申し入れを聞き、荒井の優秀さがはっきり見えたという。

 いわゆる「サムライ業」の延長で起業家になる人はほとんどいない。特に会計士など経理関係に携わっているとなおさら、金銭面を考えてしまうので勝負に出られないという。

「社員が10人までは会計士業の延長だったと思いますが、多くの従業員を抱えながら事業を展開していくのは意欲と才能が無いと難しいでしょう」

 事業として大きくするには「サムライ業」以外の部分をカバーしていかないといけない。「サムライ」から大名になるのは至難の業なのである。

 荒井はこの情報化時代のM&Aの将来図を描き、情報産業的な部分で顧客をどう取るかについて挑戦し続けている。だからこそ成長できていると柿塚は分析する。

 創業当時は株式公開も荒井の事業計画には入っていなかった。柿塚が関わってきた経営者は皆、やりたいことが明確な事業計画が重要であり、漫然とやっていても株式公開はできないと口を揃える。株式公開は至難の業であり、そこに踏み切った荒井は企業家としての才能を今一度開花させたのである。

「まだ大きい分野が残っています。第一ステップは終わりました。もう一回飛躍できると見ています。これからですね」と微笑みながら荒井にエールを送った。



戦友でもあり良き友人/フォーサイト総合法律事務所 代表パ ートナー弁護士 大村健 Takeshi Omura


戦友でもあり良き友人/フォーサイト総合法律事務所 代表パ ートナー弁護士 大村健 Takeshi Omura


 15名の弁護士を抱え、約40社の企業の上場を支えてきたフォーサイト総合法律事務所。その代表パートナー弁護士を務めるのが大村健である。荒井とはお互い忙しくなった現在でも、2カ月に一度の頻度で飲みに行くほどの仲だ。

 大村と荒井の出会いは20年前に遡る。大村と荒井の上司が知り合いであり、お互いの部下を紹介しようということで、初めて荒井と顔を合わせた。その時は、その後仕事ではもちろんのこと、プライベ ートにまで長く付き合うことになるとは想像していなかった。

 出会いから数年後、ストライクの大型M&A案件に法務アドバイザーとして大村が携わることとなった仕事を共にしていく中で、荒井の物事の考え方や機転の良さに驚いたのだという。「人にはない考え方を持っています。荒井さんは僕の人生の中で5本の指に入るくらい聡明ですね」と荒井を評した。

 そのM&A案件の中で大村は忘れられない出来事がある。その案件は企業再生を含んでおり、売り手の弁護士と条件面で激しく議論が必要な内容だった。そこで次回ミーティングには大村が先陣を切り、荒井がフォローするという役割分担をして臨んだ。しかし交渉が始まり、作戦通り大村が口火を切ったのだが、荒井は黙り込んだままだった。交渉が終了後、大村は後方支援をしなかった荒井に対し説明を求めると、荒井は「大局的に見て全体の金額に満足しているから、相手の条件をのんでもいいと思ったんだよね」と言ったのだ。

「常にその場その場で俯瞰して、部分最適ではなく、全体最適を考えられるのは荒井さんの武器ですね」と大村は語る。その案件から大村と荒井は数多くのM&Aを手がける戦友となった。

 弁護士は様々な人から悩みを聞く立場である。一方で弁護士自身は自分の悩みを相談する相手がいないのが実情である。弁護士として活躍する大村の一番の相談相手は荒井である。大村がプライベートで悩んでいた時には、日曜日の夜に東京駅まで駆けつけるほどだ。

 仕事では悩むことが少ない大村だが、数年前に社外役員をしていた企業が問題を起こした際に、どのようにすればいいのか悩んでいた。そのことを荒井に打ち明けると、ストレートに「大村さん、身を引くべきだよ」とアドバイスをくれた。「あのアドバイスは今となって考えてみると、自分の人生を大きく変えたものでした」と大村は振り返る。大村にとっ て荒井は、どんなことでも相談できる兄貴的存在なのである。

 荒井と公私ともに付き合いが長い大村は、ストライクの強さは「社長の人柄」にあると説く。一般的なM &A仲介会社は、売買が成立したらその時点でクライアントとの関係が終わってしまう。しかし、ストライクは自社のことだけでなく、顧客の立場になって、売買が終了したあとのアフターケアも欠かさない。

