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トピックス -企業家倶楽部

2020年08月27日

作る前に優良顧客を得る魔法の杖/マクアケ社長 中山亮太郎氏

企業家倶楽部2020年10月号 核心インタビュー【企業家の肖像】


「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」という崇高なビジョンを掲げ、新製品誕生のプラットフォームを運営するマクアケ。2019年12 月、東証マザーズに株式上場を果たし、このコロナ禍の逆風の中においてEコマースの強みを生かし快進撃を続けている。今期の業績、20 年9月期の売上高は29億7400万円(前期比121.2%増)、営業利益は4億8000万円(同284.3%増)と大幅な増収増益を見込む。同社を牽引する社長の中山亮太郎氏に話を聞いた。聞き手は本誌編集長 徳永健一

クラファンのマクアケではない

問 まずは御社の事業内容について伺いたいのですが、ネット経由で資金調達をする「クラウドファンディング」サイトを運営していますね。

中山 実は「クラウドファンディング」とは言っていないのです。今はもうそう表現するのを止めました。

問 それはどういうことでしょうか。是非、その真意を聞かせてください。

中山 初めは私たちも「クラウドファンディング」が何か新しいものを生み出す手段になると思い使っていました。ただ、「資金をオンライン上で不特定多数の方から調達するサービス」とどのメディアでも紹介されたところ、そのことでプロジェクトの実行者となる産業界とミスマッチが起こってしまったのです。

「資金をインターネット上で調達する」という表現は響きの良い言葉であり、理想的な願いが込められていますので、その切り口でメディアにも取り上げてもらいました。

 しかし、産業界の現場では「オンライン上で募金しているのではない」という声が多くありました。それは何故かと言うと、「クラウドファンディング」は東日本大震災の頃に日本に輸入された言葉だったので、「オンライン募金」という印象が強くついてしまったのです。

問 たしかに震災後の復興の時期と重なっています。また、メディアも読者が分かりやすいように単純化して表現する傾向があるので、「クラウドファンディング」=「オンライン募金」というひとつのイメージが固定化されてしまったのでしょう。

中山 一度イメージが付いてしまうと、「私たちは違います」と言ってもなかなか分かってもらえませんでした。当時は、弊社の事業の伝え方の解像度も低かったのだと思います。認識のズレを感じていました。



マーケティングという視点

問 創業当時は、利用者との間に認識のギャップがあったとのことですが、それが好転するきっかけは何だったのですか。

中山 何とかもがきながらも続けていると、あるメーカーさんから「中山さん、マクアケは資金調達をするサイトではありませんよね」と言われました。インターネット企業は見落としがちなのですが、メーカー側には在庫と流通の概念があります。

「新商品の在庫を作る前に顧客を獲得できるマーケティングに使えるのがマクアケの本当の価値ですよ」と教えてくれました。それからは伝え方を変えました。産業界でも「クラウドファンディングは資金調達」という文脈でしたから、「マーケティング」という概念では使われていませんでした。

 そこで、弊社では「マーケティング」という概念を取り入れて、クラウドファンディングからマクアケ独自の進化をしていったことで一気にサービスを使っていただけるようになりました。その後は、ソニーやシャープといった大企業の方も使ってくれるようになりました。

問 クライアントからの声がブレークスルーのきっかけになったのですね。

中山 はい、まさに新しいものを生み出す前に、顧客を獲得してから始められる創出ステップという考え方です。資金調達だけでなく、マーケティングという概念を加え、むしろそちらに軸足を置いたことでマクアケ独自の価値になっていきました。

 今では産業界において何か新しい商品やサービスを生み出す際の登竜門として認知して頂けるようになりました。あくまで資金調達は得られるメリットの一部であり、プロモーションの側面を統合的にワンストップで出来る点が評価されているのだと思います。

 今までしたくても出来なかった良質なプレマーケティングがテクノロジーの力を活用して可能になりました。顧客がすでにいるということが自信にもなり、背中を押すことが大事なことだと気づかされた創業期でした。

 という訳で、「クラウドファンディングサイトのマクアケ」と言われると、まだ昔のイメージを払拭できていないなと思います。(笑)

問 なるほど、そのような経緯があったのですね。失礼しました。確かに、ビジネスにおいて在庫リスクは負担が大きく、出来る限り抱えたくないものですね。

中山 インターネット誕生後に生まれ育った世代は、デジタルで消費し、ネットで完結します。スマホのゲームや動画コンテンツなどが流通していますから、在庫という概念がなく、逆にそのことを熟知していてさらにインターネットに詳しい人材は乏しかったのです。そのことは大きな盲点でした。


マーケティングという視点

「コト消費」に変わる

問 新しいプレマーケティングのツールを手に入れたことで、今後のショッピングやモノづくりの考え方が変化していきますね。

中山 現在の消費者は十人十色で多様性の時代になっています。これまでの画一的な商品では満足できなくなっています。これからの時代は、買い物自体を「コト消費」に変えていかなければなりません。基本的な機能・デザイン・価格に加えて、作り手の「ストーリー」が融合していくことが重要だと考えています。

 消費者は会社の背景やストーリーに共感して商品を購入するようになっていきます。それを私たちは独自に「応援購入」と名付けました。作り手と買い手の垣根がなくなって、融合していく感覚があります。単なる消費ではない、新しい「コト消費」の形になっていくと考えています。

 そこで「新しいモノや体験の『応援購入』サービス、マクアケ」と打ち出しています。問 ビジョンやミッションを前面に打ち出すこだわりのある企業も増えてきました。組織の目的や使命を掲げ、社員が意欲的に働く原動力にしていることを「ミッション・ドリブン」と表現をします。そのような会社が御社のサービスを利用すると相性が良さそうですね。

