• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル

トピックス -企業家倶楽部

2020年12月26日

堅い意志で道を切り拓く

企業家倶楽部2021年1/2月合併号 マネーフォワード特集第5部 辻庸介の人的ネットワーク


場の空気を作るのがうまく、謙虚で人懐っこく、誰からも愛されていると評される辻。辻の周りには常に人の輪ができる。半面、強く固い意志を持ち、その意志を情熱をもって、丁寧に説明し、周りを巻き込み実現させている強さも兼ね備える。気が付けば、誰もが辻の魅力に惹きつけられている。(文中敬称略)



粘り強く交渉する意志の強い企業家/マネックスグループ取締役会長 松本 大 Oki Matsumoto


粘り強く交渉する意志の強い企業家/マネックスグループ取締役会長 松本 大 Oki Matsumoto


 ゴールドマン・サックスのゼネラルパートナーであった松本大とソニーが設立したネット専業証券会社がマネックス証券である。ソニーでは社員が社内公募で出向を希望したら必ず了承するというルールがあり、グループ会社ではなかったが大株主であるソニーの了解を得て、出向を募ったところ、辻が手を上げた。2004年にソニーから出向という形で松本のデスクのすぐ近くで働くことになった。

「良くも悪くもゼロから創業した会社であったので、組織が大きくなり同質化していると感じていました。そこで異質だが私の右腕的存在となる人材を欲していました」と辻を受け入れた目的について語る。

 辻の履歴書を見て会ってみようとなった。松本のオフィスは当時も今も変わらず会議室はガラス張りとなっている。面接を受けに来た辻がそのガラスを背に座っているのが見えた。椅子の背もたれから髪の毛が少し覗けるほどだったので、「踏ん反り返っている態度の大きな新人がいるなと思って部屋に入ったのを覚えています。実は彼は緊張して背筋を伸ばしていたので、私の勘違いだったのですが」と懐かしそうに笑顔で話す。

 松本が辻に最初に命じた仕事が、マネックス証券で初の新卒採用であった。実は前年に松本が社員に新卒採用を提案したところ、「今は新人を育てている余裕がない」と反対されていたのだ。そこで松本は社員に相談せず、社長の決定事項として、新卒採用の担当に昨日出向してきた辻を指名した。無理だろうと思いながら採用活動をするよりも何も知らない人物の方がいいだろうとの松本の判断である。さらに、辻も学生に会社説明をするために会社のことを知らなければならない。一石二鳥と考えたのだ。

「猪突猛進するタイプで、もともと社内では新卒採用に前向きでない空気もある中、新参者が担当者として動いているので彼には風当たりもあったと想像できるが、そんなことを感じさせない突破力がありました。その年、5名採用でき、その内一人は現在取締役になっています。最初から行動力があったと思う」と松本は企業家としての辻の能力を評価している。


 その後は、日興ビーンズ証券を買収することになり、名称がなくなってしまうので、ビーンズ・スカラーシップという留学制度を社内に作った。辻自身もペンシルバニア大学ウォートン校に留学することになった。「彼に頼まれてウォートンを訪れて学生向けに講演したこともあります。その時の彼は周りの学生たちによく解け込んでいて、彼の物怖じしない性格で英語も頑張っているなと感じた」という。

 帰国後は、部長職に任命し、科学的なアプローチを導入しマーケティング領域で力を発揮した。

「彼は意志が強い。ソニーから出向し、後に転籍し、頑張って勉強して留学し、帰国してから、今度は会社を作りたいと言って起業しました。最終的に周りの人を説得できるという意志の強さがある」と辻の魅力について話す。

 最後に「意志の強さが彼の持ち味である。それを自覚し長所を伸ばすのと同時に幅を持たせることが出来たらいい」と期待を込めてメッセージを送った。



夢を語り合える良き先輩経営者/BASE代表取締役 CEO 鶴岡裕太 Yuta Tsuruoka


夢を語り合える良き先輩経営者/BASE代表取締役 CEO 鶴岡裕太 Yuta Tsuruoka


 2012年のあるスタートアップが集まるイベントで初めて顔を合わせたのが、Eコマースプラットフォームを提供するBASEのCEO鶴岡裕太だ。「パソコンの調子が悪いので貸してくれない?」と気さくに声を掛けてきた辻であった。年の差は一回りほどあるが、会社創業が12年の「同期」ということで、何でも話ができる関係を築いてきた。「人当たりがよく、コミュニケーション能力が高い気遣いの人」と出会った当時から変わらない辻のパーソナリティを表現する。月に数回会うほど、二人の関係は近い。ただ、「飲みに行っても、ずっと仕事の話や夢を語り合う」と、年は離れていても友達のような関係でもある。

