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トピックス -企業家倶楽部

2020年08月27日

ファーストリテイリング柳井会長の英断に続け

企業家倶楽部2020年月10号 特別レポート


 2020年6月24日、京都大学 百周年時計台記念館には異色の顔ぶれが揃った。ファーストリテイリング柳井正会長兼社長、ノーベル賞受賞者で京都大学特別教授の本庶佑氏、山中伸弥教授の3人である。

 柳井正会長兼社長はこの日、個人として京都大学に100億円を寄付すると発表、揃って記者会見に臨んだのである。

 本庶氏に関しては京都大学に「柳井基金」を設置して、PD-1(免疫細胞の働きを抑制するたんぱく質)阻害によるがん免疫療法の研究を助成、毎年5億円を10年間寄付。山中氏に関しては、新型コロナウイルス研究プロジェクトに5億円、京都大学iPS細胞研究財団に45億円を寄付するというものだ。



「ウイルスとがんは人類の課題。本庶先生も山中先生も私利私欲なく、一生をかけて世界のために研究されている。研究とビジネスは似ていて、世の中を良くしたいという思いでは変わらない。日本がこのまま衰退しないように微力ながら支援させていただいた」と柳井会長。

 柳井会長と本庶氏はともに山口県出身で、同じ市内の中学校に通い、山口県立宇部高校の同窓生という間柄。本庶氏から「研究のために50億円ほど寄付していただけませんか」との打診に、柳井氏は「喜んで」と即決したという。そして以前から面識があり尊敬していたという山中教授にも50億円の寄付を申し出、今回の総額100億円の寄付の話が実現した。

 新型コロナウイルスは世界中にユニクロ等の店舗を展開するファストリにとっても、大きな打撃となっている。同社の20年8月期決算は17期ぶりの減収となる見通しだ。

 柳井氏はこれまでも東日本大震災の被災地支援や、母校・早稲田大学などに、度々寄付を行っている。しかし100億円という金額は過去最大規模となる。

「新型コロナウイルスは人類にとって100年に一度の危機。国からの助成金にはさまざまな縛りがあり、研究したくてもできないことがたくさんある。だが、個人や企業の寄付金なら自由自在に使える」と強調した。

 欧米では、成功した企業家が研究支援や慈善事業などを支援する寄付の文化が根付いている。今、世界中の課題となっている新型コロナウイルスに関しても、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏やマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らが寄付を実現している。

 しかし残念ながら、日本ではなかなかそうした寄付の文化が根付いていないことも事実である。

 企業として本業を成長・発展させ雇用を守り、税金を払うことで社会的責任を果たすことはもっともだ。しかし、本物の研究者、本物の研究を見極め、直接支援するのも成功した企業家の生き方の一つといえよう。

 この寄付の話をテレビや新聞で知ったある女性は「ユニクロの社長さんは立派な人ですね」と感想を漏らした。

 今回の柳井氏の英断を機に、成功した企業家らによる寄付の文化が、日本に広がることを願いたいものだ。規模の大小はともかく「柳井氏に続け!」である。(M)



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