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トピックス -新商品

2016年04月13日

2人の創業者の悲劇

企業家ネットワーク代表 徳永卓三


 セブン&アイ・ホールディングスの内紛がぼっ発した。発端は中核子会社のセブン-イレブンの井坂隆一社長(58)の後任人事だが、根は鈴木敏文会長と伊藤雅俊名誉会長との長年にわたる確執にある。

 鈴木会長の退任までのあらましを書いておこう。4月5日、鈴木氏はセブン-イレブンの社長を井坂氏から古屋一樹副社長(66)に交代させる案を指名報酬委員会に提出した。しかし、委員会の2人の社外メンバー、一橋大学特任教授の伊藤邦雄氏と元警視総監の米村敏朗氏がこの人事案に反対した。

 反対したまま取締役会に諮られる。ここで、人事案が賛成7票、反対6票、棄権2票で、過半数の8票に届かなかった。そこで、鈴木氏は責任を取って退任する意向を発表した。

 以上が"事件"のあらましだが、セブン&アイ・ホールディングスには、鈴木氏と伊藤氏の長い確執がある。1992年にさかのぼる。伊藤氏が総会屋に便宜を図ったということで、社長を鈴木氏に譲り、自分は経営の第一線から退いた。

 鈴木氏はコンビニエンスストアのセブン-イレブンの創業者という強烈な意識がある。一方、伊藤氏は物腰は柔らかいが、スーパー、イトーヨーカ堂をスーパーの覇者にしたという創業者意識がある。伊藤氏は自分がオーナーであるという意識があり、自分とイトーヨーカ堂の信用力がなければ、今のセブン-イレブンはなかったという思いがある。

 そこに、息子の問題がある。伊藤氏の長男裕久氏は慶應大学商学部を出たあと、同社に入社、専務まで行ったが、2002年49歳で辞任、米国にITの勉強に行った。

 次男の順朗氏は2002年、セブン-イレブン・ジャパンの取締役に就任したものの、現在、CSR統括部シニアオフィサーという、あまり重要でないポジションにある。

 一方、鈴木氏の次男、康弘氏は花形であるネット通販業の責任者であり、日経新聞によれば、実績が乏しいにもかかわらず、異例の早さで出世街道を駆け上っている、という。

 鈴木氏は会見で次男の優遇を否定したが、社内では不満があったのは確かと日経は断じている。

 伊藤氏は鈴木氏に全権を任せ、セブン&アイをゆだねたが、鈴木氏の”独裁”が我慢できず、今回の内紛になったとみられる。

 発端になったセブン-イレブンの井坂社長は鈴木氏のイエスマンであったろう。事実、鈴木氏が社長交代を告げた時、「わかりました」と答えている。しかし、後任の古屋副社長は井坂社長より8歳も年上で、若返りとは言えなかった。鈴木氏は「俺が言えば、誰もが従う」という慢心があったのではないか。

 もし、社長交代を許していたら、最後は次男の康弘氏をセブン&アイの社長にしてしまうと伊藤派は考え、セブン-イレブンの社長交代を阻止しなければ、と考えたのではないか。

 ライバルのコンビニエンス、セブン&アイの社内への影響など、しばらくは余震が続くだろう。



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