 鶴岡は、辻と出会ってから色々なことを相談してきた。その中でも自社を株式上場させるかどうか迷っているときに、「会社の利益とかそういうことでなく、世の中を良くするために上場して、より良いプロダクトを作っていく」という高い視座から話をしてくれたことが特に印象に残っているという。常に大きな夢や志をもって仕事にあたることの大切さ、世の中を良くするという企業家としての姿勢を辻から学ばせてもらっていると言う。

 二人には共通して「プロダクトが一番大事」だという考えを持っている。この考え方は、インターネットネイティブ世代の鶴岡からは自然な発想であるが、辻の世代でこの考え方を言い続けている人は少ないという。「経営者としての能力や多くのネットワークを持っている辻さんが、プロダクトが一番大事と言い続けているところをリスペクトしているし、若手の私から見ても格好いいと思います」と言い切る。そんな、完璧にも思える辻がちょっとしたトラブルで珍しく悩んでいたことがあった。その時、年下である鶴岡に対して「あの判断で合っていたと思う?」「あのことどう思った?」と素直に聞いてきたのだ。本来なら、触れたくないようなことでも、後輩に客観的な意見を求められる器の大きさ、芯の強さに感心させられた。

 鶴岡が見るマネーフォワードの強みは、「お金を前へ、人生をもっと前へ」というミッションに連動し、お金を稼ぐためのプロダクトづくりではなく、世の中を良くするためのプロダクトづくりをしている点にあると見ている。そして、同社のスタッフが辻と同じように、ミッションに基づいたプロダクトを作っている点も大きな強みであるという。かくいうBASEも、日本中にいる個人や小さなチームがもっと自由に商売ができるようなプロダクトを展開している点は、マネーフォワード同様、世の中を良くするためのプロダクトづくりを行っている。辻と鶴岡の思考はやはり「プロダクト思考」と言える。

 人生の先輩であり、同じ時代にインターネットサービスを展開する経営者仲間として、刺激を与えてくれる辻に、「自分自身も世界中で使えるプロダクト、サービスを作っていきたいと考えています。この点は、辻さんも同じだと思います。どの段階でというのは難しいですが、人生の最後の結果として、自分の会社の方が辻さんの残したものに負けないよう頑張っていきます」と力強く決意を語った。



人を巻き込む能力の持ち主/妙心寺退蔵院 副住職 松山大耕 Daiko Matsuyama


人を巻き込む能力の持ち主/妙心寺退蔵院 副住職 松山大耕 Daiko Matsuyama


 京都府にある、臨済宗妙心寺退蔵院にて副住職を務めている松山大耕。辻に初めて出会ったのは、7年ほど前のG1新世代リーダー・サミット(U-40)というカンファレンスがきっかけである。辻が京都大学出身、そして松山は東京大学の出身だが、互いに農学部であるという共通点から、「農学部出身者の会」にて現在も交流を続けている仲だという。

 辻の人間性については「人を育て、巻き込む力を持っている」と語る。中でも驚いたのは、利益相反し兼ねない職種の人、例えば辻のビジネス分野であれば会計士をもファンにして、巻き込んでいる点だという。様々なクラウドの会計ソフトがあるが故に、どうしても会計士の仕事が奪われるのではないかと危惧されるが、そういった会計士からも人望が厚い。実際、松山の知り合いの会計士からも悪い噂を聞かないという。そこには、彼らの仕事を奪うのではなく、活用して作業効率を良くすることで「思いやりを持って巻き込むことを成功させている辻の力があり、思わず舌を巻く」と話す。

 そして巻き込む力は個人だけでなく、会社としても成長する大きな要因となっている。様々なカンファレンスに出席して、世の中に対する意見はあっても特定の個人に対して否定的なことを言うことはこれまでないという。あくまで巻き込んで、一緒に共存していくという、敵を作らないスタンスである。会食の席でも率先してユーモアで場を和ませるキャラクターであり、そのような愛嬌のある一面が松山にとってもまた会いたいと思わせる人間的魅力だという。