 以前にストライクを介して企業を売却したクライアントがいた。その方は売却後に長野県で農園を始めたのだ。その農園に荒井はふと訪ねて近況を聞きに行ったのだという。「このようなことは普通の会社では出来ない。このようにクライアントを想う会社がこれからは生き残るでしょう」と分析した。

「荒井さんと仕事をすることで様々なことが学べますし、自分自身も高められます。これからも仲良くしてください」。友人でもあり戦友でもある荒井にメッセージを送った。



お互いを励まし合う同期の桜/ナインアワーズ 代表取締役ファウンダー 油井啓祐 Keisuke Yui


お互いを励まし合う同期の桜/ナインアワーズ 代表取締役ファウンダー 油井啓祐 Keisuke Yui


 ホテル滞在中の「シャワー(1H)」+「睡眠(7H)」+「身支度(1H)」という3つの基本行動の本質を捉え、機能性と品質を徹底追及し、適切で納得感のあるサービスを提供するナインアワーズ。その代表取締役ファウンダーを務めるのが油井啓祐だ。荒井とは千葉県にある中高一貫の進学校として有名な市川高校の同級生で、今でも定期的に連絡を取り合う仲だ。

「学生時代も真面目で頭も良かったが、決してノリが悪いわけではなかった。正直、彼が会社を立ち上げて東証一部の上場企業まで大きくしていくとは当時は想像もしていなかった」と長い付き合いのある友人の視点から荒井の印象について語る。

 大人になってもその荒井の真面目さは変わらないという。「二人で食事をしているときに、お子さんから大学受験用の数学の問題が送られてきた。それに対してちゃんと答えていて、なおかつ答えるレベルも高いことに驚いた」と真面目な父親としての一面を垣間見て感動したという。

 ストライクが株式上場する数年前ことだ。荒井から「上場しようか迷っている」と相談を受けた。「その時はお酒も入った席でしたので『そんな偉そうなことを言ってないで、できるものなら上場してみたらどうだろう。できるかできないかの選択権はないから、上場してから考えたらいい』と友人のノリで思い切ったことを言った」と当時を振り返る。

 しかし、悩んでいた荒井は友人の言葉で何かが吹っ切れたのかもしれない。「今では私の思い切ったアドバイスが糧になったと言ってくれる」と油井は照れ臭そうに話す。

 そんなことがあった後、今度は油井が資金調達をする際には、荒井の言葉に背中を押されたという。

 前職は国内最大のベンチャーキャピタルに勤めていた油井。増資の際、古巣や世話になった上司のことを考え、どこから出資を受けるか思案していると、「『調達できるときに1円でも多く調達しておいた方がいい。』と的確なアドバイスをくれた」と言う。ストレートに思ったことを提言してくれる人はなかなかいない。「経営者として冷静な判断をしなければいけない」という荒井のアドバイスは悩む油井に大切なことに気づかせてくれた。

「荒井は経営者としての能力が非常に高い」と言う。M&Aの仕事は、売りたい人と買いたい人をマッチングするという、自社の中にもともとないものを組み立てる仕事のため、高い経営リテラシーが求められる領域だ。だからこそ、荒井の意見は公平で油井の心に刺さった。

「彼の期待に応えられるようにきちんと結果を出さないといけない」と油井は語る。

「どんな人に対しても決して自分を飾らない。そこが彼の魅力だ」と油井は説く。経営者特有のくせもなく、一見特徴がないように見えるが、飾らないでいることができる人はなかなかいない。

「自分に自信がないとできないことだと思う。自分の中に何かないと飾ってしまいますから。飾らないという部分では一番際立っているかもしれない」と古い友人として油井は話す。

 また、「気遣いを忘れない彼の人柄も尊敬する」と言う。意図しているのではなく、彼にとっての当たり前を自然にしているだけなのだろう。

 最後に油井は荒井に向け、「M&A業界を牽引する存在になって下さい。自分の心の中にある想いを成し遂げて欲しいですね」とメッセージを送った。



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