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トピックス -企業家倶楽部

2020年10月27日

危機を好転させるコミュニケーション

企業家倶楽部2020年12月号 ベンチャーリポート2


一般社団法人リスクコミュニケーション協会によるオンラインセミナー「有事におけるリーダーのリスクコミュニケーション~今こそ取り組むべきRC~」が開催された。今だからこそ考えるべきコミュニケーション術について、パネリストによる白熱した議論が繰り広げられた。(文中敬称略)

時代に合ったプロフェッショナルを育成

「海外、日本、それぞれのフィールドで活躍してきた3名のパネリストによる徹底的な議論をお届けしたいと思います」

 モデレーター岡田直子の進行により、一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(以下RCIJ )による緊急特別企画「有事におけるリスクコミュニケーション」と題したオンラインセミナーが始まった。

 RCIJ は、2020年7月に立ち上げられた一般社団法人である。コロナ禍により、平時のみならず有事でも、企業や組織が適切なコミュニケーションスキルを求められていることを体感した人は少なくないだろう。そんな中、彼らは「有事の際に、迅速かつ適切に対応するための準備を進め、解決に導くために内部での情報収集と意思決定、外部への情報発信を行い、タイムマネジメントを意識した上でステイクホルダーとの適切な意思疎通を図ること」をリスクコミュニケーション(RC)と定義付け、企業内における潜在リスクの把握と危機対応、外部とのコミュニケーションを理解した「リスクコミュニケーションのエキスパート」を世の中に輩出することを目的として発足。全10回にわたる講座を通して学んでいく。

 今回は本講座開講を目前に、日本のトップが交代したことを受け、有事におけるリーダーの在り方について、モデレーター岡田直子(RCIJ副代表理事)進行のもと、吉田雄人(一般社団法人日本GR協会代表/前横須賀市長)、村田慎二郎(特定非営利活動法人国境なき医師団日本事務局長)、島田久仁彦(RCIJ 理事/国際交渉人・紛争調停官)の3名のパネリストによる熱い議論が交わされた。



正直になる

 まず最初のテーマはリーダーにおけるRCの事例について。「自治体でRCを最大に発揮できるのは災害時です」と吉田。警鐘を鳴らすことは大事だが危険を煽ってはいけない。今回のコロナ禍でも、ただ「出歩かないで」という呼びかけだけではなく「感染者がこのような状況になったら再開する」と事実に基づき将来の希望を持たせた発信をしていくことが大事であったという。そこに「同じ状況を表現するにしても煽るのではなく、事実に基づいた情報を与えて正しく恐れてもらうことが大事」と島田が続く。現在ある情報から判断し、先行きや展望を明らかにする。もしわからなければ「わからない」とはっきり言い、ブレないことが大切である。島田は「しっかりとした情報を与えながらも、今後の展望を示せるのがリーダーたるもののRCの肝である」と考える。

 また、事実を伝えるのにもコツがあるという。当然伝え方ひとつで受け取り方も変わる。「データが出ました」で止めてしまうとその後の行動は各々の判断に任せることになってしまうが、加えて「こういう手がある」という手段を提示できるのがリーダーシップのコミュニケーションだという。



人としての信頼関係

 続いてのテーマは「コミュニケーションの変化について」。ここでは村田が国境なき医師団の活動責任者として経験した、シリアでの事例について議論していく。

 シリアの北西部、国境沿いの小学校を病院に建て替えての活動。最初の半年は何もなかったが、ある日周囲に砲弾が次々と着弾。活動責任者であった村田にこのまま活動を続けていくか否かの判断が迫られた。内戦悪化のため医療の需要も高まる中、このまま続けていけばスタッフの命の危険もゼロではない。悩んだ末、下した判断は「3週間だけ病院を閉め、砲撃のリスクを下げてからの再開」であった。

 そして3週間後の再開に向け、スタッフ全員に現状を細かく説明。最終的に病院に残るかどうかは一人ひとりの判断に任せた。その結果、現地スタッフ100名、海外スタッフ15名全員が「残る」判断をしたという。

 この経験から村田は「たとえ国籍や人種、宗教が違っていても、信頼関係が結ばれており、きちんとしたコミュニケーションをとることが出来れば危機は乗り越えられる」ということを感じたという。

 これを受け、様々な紛争地帯を見てきた島田は「相手や周りに自分の背中を預けられるかどうか」と信頼関係の重要さを語る。死と隣り合わせの紛争地では、外だけではなくチーム内でもリスクを最小限に抑えることも大切なのである。さらにリーダーのコミュニケーションとして、「私利私欲で動かないことも大事」と吉田。コミュニケーションをとる主体が私利私欲で動くと内容もゆがみ、信頼関係も生じてこないと分析する。



平時からの準備を

 最後のテーマは「これから有事に備えてリーダーがとるべきRCの理想像」。まず吉田は「平時におけるコミュニケーションの質が有事に活きてくる」としながら「自然災害を念頭におくと、訓練も大事」だという。平時の準備という意味でも、全員が同じコミュニケーションレベルを保つために関係者を巻き込んだ研修や訓練も大切なのである。

 また、平時の備えを「ハーデストクエスチョンにいかに準備できるか」とした島田。聞かれたくないこと、起きてほしくないことに対してどう対応するかを細かく想定しておくことが大切である。そしてトップが指示を出せない場合の指揮系統や情報の流れをチャートのようなものにして用意しておくことをRCの基礎だとし、冷静に判断をするには普段からどれだけのケースをこなせているかであるという平時の準備の重要性を説いた。更にコミュニケーションにおいて、事前に相手の状況を知り共感を示すこと、自分の拠り所となるシステムをチーム内外で作っておくと良いと村田が語る。

 3名が時間を余すことなく語り合った1時間のセミナー。最後に「悪い意味で日本は平和ボケだと言われますが、自分たちがそれぞれ考え行動していくきっかけを提供できたのではと思います」という島田のメッセージで締めくくられた。危機を好転するコミュニケーション術を操る、新時代のスペシャリストたちに期待したい。



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