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トピックス -企業家倶楽部

2020年12月26日

薬局業界をDXで支援/代表取締役社長 中尾 豊

企業家倶楽部2021年1/2月合併号 注目企業


町の至る所で見かける薬局。それもそのはずである。その数はコンビニエンスストアの店舗数を超える約6 万店舗もあるのだ。小規模の店舗が多く、大手によるM&Aも盛んに行われている。2020年9月に施工された「改正薬機法」によって、否応なく変革が迫られる業界に、テクノロジーでDXを支援するのが中尾豊社長率いるカケハシである。(文中敬称略)

変革が迫られる薬局業界

 いま、薬局業界は大きな変化の時を迎えている。2020年9月に施行された「改正薬機法」により、薬局は「薬を調剤し販売する場所」から「薬の適正な使用に必要な情報提供を行う場所」という定義の見直しが行われた。また、薬剤師の役割についても、継続的な服薬状況の把握及び服薬指導が義務化されるなど、今まで以上に「対人業務」の重要性が求められるように法制化されたのだ。

 みなさんの「薬局体験」はどうだろうか。病院での長い待ち時間の後、短い診察が行われ、処方箋をもらい病院を後にする。そして、処方箋を最寄りの薬局に出し、そこでも順番を待って、「今日はどうされました」と処方された薬の「定型」の説明を聞いて家路に向かう。すべてとは言わないが、往々にしてこのような流れである。「寄り添われている感」はあまり感じない。

 大手製薬会社に勤めていた中尾も似たような課題感を持っていた。それは、中尾自身の実体験による部分も大きい。中尾の母親は薬剤師として、病気がちの父親をサポートしていた。実際に処方された薬を飲んだ父親の状態などを記録し、次の診察の際に、そのメモを医師に見せていた。それによって、父親の状態が良くなることを目の当たりにしていたのだ。「いまの薬局は、疾患、年齢、生活習慣など患者によって異なるニーズに合ったUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供できていないのではないか」そんな思いを抱き、16年、中尾はカケハシを創業した。



三方良しのプロダクト

 中尾は、創業前後に約400から500件にも上る薬局オーナーや薬剤師に会い課題を聞いて全国を飛び回った。そこで見えてきたのは店舗ごとに抱える課題は違っているということだ。より多くの患者に対応するために効率化が求められる大型の薬局もあれば、より深く地域の患者さんに関わって患者さんの状態の把握を求められる小型の薬局もある。その様々な薬局、薬剤師が抱える「リアルな課題」を多く集め、その課題解決をテクノロジーで支援するプロダクトが「Musubi」である。

 薬局における、薬剤師の仕事は多岐にわたる。大まかに言うと、薬を作り、患者に服薬指導を行い、薬歴を記録するという仕事だ。患者さんの待ち時間を優先に考えると、薬歴の記録は後回しにされ、勤務終了後にまとめて薬歴を記録するといったことが行われるなど、薬剤師の労働環境はハードである。薬剤師の働き方を変革し、薬局自体の経営効率化を進めていかなければ、先ほど述べた国が求める「これからの薬局」に変わることは難しい。

 Musubiが一般的な電子薬歴ツールと一線を画すのは、包括的に薬局業務全般をサポートしている点である。そして、何より、薬局や薬剤師のみならず、患者に対してもバリューを提供している点が優れている。服薬指導を画面を見せながら行うことで、患者は視覚的にも情報を得ることができる。何よりも「定型化」していたコミュニケーションの幅が広がり、より深い関係構築の一助になる。そして、その服薬指導と同時に、薬歴がほぼ完了することができる。患者は分かりやすく、薬局は効率と同時により深い情報提供が可能となる。

 また、このMusubiには「Musubi Insight」という大量のデータを分析し、迅速な意思決定を助けるBIツールが含まれており、薬局業務全体の見える化を推し進める。これは単に薬局の経営だけを改善するのではなく、今までは見えにくかった薬剤師の「正当な評価」を可視化することで、本当の意味での働き方改革を促すツールとなっている。

 私たちはもらった薬をちゃんと飲んでいるだろうか。ついつい飲み忘れたり、何となくやめてしまったりしている患者は意外と多くいる。薬局で話を聞いても、家に帰れば忘れてしまうし、何より、薬を飲んだ自分の状況を伝えることは難しい。服薬場面で患者をフォローするツールとして開発されたアプリが「Pocket Musubi」である。面白いのは「お薬手帳」ではなく「お薬連絡帳」という考え方で開発されている点である。今のお薬手帳は併用薬を確認するためのものになっている面がある。しかし、このPocket Musubiは、自動的に、適宜送られてくる問いに対して、回答することで、患者の置かれている状況の把握、間違った利用や困っている点を、薬剤師や薬局が把握できるツールである。これにより、薬剤師が電話を入れてアドバイスをすることもできるし、さらに、これらの情報を医療機関と連携することができれば、医師にとっては、状況把握がしやすくなりより患者の状況に応じた診察も可能となる。何よりも、患者自身がより的確な治療を進めることができ、メリットを享受することができる。まさに、三方良しのプロダクトとなっているのだ。



価値創造と見える化で業界を牽引する

 同社には、多くの薬剤師、薬局勤務経験者が在籍し、実際のプロダクト開発にも携わっている。さらに、日々、中尾が薬局オーナー、薬剤師、医師など多くの関係者とコミュニケーションを図り、リアルな課題を把握している。それ故に、現場のリアルに則したプロダクト開発が行われていることが同社の強みといえよう。「現場を知らなければ本当に役に立つプロダクトづくりは難しい」と中尾は言う。

「日本の医療体験を、しなやかに」というミッションを掲げる同社。中尾は「患者が『この薬局に来て良かった』『この薬剤師に指導してもらって良かった』と思えるような価値を創造したい」と改めて強調した。さらに、「価値の見える化」も併せて行っていきたいと強調する。薬局や薬剤師の仕事、存在は非常に重要な部分を担っているが、それらが正当に評価されていない。それは、薬局や薬剤師の価値が可視化されていないことによるのではと見ている。

 終始、柔和な表情と穏やかな口調で語る中尾である。しかし、患者、薬局オーナー、薬剤師のメリットを真剣に考えたプロダクトづくりで業界を牽引する強い意志が見て取れる。待ったなしで変革を迫られる薬局業界で同社が担う役割は大きいと感じた。



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