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トピックス -企業家倶楽部

2020年12月26日

ソクラ座談会 2021年も米中対立が軸に政権移行期に中国が外交攻勢/ニュースソクラ編集長 土屋直也 Naoya Tsuchiya

企業家倶楽部2021年1/2月号 国際政治入門 vol.8


 11月3日の米大統領選はバイデン前副大統領が勝利した。1月20日に就任する。トランプからバイデンへの米政権交代で米国の政策は180度といってよいくらいに変わるだろう。2021年の国際情勢はどう動くのかニュースソクラ編集部で話してみた。



トランプの4年後再出馬はあるのか

司会 2021年の国際情勢をどうみるか。

Zデスク 米中問題が最大の問題であることは変わりはないだろう。バイデン次期大統領は、トランプに比べ対中融和に舵を切るとの見方がある。副大統領を務めていたオバマ政権時代の姿勢がトランプよりも緩やかだったからだが、米国内の対中世論は当時とは比べ物にならないほど厳しい。対中政策が軟化すれば政権への支持を失いかねず、バイデン政権も厳しい対応をとらざるを得ないだろう。

G部員 勝利が確実な情勢になってバイデン氏は国務長官や安全保障担当補佐官など、次期政権の骨格になる人事を発表して、政権移行を着実に進めている。トランプ氏が政権を譲らない姿勢をとり続けるようなら1月に再実施になるジョージア州の連邦上院選で共和党にはマイナスに働く。この2議席を民主党が制すると、上院の議席は共和、民主で50対50になるから、副大統領が議長を務める関係で上院も民主党が制することになる。大統領や連邦下院ばかりか上院も民主となれば、共和党は何もできない。なんとしてもジョージア州の連邦上院選は落とせないと考えており、トランプ陣営にじたばたするなと圧力がかかった。トランプサイドもすんなり譲って、4年後の大統領選への再出馬を狙った方がいいと態度を変えた。

Qデスク 大統領選に敗れた現職大統領が4年後に再選した例は過去にないわけではない。それもあって、再出馬説がくすぶる。トランプ氏も示唆する発言をしているが、トランプ派の維持結束のために意図的に流している面もある。しかし、現実には難しいのではないか。バイデン政権の発足後しばらくしたら、再びトランプ氏を巡る捜査が始まるだろう。再選阻止のためでもあるし、民主党のアンチ・トランプ派からの圧力もかかる。大統領の特権として訴追を免れてきた案件も多く、訴追は避けられないだろう。



政権交代をにらんだ動き

X部員 事前にはトランプ支持者の暴発で「内乱状態」を予想する声もあっただけに、予想よりはスムーズな政権移行になっているが、やはり政権移行期なので1月20日までは米国は政策対応はしづらい時期。それを巡って、バイデン政権発足後に影響を与えようとの動きがでてきている。

司会 政権移行期に伴う動きとは。

Vデスク ひとつは中東で、イランの核開発の最も権威ある科学者が殺害された。イランはイスラエルの仕業と断定し、報復するとしている。イランとイスラエルが軍事紛争というような状況に陥れば、バイデン政権によるイラン核合意への復帰はしづらくなるだろう。湾岸諸国のイスラエルとの国交樹立が続いているが、ネタニヤフ・イスラエル首相は11月にサウジアラビアを電撃訪問し、ムハンマド皇太子と会談した。原油価格の値下がりや国営石油会社の海外上場が難航しているなど、財政的に苦しいサウジの台所事情に付け込む動きだ。だが、サウジは国内に根強い反イスラエル勢力もあり、国交樹立は簡単ではないだろう。サウジ側は会談があったことすら認めようとしていない。それでも会談ができたことだけでもイスラエルにとっては大きな進展。バイデン政権以後では両国の接触を米国政権が認めない可能性もあった。これも火事場泥棒的な動きだ。



中国がTPPなどで攻勢

X部員 中国も移行期を意識した外交攻勢をしかけている。先行しているとされる新型コロナワクチンの供与などで親中国勢力作りに励んできたが、大統領選後に多国間経済連携協定であるRCEPで合意したほか、習近平主席はTPP(環太平洋経済連携協定)に参加したいと正式に表明した。TPPはオバマ政権が中国包囲網の経済版とし推進していたが、トランプ大統領が認めず、日本が主導する形で米国抜きで実現した。米国が参加しなかったことで投資などの面での合意が緩やかになっている。それだけ中国は参加しやすいので、米国がいない間にということなのだろう。

G部員 それでもTPPは中国にとっては参加のハードルは高い。特例を設けてもらわなければ難しいのだろう。RCEPで協力関係ができたTPP参加国に特例を認めるよう水面下で要請している模様だ。中国は輸出先として大きなマーケットなので、実利をとりたい国は中国に協力するだろう。

Zデスク 日本は来年TPPの議長国になるので裁量権が大きい。中国と米国の両方からうらまれないように振舞う必要がある。バイデン次期大統領はTPP加盟を表明していないのは、国内の調整が済まないから。これは簡単ではないが、中国が先に入ってしまえば、新規加入は既存メンバー全加盟国の承認が必要になるから、米国は中国に邪魔されかねない。日本は時間をかけながら同時加盟に導く必要がある。中国カードが米国の早期TPP加盟を促す面はあるが、双方からいろんな要求がでて、日本は難しい調整を迫られるだろう。



台湾めぐり軍事緊張高まる

司会 TPPなどは経済面の動きだが、軍事面ではどんなことが。

Zデスク 米中と言う意味では台湾を巡ってのつばぜり合いがどう動くのか。習近平主席は本来の任期である10年、2022年に交代せず、長期政権を築こうとしている。そのためには国内、とりわけ人民解放軍の支持を磐石にしておきたいので台湾の併合を実現させたいと考えている。場合によっては軍事力行使も辞さない考えだ。

X部員 これを察知している米国は厚生長官、国務次官と高官の台湾訪問を進め、台湾を事実上の独立国として扱う姿勢をとってきた。これに対して中国はWHOのオンライン総会への台湾のオブザーバーとしての出席も認めようとせず、妨害工作を繰り返した。10月以降は中国軍機が台湾海峡の中国と台湾の中間線を越える「越境」飛行も相次いでいる。いずれも米国へのけん制だが、南シナ海も含め、偶発的な軍事衝突が起きかねない緊張状態が続いている。

Vデスク 大統領選や連邦上院選など政治的な野心があるポンペオ国務長官は訪台の機会をうかがっている。10月に中国包囲網といえる日本、オーストラリア、インドと米国の4カ国の外相会談を日本で開いたが、その後、台湾訪問を狙っていたとされる。これはトランプ大統領が新型コロナに感染し、急遽、帰国したが、国務長官であるうちに訪台し対中強硬派を国内向けに印象付けたいと考えているようだ。

Qデスク 米中や中東の動きに比べ報道は少ないが、インド・中国の国境紛争も深刻化している。人民解放軍の発言力が高まっているといえ、軍事的な緊張が各地で高まるのが2021年といえるだろう。(12月4日実施)




Profile 土屋直也(つちや・なおや)
1961年生まれ。84年早稲田大学政経学部卒業、同年日本経済新聞社入社。86 年から3年間ロンドン駐在員としてサッチャー首相の英国と金融街シティを取材。98年から4 年間ニューヨーク駐在中は、ウォール街を取材し、2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった91年の損失補てん問題で「補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年7月、ソクラ創設のため、日本経済新聞社を退職。同年10月、株式会社ソクラを起業し、代表取締役兼編集長に就任。



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