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トピックス -企業家倶楽部

2020年06月27日

理念とシステムで引越しを変える/アップル 代表取締役 文字放想

企業家倶楽部2020年8月号 モチベーションカンパニーへの道 vol.43


引越しは大きなライフイベントである。「住まいを変える」というのは、単純に住む場所だけが変わるのではない。その場所で過ごした時間、思い出、泣き笑いしたこと・・・また、新しい住まいでの生活に対する期待や不安。引越しとは、「心の移動」でもある。アップル引越センターはその「心の移動」をお手伝いする会社だ。システムで効率化できるところはしっかりと行うが、現場での作業には効率より「お客の笑顔」を最優先する。一見、相反することを馬鹿正直に追い求めているのが、社長の文字放想である。 (文中敬称略)



根っからの仕事好き

 人手不足やトラックなどの物流の問題から、2018年に初めて「引越し難民」ということばが登場した。現在、市場全体としては若干シュリンクしているとはいえ、引越し業界は約4000億円の市場である。地方では減少傾向であるが、都市部では微増といった状況である。

 最大手のサカイ引越センターを筆頭に、100億円の売り上げ規模を超える5社が過半を占め、残りを全国約250社が取り合っている。アップル引越センターは20億円以上の売り上げを計上する。

 アップル引越センター社長の文字放想の仕事人生のスタートは14歳とかなり早い。多感な少年時代、不登校となった文字が見つけた仕事、それが引越し会社であった。そこは、夫婦で切り盛りする小さな引越し会社で、周囲の大人からも可愛がってもらった。

「仕事って楽しい、働くって素晴らしい」この時の感覚が、いまの文字のバックボーンとなっている。 18歳からは、小さい会社ながら独立採算で引越し部門を任されるようになった。20歳で月収100万円ほどを稼ぐまで商売の才覚があった。ある時、人材の活用方法で社長と意見が食い違った。文字のモットーは「誠実に正直」である。文字はその会社を去ることを決めた。



ぶち当たった壁

 会社を辞めて1年ほどは、仕事を転々とした。「誇れる仕事、自分に正直にできる仕事」をやりたいと思っていた。なかなか、そういう仕事を見つけることは難しかった。

 家族のために、一度は離れると決めた引越し業界にトラック1台を購入して、始めたのがアップル引越センターであった。文字が21歳の時である。

 会社の業績は右肩上がりで順調に伸びていった。しかし、30人ほどの規模となった時、伸び悩んだ。その時、社内で起こっていたことは、お客からのクレーム、従業員の会社や仕事に対する愚痴が増えていたのだ。

「毎日が苦痛で、初めて会社を辞めたいと思った」と文字は当時を振り返る。そこから、本を読み、勉強し、多くの人に会い、行き着いた答えが「理念」であった。

「引越しを通じて、ひとつでも多くの笑顔を生み出し笑顔溢れる世の中を作ること」この理念(目的)に限りなく近づいたときに、「日本No .1引越会社」という目標を達成できるとは、文字の信条である。

 併せて作ったクレド(信条)は31条にもなる。第1条には、目的の大切さを掲げている。



プロセスのIT化

 理念やクレド(信条)などの会社としての精神的な支柱を整えると同時に、業務プロセスのIT化も進めている。引越しに特化した、オリジナルの統合基幹業務システムもその一つである。

 引越し業界はアナログな作業や紙の帳票を使ったやり取りがまだまだ多く残る。引越しの受付から当日の業務管理までを一貫して管理できるシステムを導入することで、業務効率を遥かに向上できた。

 コールセンターにお客から電話が入り、今までであれば、20分話し、その後の処理に20分から30分かかっていたものが、3分から5分に短縮できた。

 また、業界初の引越し予約システム「ラクニコス」は画期的なサービスである。今までの見積もり、約100万件のビッグデータを活用した。

 利用者は、画面に従って必要情報を入力するだけで、確定料金の提示を受け、予約まで行うことができるのだ。引越しの見積もりといえば、自宅に訪問して金額を提示するのが通常である。そういった煩わしさなく、スピーディーに手続きできることで利用者を増やしている。

 現在、同社が扱う引越しの2人に1人がこの「ラクニコス」を利用している。会社としても、訪問見積もりの必要がなくなることで効率化が進む。抑えられたコストはお客と従業員に還元するという。



人の成長=会社の成長

 更なる高みを目指す同社の今後の課題は明確だ。それは、人材の育成だ。会社に新しく入ったメンバーに伝えたいことはたくさんあるが、文字は「お客を喜ばせるのが仕事だ。いくら作業ができてもお客に喜んでもらえなかったら意味がない」と一番に伝えている。

 現場スタッフの評価制度も斬新だ。お客の評価が業績給に反映される仕組みを採用している。お客からのアンケートを集計し、数値化する。公平でわかりやすいと社員からも支持を受けているが、「まだ改善の余地はある」と更なるブラッシュアップを図ろうとしている。

 お客を喜ばせること、お客の笑顔が、リピート、紹介を呼ぶ。そのことが従業員の笑顔をつくる。お客と従業員の笑顔が増えれば、数字は自ずと伸びてくる。みんなが喜ぶ仕組みをつくること、その事こそが会社の成長の原動力となる。

「信念にそぐわないことはやらないし、人に言えないことはやらない」とは文字の言である。誠実で正直な商売で目標に突き進む文字から目が離せない。



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