• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル
  • 私の注目ニュース
  • 新商品コーナー

トピックス -新商品

2016年02月24日

アップルはFBIに協力せよ

企業家倶楽部デスク 相澤英祐


 米アップルがFBI(連邦捜査局)と対立している。

   発端は、昨年12月にアメリカ・カリフォルニア州で発生した銃乱射事件だ。14人が死亡、22人が負傷したこの惨事について、FBIはテロと判断。容疑者としてイスラム過激派組織「イスラム国」のテロリストを挙げ、押収したアップル製端末iPhoneのロックを解除するよう同社に要請した。しかし、アップル側がこれを拒否したことで論争が巻き起こっている。

   アップルのティム・クックCEOは「政府はこの捜査に限って(セキュリティ解除を)利用すると言っているが、その約束が守られる保証は無い」と述べ、政府によって個人のプライバシーが不当に侵される危険性を指摘した。これに対してFBI側は「我々は全力を挙げて法に基づいた捜査を行っている。米国民が我々に望む最低限のことをやろうとしているだけだ」と応酬。あくまで合法的な捜査の一貫であり、一般市民のプライバシーを侵害する意図は無いことを強調した。

   米国で取られたアンケート調査によると、51%が「アップルはFBIに協力してロックを解除すべき」と回答。一方、「FBIの要求通りロックを解除すべきではない」と答えたのは38%にとどまった(残りの11%は「わからない」と回答)。世論はアップルの主張に否定的だ。

   大規模なテロは、昨年11月にフランス・パリ、そして今年1月にはインドネシア・ジャカルタでも発生し、全世界へと波及しつつある。そうした状況下で、「対テロ戦争」の最主要当事国と言ってもよい米国の市民がFBI側に傾くのは当然かもしれない。

   今回のような事案は確かにプライバシーの問題に絡むが、誘拐やテロといった犯罪を未然に防げたり、その解決に繋がったりするメリットは大きい。実際にイギリスでは、国内に約600万台が設置されているとも言われる監視カメラによって犯罪が抑止・摘発されている。人工衛星技術の発達により、今後は宇宙から撮った高精度の画像によって捜査が行われることも頻繁となろう。

   もちろん、こうした言わば「個人情報」へのアクセス権が不当に濫用されることは避けねばならない。権力の暴走を食い止めるための適切な法整備や、第三者機関による監視といったシステム構築が不可欠となってくるだろう。

   しかし、国防や犯罪抑止のためには、そうしたコストを惜しむべきではない。イスラム国は、テロの標的として日本も名指ししている。領域に縛られず、死を恐れることの無い彼らに対して、従来通りの抑止力を働かせることは難しいだろう。テロの脅威を水際で食い止める手段となるならば、一定の監視網が敷かれることは肯んじざるを得まい。



コメントをシェア

骨太対談
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top