 また、辻の視野の広さには感嘆するばかりだという。「自分のビジネスの範囲を超えて国や環境、農業のことを広く考えて物事を捉えている方」だと評する。これについて、辻の人脈の特徴に触れた。一般的なITベンチャーの経営者は同じ業界との繋がりが多い傾向にあるが、辻はそうではない。「農学部出身の会」には他にもユーグレナの出雲充や花まる学習会の高濱正伸などがおり、松山も含めてこのようなフィールドの全く異なる人とのネットワークを持ち続けている点が辻の視野の広さに繋がっているという。

 松山は辻から長野県の棚田を整備しないかと提案されたことがあり、サステナビリティ思考が強いと感じたという。辻の学んできた農学部という学問を始め、京都は地に足をつけて社会の中で長く続けていくことを尊ぶ土地柄であり、そのような環境が少なからず辻に影響を与えていると説く。

 松山は、辻と価値観が似ていると感じる部分として、メイク(作る)ではなくてグロー(育てる)視点を持っている点を取り上げた。辻はベンチャーを育てており、松山自身は寺という人を育てる場所にいる。フィールドは違えど、グローという精神が根底にある。「育てる」ことに人間の強さが表れると考えている。「畑を耕すようにまずは実践。理論ではなく、やってみないことには何も始まらないので、トライアンドエラーを苦にしない点は共通していますね」。そのような価値観の類似や、神聖なものに関心を持っている点が自身と気が合うと話す松山は最後に「将来的には是非一緒にブータンなど、聖地巡礼ツアーを実現させたい」と期待を込めて笑顔で締めくくった。



生涯の親友/ラクスル 取締役CFO 永見世央 Yo Nagami


生涯の親友/ラクスル 取締役CFO 永見世央 Yo Nagami


 ネット印刷大手のラクスルCFOの永見世央と辻が出会ったのは2009年、ペンシルバニア大学ウォートン校でのMBAプログラムに参加したときであった。「仕事仲間というよりは留学時代の同級生です」。辻とは年齢が4つ離れているが、お互いをファーストネームで呼び合う仲だ。お互いに海外経験がないなかでの留学。「英語は2人とも相当苦労していて、授業が一番大変でした。ただ辻さんも私も、戦略や交渉など面白いけれども難しい授業をチャレンジングに履修しました。企業戦略を学ぶ授業では、同じグループで一緒に発表したり、先生にあてられ、頑張って発言していました。成績はいまひとつでしたが」と永見は笑いながら話す。

 辻は当時から今の家計簿アプリ事業の原型のようなアイデアを持っていたという。「フェイスブックのマネー版をやりたいと言っていました。今の家計簿アプリに近いようなサービスをアメリカでやっている会社があり、『こういうサービスは日本にはないから手掛けてみたい』という話を同級生と食事をしながら話していたのを覚えています」。本当に起業するかはわからなかったが、日々の授業や色々なプログラムに参加するチャレンジングな辻の姿からは、企業家の心を感じたと永見は回顧する。「留学した09年はリーマンショック直後であり、11年には東日本大震災がありました。そういった社会の激動期に留学していたことで、『お金を稼ぐ』ではなく『社会にどう貢献し、課題をどう解決していくか』という意識が非常に高まり、その中で、起業に至ったという側面もあると思います」。

 辻は12年に起業、永見は14年からラクスルに入社するが、その際も辻の助言があったという。「ベンチャーに行くときの心構えや、ラクスルについて相談して自分の意思決定の後押しをしてくれました。今はチームが出来上がってきていますが、入った瞬間は足りないものばかりでした。それでも『ベンチャーはそんなものだよ』と辻さんからアドバイスをもらいながら、悪戦苦闘していました」。辻が心の支えになってくれたと永見は感謝の気持ちを語る。

「多くの人から愛されるパーソナリティには私も影響を受けていて、日々勉強させてもらっています」と永見。辻は義理人情が厚く、信頼関係を重視したビジネスパーソンであり、人を惹きつける力があるという。そんな辻が作ったマネーフォワードの強みを「テクノロジーのチーム力」と永見は分析する。「家計簿アプリ1つから今は色んなサービス展開をされています。多方面に事業展開をしていく事業作りとその裏にあるテクノロジーのチームの力が強みだと思います」。そのビジネスディベロップメントの力から刺激をもらっているという。さらに「各サービスにもビジョンや方向性が必要であり、そこを担うリーダーが必要です。そういった採用や育成は辻さんが長けている部分があると思います」と多くの人が活躍していく組織が大事であると永見は語る。「留学時代に体系的に経営を学んだことが、ベンチャーの経営においても糧になっている部分はあると思います。本当に海外留学してよかったと僕は思っていますし辻さんも思っていると思います」。

