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トピックス -企業家倶楽部

2020年08月27日

佐藤綾子のパフォーマンス心理学 第58回/Why?を考えられる社員を育てよう

企業家倶楽部2020年10月号 トップの発信力

1.ノーテンキ思考社員

 経営者が何人か集まると決まって出てくる会話があります。最近若くても若くなくても新入社員との会話に手こずっているというものです。

「いまどこまでいったの?」と上司が聞けば現在提案中の新しい建築物の提案を聞きたがっているとわかります。したがって答えは「現在7社の内でうちがトップです」と答えるでしょう。「どこまでいっているの?」と聞かれて文字通り今自分の仕事が今何をしているかをそのまま答える社員がここ数年増えているのです。

「一を聞いて十を知る」どころか、「一を聞いたときにその一の意味が分からない」彼らなのです。「いま企画書をA4で10枚出して先様に読んでいただいているところで、競合があと5社あるので、果たしてどこまでいくのか」と新人は言うでしょう。これでは要点の報告になっていません。「いまライバル会社と争っています」と言えば十分なのです。ところが、上司が何の目的でその質問をしたのか分からないので、現在自分が進行中の仕事をありのままで答えます。

 これには実は私も開いた口が塞がらないことがありました。新入社員に「いま何をしているの?」と聞いたら「コピーを取っています」という答えが返ってきたのです。コピーを取っていることは、見てわかります。何のコピーを取っていてなんのどのような位置づけか聞きたかったわけです。「今何をしているの?」「コピーを取っています」なら見て一目瞭然です。

 そのコピーが○○社への企画書のコピーなのか、税金納入の控えのコピーなのか、その後の話は違ってきます。

 要するに相手がなにを聞きたいのか、つまりWhy がわかっていればこういう間抜けな答えにはならなかったのです。



2.木を見て森を見よ

「木を見て森を見ない」部下の例が前述の人々です。

 いまやっていることに夢中になれることはすばらしいことです。でも、新人、あるいは社歴が丸2年あってもイマジネーション力のない人間は、「何のために今自分はこれをやっているか」を深く考えない。そして、目先の仕事に追われて、逆に余分な仕事をたくさんやってしまいます。それで、報告書や日報やPDCAシートを出されて「今日は6時間も企画書を作りました」と言われても6時間かけた作業について、上司は人事の評価には使えません。「何のためにやっているのか」最初に考えていれば、おそらく実際の作業は1時間で済んだでしょう。これが「木を見たら森を見る」癖をつけることです。多くの会社には、Credo、Vision、目標、社訓などが掲げられています。ここが大目的です。

 たとえば「よい家づくりを通して社会貢献する」などというのがそれです。図のように、この大目的を上位目的と位置付けます。するとその下に下位目的(小目的)がいくつか設定されます。たとえば「良い家づくりをする」という上位目的に対して「お客様への説明をきちんとすること」「納期を守ること」「上質な材料を使うこと」「アフターフォローをすること」は下位目的(戦略)として出てきます。

 それをどうするかがその日の計画(Plan)としてさらに明確になっていくわけです。小目的どころか計画作業しか頭にないまま一日が終わる社員ならAIで足りるでしょう。

 そうではなくて作業の上に小目的があり小目的の上に大目的つまり何のためにこの会社をやっているのかを考えないと、これから特に勤務形態がF2Fだけでなく在宅やオンラインとのハイブリッド型になると大変です。F2Fならば朝の朝礼でCredoを唱和するという手もありましたが、オンラインだとそれがない。大目的を一日一回は思い出させる体制をつくってあげましょう。「ノーテンキ思考社員」を減らす一つの方法です。



3.メタ思考トレーニング

 じつは目の前に見えている5W1Hをきちんと書いたり報告したり作文に入れたりするという訓練を私たちは中学校や高校の授業あるいは大学のコミュニケーション学の初歩でやってきました。「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どのように」したという4W1HにWhy(なぜ)を加えた5W1Hです。

 When(いつ)Where(どこで)Who(だれが)What(なにを)How(どのように)Why(なぜ)の省略です。「いつどこで何をどのようにする」は一日の予定表あるいは全部仕事が終わったときのチェックシート、PDCAサイクル[Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)]の記入などでやっていることでしょう。

 ところが何のためにやっているかということを忘れてしまうと美しいPDCAや美しい日報に終始して、実際の仕事は前に進みません。常にWhy を考えるメタ思考が大事なのです。たとえば話を聞くときも、話の裏を読みましょう。「あなたのためだからこの株を買っておきなさい」と誰かに言われたら「そうではなくてそう言っている本人の利益のためでしょう」と思うのはメタ思考です。

 誰かが盛んに景気のいいことを言っているとしましょう。それを、メタ思考を働かせてみれば、彼または彼女はハッタリをつけて景気よく見せ、あわよくば相手から借金をしたいと思っているかもしれません。

 さらにメタ思考ができる人は相手の本質が見えるので同じくメタ思考ができる人と仲良くなります。トップ経営者同士が仲の良いのもここに一理あります。企業家倶楽部に属している方々は全員メタ思考ができているでしょう。「なんのためにこれをやっているのか」が、デンと腹に座っているので、次々と新しいアイデアや対策が出せる。

 経営者は自分の周りにフォロワーとしてこんな部下を育てていくのがウィズコロナの効率の良い人材術だと思います。この際、メタ思考の会話ができること、メタ思考の言葉を口に出すこと。それを部下にちょっと練習してもらいましょう。




Profile 佐藤綾子(さとう・あやこ)
博士(パフォーマンス心理学)。日大芸術学部教授を経て、ハリウッド大学院大学教授。自己表現研究第一人者。累計4万人のビジネスマン、首相経験者など国会議員のスピーチ指導で定評。「佐藤綾子のパフォーマンス学講座 」主宰。トップリーダーに学ぶ人を惹きつける「自分の見せ方」など単行本194冊、累計323 万部。

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