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トピックス -新商品

2015年08月16日

人民元切り下げ、背後に米利上げ

梅上零史


 中国が8月11日、人民元の切り下げに動いた。中央銀行である中国人民銀行が人民元売買の基準値(対ドル為替レート)を13日まで3日連続で引き下げ、1ドル=6.1162元の基準値を13日までに約4.5%安い1ドル=6.4010元にしたのだ。実際の取引を示す市場レートも13日の終値が6.3982元と10日の終値よりも約3%下落した。

  中国の為替制度は市場レートの変動を基準値から±2%に収める「管理変動相場制」だ。今回の切り下げは基準値の算出方法の変更で、前日の終値を参考に決めることにしたという。これまでは前日の終値が基準値よりも下がった場合でも、翌日の基準値は前日の基準値と変わらない水準に決めていたため、大きな変動なくレートは推移していた。

   人民元は中国の大幅な貿易黒字を受けて、基本的に欧米から切り上げ圧力が強く働いており、切り下げは実に1994年1月1日以来。この時は1ドル=5.8元を一気に8.7元と33%も切り下げた。この切り下げは外資企業の中国投資を促し、中国経済躍進へとつながったが、一方で3年後のアジア通貨危機の遠因になったともいわれる。対ドルレートを固定していた東南アジア各国は次第に輸出競争力を失い、タイやインドネシアなどの経常赤字が拡大。ついに1997年に変動相場制に移行せざるを得なくなったのだ。

   1994年と2015年に共通するのが米国の利上げだ。1994年は人民元切り下げの1ヶ月後、2月4日に米国が利上げをしている。今年は9月にも約10年ぶりの利上げがあるのではないかと予想されている。米国の利上げで新興国から米国にマネーが引き上げ、新興国の通貨や株価が暴落するのではないかとの懸念がでている。すでにマレーシアやインドネシアなどで通貨下落は始まっている。中国の今回の切り下げは周辺国の通貨下落に歩調を合わせるための“調整”の意味合いが強い。周辺国通貨がさらに下落すれば、人民元も追随して下げる準備が今回の措置で整ったといえる。米利上げに向けて、アジアのマーケットは不安定な状態が続きそうだ。



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