 最後に、世の中の経営者の模範になるような経営者としてベンチマークされる存在になって欲しいと期待を寄せながら「MBAの同級生としても、日本の社会を変えていく同士としても、これからも共に研鑽し合いながら頑張っていきましょう」と生涯の親友にメッセージを送った。



誠実で信頼できる人/弁護士 松尾綜合法律事務所 菊間千乃 Yukino Kikuma


誠実で信頼できる人/弁護士 松尾綜合法律事務所 菊間千乃 Yukino Kikuma


 弁護士として紛争解決、一般企業法務、コーポレートガバナンス等を担当し幅広く活躍している菊間千乃。そんな菊間が辻を知るきっかけになったのは2016年4月。新経済連盟のピッチイベントでのことである。

 企業法務を担当していた菊間はイベント運営に関わる友人から「株式上場前の社長が登壇する面白いプレゼンイベントがあり、興味深いから是非来てほしい」と誘われた。そこで初めて辻と出会ったわけだが、彼のプレゼンを聞いての印象は「お金の一元化は画期的なサービス。マネーフォワードはお金の管理を根本から変える企業なのではないか」それと同時に「一元化したら個人情報も一か所に集まる。セキュリティ面はどうなるのだろうか」という疑問も生まれた。菊間は未知の領域であるフィンテックを扱うマネーフォワードに対して「興味深い、もっと知りたい」という思いを抱くようになった。

 菊間が辻と本格的に交流を始めたのは同年6月。ピッチイベント当時は顔見知りではなかったが、「マネーフォワードに興味がある」と口にしていたおかげか、イベントに誘ってくれた友人が今度は辻との会食に招待してくれた。会食の席で菊間はかねてから興味があったフィンテックの領域について質問してみた。それに対し辻は気さくな笑顔で受け答え、おすすめの本や雑誌を紹介し、初心者でもわかりやすく理解できるように丁寧に説明した。そんな辻に菊間は「誠実で信頼できる人」との印象を受け「この人が手掛けるサービスなら安心して利用することができる。自分の利己的な感情ではなく世の中を良くするためのサービスだ」と確信したという。

 辻と菊間は利害関係を抜きにして気軽に話せる友達のような関係だ。週末には辻の企業仲間たちと会食やゴルフなどのレジャーを楽しむこともある。一緒に遊びに行った際、いつも輪の中心にいるのは辻だ。辻はよくいじられるのだが誰がいじろうともそれを笑いに変えてしまう。いい意味で社長とは感じさせない気さくさが多くの人を引き付けているのだ。このことから菊間は辻のことを「愛されキャラ」と評する。

 また菊間は辻と四年以上の交流があるが、一度も他人を悪く言っているところを聞いたことがない。「いつも誰かのいいところを見つけてほめている」と人の良さも引き出せるところが周りから信頼を寄せられ、この人についていきたいと思わせる『カリスマ』要素だろう。

 マネーフォワードの強みを聞くと、「自分ファーストではなく、他人を第一に考えられているところ。この『誰かのために』という思いやりが世の中の役に立つ画期的なサービスを生み出せる秘訣だと思います」と満面の笑みで答えた。

「会社も大きくなりプレッシャーを感じているかもしれません。ですが利害関係を抜きにして全面的に信頼して応援している人がたくさんいることを忘れないで頑張ってください」と辻にエールを送った。



コメントをシェア

骨太対談
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top
日本のオンラインカジノでオンラインでプレーすることの本当の魅力は、実際に交流するプレーヤーがいないという事実です。 ご存知かもしれませんが、多くのプレイヤーは賞金を他の人と共有することを望んでいません。 したがって、彼らは楽しみのためにプレーし、お金を失うリスクを冒すことはありません。 その結果、ゲーム全体をオンラインで無料でプレイできます。 日本のオンラインカジノ これは、お金をかけずにゲームをプレイしたい人に最適です。 しかし、あなたが本当のオンラインカジノで本当のお金を勝ち取ろうとしているなら、あなたはいくつかの秘訣と戦略を学ぶために読み続けたいと思うかもしれません。