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2015年08月18日

企業たるもの、正々堂々と儲けよ

企業家倶楽部デスク 相澤英祐


 ソフトバンク孫正義社長の言う「情報革命」の時代を迎えた昨今、インターネット接続環境はプライベート・ビジネスを問わず死活問題となっている。スマートフォンやタブレットといった持ち運び可能な機器が普及しつつあるとはいえ、自宅にネットの固定回線を引いている方もまだ多いことだろう。だが、そんな自宅のインターネット環境に関して支払っている料金とその内訳を明確に把握している方はどれだけいるだろうか。

   先日、転居に伴って新たに引いたインターネット回線のオプション契約を解除する手続きを行った。最終的には無事全ての不必要なオプションを解約することができたが、これが相当手間のかかる作業であった。

   そもそもインターネット回線を引くためには、

①自宅まで回線を引いてくるインターネット回線事業者
②インターネットに接続する言わば「権利」を売るプロバイダ

   の二社と契約する必要がある。

   もちろん、それぞれにユーザーIDがあり、パスワードがあり、場合によってはそれらのIDと別に、事業者が展開する他のサービスのアカウントを開設させられるケースもある。


   さて、それら複数のIDとパスワードを完璧に把握した状態でサポートサイトへ行き、要求される情報を全て入力してマイページにログイン、オプション解除のコーナーへ。各契約の詳細な説明を読み、必要・不必要の判断を行って、場合によっては解約する。これだけでも頭が痛いという方は、まだまだ甘い。仮にIDやパスワードなどの情報を一つでも失念した場合、状況は更に悲惨である。

   通常、パスワードを一つ忘れたくらいならば、利用者情報として氏名や生年月日を答えれば事足りるだろう。仮のパスワードが発行され、予備で登録してあるアドレスなどに送られてくるはずだ。しかし、予備のアドレスが無効、もしくはIDもパスワードも不明という状態に陥ると、もう手が付けられない。

   そんなに全ての契約をネット上で管理せずとも、旧時代の通信手段「電話」があるではないか。そう思われる方も、やはり甘い。こうした事業者に電話が通じるのは決まって平日の9:00~17:00といった具合。しかも、延々と待機音楽が流れて全く繋がらない。私の原体験として申し上げると、待たされた最長記録は27分である。企業戦士として勤務時間は1秒でも惜しいビジネスマンが、平日の真っ昼間に20分も30分も待てようか。

   では、私のようにわざわざ有給休暇を使って電話をし、執念の待機の末、30分かかって繋がったとしよう。その頃には堪忍袋の緒が切れる寸前の方も多いことだろうが、人間を相手に怒鳴ることができれば御の字。というのも、自動音声案内に従って進んだ結果、酷い時など「ウェブサイトをご利用下さい」という無機質な音声が流れて勝手に電話が切れるケースもあるからだ。

   ようやく電話先のオペレーター(人間)まで辿り着いた幸運な方も、まだ油断はできない。「それは私どもの担当ではございません」と別の番号にかけるよう提示されて振り出しに戻るパターンもあれば、オプションなどの解約を申し出ると、「これを解約すると無線が使えなくなりますがよろしいですか?」などと脅かしてくることもある。

   知識があれば、必要・不必要を見極めて判断できるので、相手の言い草に惑わされることはないのだが、そういう方ばかりとも限らない。むしろ、特にITリテラシーが低いお年寄りなどは、一度付けられたオプションを解除できないどころか、その存在すら忘れてしまっている方も多いだろう。何が何やら分からぬまま、無駄な支払いを続けている方は大勢いるに違いない。

「すぐに解約できますので、とりあえずオプションを付けておきます」

   この常套句を前に、どれだけ多くの方が大切なお金を巻き上げられていることか。これからインターネット契約をされる方は、

①何にどれだけ料金がかかるのか納得の行くまで担当者に説明してもらうこと
②IDやパスワードといった情報は確実に保管し、絶対に忘れないこと
③困ったらITに詳しい身近な親族・友人・知人などに相談すること

   をお勧めしたい。

「2カ月無料期間」などと称して、契約の時点で必要も無いオプションサービスを大量に加え、ユーザーがその存在を忘れてしまってからも、すまし顔で使用料を取り続ける。これに気付いて解約しようと試みる人々の前に大きな障壁を作り、極力これを阻む。インターネット事業者のこうした商法が社会の役に立っているのか、甚だ疑問だ。やはり企業たるもの、正々堂々と儲けなければなるまい。



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