 さらにデジタルですから、プレマーケティングで得られた顧客データも活用でき、「データ・ドリブン」でもあるということでしょうか。

中山 想いの強い会社は相性がいいです。マクアケではユーザーの様々な属性が商品を作る前に分かります。地域や性別、職業なども分かります。それらのデータを駆使して、どのような人たちをファンとして取り込んでいきたいのか仮説・検証ができ、その後の展開がしやすくなっています。この様なアプローチが今後は必須になっていくでしょう。



魔法の杖に育てる

問 リスクの高い新しいことに挑戦しようとする会社にとっては、商品を作る前に潜在的な優良顧客をリサーチできる夢のツールだと思いますが、いつからこのようなサービスを考えていたのでしょうか。

中山 弊社は13年に創業し、8月にサービスをリリースしたのですが、最初の一年間は先にお話ししたようにオンライン上の寄付や募金といったニュアンスが強かったように思います。なかなかマーケットフィットせずにいたのですが、15年に入ると中小だけでなく大手のメーカーからも「マーケティングの側面が強い」というご意見をいただき、「新しいモノやサービスを生み出す魔法の杖になるかもしれない」と本当の価値に気付き、そこを磨いていった方がいいだろうと決めました。

 同じころに地方の銀行や信用金庫から、クライアントが新規事業のため与信枠を広げたいと相談があり、何か一緒に出来ないかと提案を頂きました。そこでクラウドファンディングを希望する事業者がいたら金融機関を通して弊社に紹介していただき、プロジェクトをサポートする取り組みを始めました。

 地方の事業会社はマクアケを使うとプレマーケティングが出来るので、新製品の売上予測が立ちます。まったくの期待値ではなく、データとしてエビデンスを金融機関に提出できるため両者にメリットがあり喜ばれています。城北信用金庫一行からのスタートでしたが今では百行を超えました。

 事業者の皆さん、パートナーの皆さんにマクアケの価値を教えて頂きながら、サービスを磨いていきました。

問 「量」が「質」に変わるといいますが、お客の声に耳を傾け、がむしゃらにやると答えが見つかります。今、成功している企業も創業当時は泥臭い地道な努力を続けたと言います。

中山 メーカーや音楽会社、芸能事務所や映画会社に精力的にアポイントの電話をかけて、私も含め社員総出で数百社は営業に行きました。当初はここまで増えると考えていなかったのですが、後に飲食店は人気ジャンルに育ちました。とにかくまずは事業者さんの生の声を聞くことを目的に会いに行きました。答えは現場にしかありませんから。

問 始めは想定していなかった飲食店とのことですが、何か特別な出来事があったのですか。

中山 飲食店も始めた当初は寄付や募金のニュアンスがありました。しかし、ブレストでアイデア出しをしている中で、「オープン前に『会員権』を販売してみるのはどうだろうか」という意見がありました。完全会員制の馬肉レストランを作ってみたら面白いのではという話になり、実際にやってみたら瞬く間に会員権が売り切れてしまいました。

 顧客を一気に獲得できただけでなく、来店される際には友人や家族を同伴されるので、オープン前から黒字が確定しました。年会費を頂くことで売上げも先に入ってくるなど、飲食店の新しいスタートの形として今では定着しています。少し自分もオープンに関わったお店ということで、他の店とは違う体験ができますよね。マクアケでは会員制のレストランはリピーターの多い人気ジャンルとして確立されているほどです。


魔法の杖に育てる


会員制飲食店のブレイクのきっかけとなった「ローストホース」

「新しい」を生み出す

問 本来、資金調達とは「手段」であって、その資本を使って何をしたいか「目的」が重要ですね。

中山 クラウドファンディングという概念は、オンラインで募金活動が出来るという素晴らしい仕組みだと思います。それこそコロナのような災害が起こった際にお店が潰れそうだから応援してほしいとプロジェクトを立てることが出来ます。実際にマクアケでもそのように使って頂いています。

 それとは別の角度で本質的に「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界」を実現するというビジョンを掲げています。

 時代によって人々が感じる「豊かさ」の定義は変わっていきます。まさにコロナ禍でも変わっている印象を受けます。その豊かさをエンドユーザーが手に入れる形は変わっていきます。事業者が創意工夫をして、新しいサービスが形を変え次々と産み出されていきます。「新しい」を産み出す取り組みをテクノロジーを使って後押ししていくのがマクアケの役割だと思っています。

問 まさに今、大企業だけでなく中小企業や個人にも従来のやり方だけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)が求められているのですね。

中山 世界的なコロナの影響で消費者のライフスタイルも変わり、求めているモノの定義が変わってきています。事業者もニーズの変化に合わせた新しいサービスを産み出すことが求められています。従来であれば、消費者との接点は店舗などオフラインが中心でしたが、今のタイミングではフルパワーを出せない状況です。リアルの場では消費者の変化に対応できず分断が起きています。

 このような場面でデジタルの出番だと考えた時、オンラインデビューの場を探していくとマクアケに出会い、ご利用頂けているのだと思います。

問 コロナ禍で取材を続けてきましたが、多くの企業家が既存のライフスタイルや概念が変わってしまい、従来のやり方では通用しなくなるだろうと言っています。まさに「ゲームチェンジ」が起こったのだと認識しています。

中山 新商品のデビューの仕方のDXはまだ何年か先だと想定していましたが、この数カ月で一気に前倒しされました。マクアケを使い、作り手が中間業者を通さずにエンドユーザーに自社商品をデビューさせることが可能になりました。ダイレクトにメーカーが質の高い商品を適正な価格で売ることが出来ます。産業構造自体が変わっていくでしょう。インターネットテクノロジーの強みと言えます。

 これからも「世界をつなぎ、アタラシイを創る」という使命を果たしていきます。



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